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日本IBMの生成AIを学べるカードゲームを使った研修サービスを体験。セガXDが監修し,ゲーミフィケーションの要素を盛り込んだ仕上がりに
この説明会では,同社がセガ エックスディー(以下,セガXD)の監修を受けて生成AIを学べるカードゲーム「Generative AI Card Game Training - バトルワーカーズ」(以下,バトワカ)を開発し,企業などに向けた研修サービスとして提供を開始したことが発表された。
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「バトワカ」は大きく3つの要素から成り立っており,1つ目はプレイヤーが「カードを作る」ことである。プレイヤー自身が日々どんな業務に取り組んでいるかを入力すると,その内容を生成AIが評価し,カードが作成される。カードのテキストはAIソリューション「IBM watsonx」が,イラストは他社製のオープンソース生成AIがそれぞれ生成する。
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入力した内容の表現次第で,カードのスコアが最大100まで上がるため,プレイヤーは高スコアを目指して,自分の業務の目的やその達成手段などを詳しく書き込んでいくことになる。
この過程が本作の2つ目の要素となる「生成AIを学ぶ」につながっており,プレイヤーは「こういった表現をすればスコアが上がる,または下がる」というプロンプト入力のコツなどを,座学だけではなく体験とセットで学ぶことができる。
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3つ目の要素は「カードで遊ぶ」ことだ。作成したカードは,データをダウンロードしてPDF化できる。そのPDFを印刷して,リアルのカードにすることで対戦が可能となる。
ルールはシンプルで,1対1でそれぞれが1枚ずつカードを場に出し,スコアの高いほうが1ポイント獲得,2ポイント先取したほうが勝利となる。サポートカードを使った駆け引きの要素もあるので,低スコアのカードがあるからといって必ずしも不利になるとは限らない。
研修では,参加者がいくつかのチームに分かれてトーナメント形式で競い,かなり盛り上がるそうだ。ちなみに将来的には,カードを印刷せずともスマホアプリなどを介して対戦できるような仕組みの導入も検討するとのこと。
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説明会に登壇した日本IBM テクノロジー事業本部 AIエンジニア 田村 孝氏によると,今回の取り組みの背景には,61%の企業と68%のCEOが生成AI活用に期待を寄せていることがあるという。
同社内でも生成AIと協働する将来を見据え,「生成AIファースト」というキーワードを打ち出しているとのこと。またその過程で重要になるのが,より多くの社員がAIをしっかり理解することで,簡単に使えてしまうからこそ,あらためてAIの使い方や得意・不得意分野,そしてリスクなどについて学び,AIと協働する組織文化を醸成していく必要がある。
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そうした組織文化の醸成にあたっては,一度学んで終わりではなく継続的に学ぶ必要がある。そうなると学習者の「自ら学ぶ」という意思がキーとなるが,そのために「バトワカ」にはセガXDが扱うゲーミフィケーションのノウハウが応用されている。
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「バトワカ」を使った研修サービスは,日本IBMのコンサルティング部門が管轄し,主に社内のAI活用を推進する部門や組織文化の醸成を担う部門を対象に提案・提供することなども示された。
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セガXD 取締役員付 COO補佐 藤川雄司氏は,「バトワカ」の3つの特徴を説明した。1つ目は「超短期的な目標設定」で,プロンプトを入力・訂正すると即スコアが判明することにより,プレイヤー自身の表現の工夫や,どのように表現すればいいのかがすぐに分かることだ。
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2つ目の特徴は,作成したカードがプレイヤー自身をモチーフとしたものであるため,「愛着があるアイテム」になること。AIが生成するのはデジタルなデータだが,それを敢えて紙に印刷することで愛着のあるものに仕上げたという。
3つ目の特徴は「競争性を持たせた世界観」である。本作はスコアの高いカードほど対戦で有利になるため,生成AIから高く評価されるように,表現の工夫を何度も繰り返したくなる仕組みとなっている。プレイヤーが「気付いたら効果的な生成AIのプロンプトの書き方を理解していた」となるよう,世界観の構築を徹底したそうだ。
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今後は日本IBMとセガXDの協業を通して,さまざまな企業のDX人材育成やそれをサポートするソリューション開発の推進を目指すこと,そうした企業のDXの加速化によって,豊かな社会の実現を目指すという展望も示された。
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