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「UniteUp!」合同ライブ「sMiLea LIVE -Fly into the Uni:Birth-」レポート。アニメ2期を経て感じた“多次元アイドルプロジェクト”の本気
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「UniteUp!」は,ソニーミュージックが手がける多次元アイドルプロジェクトで,2025年1月から4月にかけてはTVアニメ第2期も放送された。sMiLeaプロダクションに所属する3つのアイドルグループ「PROTOSTAR」「LEGIT」「JAXX/JAXX」,そしてかつての伝説のアイドルでありながら事務所の代表として彼らを支える「Anela」を中心に,物語が描かれている。第2期では,3グループがライブの集客数や楽曲の再生数などを競い合う“リリースバトル”が展開されたのも記憶に新しい。
本稿では,歌唱や演出で観客を魅了し,大盛況のうちに幕を閉じたライブ当日の模様をレポートしていく。
「sMiLea LIVE -Fly into the Uni:Birth-」公式サイト
アニメとシンクロする演出でライブスタート
開演時間になると会場が暗転し,スクリーンにはアニメ映像が映し出された。アニメ第2期の最終話として放送された第12話では,彼らの合同ライブの様子が描かれており,本公演と同じ会場が使われているなど,ストーリーとリンクする仕掛けが随所に施されている点も見どころだ。ステージセットも一致していることが分かると,客席からは「おぉ〜!」と歓声が上がり,会場は一気に物語の世界へと引き込まれた。
今回の合同ライブでは,各グループによる“シャッフル演出”が展開された。作中では,LEGITがPROTOSTARを,JAXX/JAXXがLEGITを,PROTOSTARがJAXX/JAXXのステージ演出を担当するという構成になっている。それぞれのユニットの魅力を尊重しつつ,新たな表現で引き出していくステージ演出は,本ライブならではの醍醐味といえるだろう。
PROTOSTARが魅せた,新たな一面と初披露の楽曲
最初に登場したのはPROTOSTARで,披露されたのは“一輪のバラ”をテーマにした新曲「Galaxy Rose」。いつもとは少し雰囲気を変え,ミステリアスさを加えた楽曲からは,彼らの新たな魅力が感じられた。また,リアルライブということもあり,アニメでは聴けなかったフルバージョンが披露されたのもうれしいポイントだ。
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楽曲終了後には,戸谷菊之介さん(清瀬明良役),山口諒太郎さん(直江万里役),平井亜門さん(五十鈴川千紘役)から,挨拶と自己紹介を兼ねたコール&レスポンスが行われた。客席からの「ちーちゃん!」という呼びかけに,平井さんが「最高」と笑顔を見せる場面もあり,ファンとの距離を縮める温かなMCとなった。
シャッターポーズや手でハートを作るなど,振り付けも可愛らしい「Star Parade」,会場のペンライトがキラキラと輝く「ゆめゆくの(PROTOSTAR ver.)」と,アニメの劇中歌が続いていく。リリースライブでも披露されていた「Astro Dreamers」では雰囲気が一転し,アップテンポな楽曲で会場の熱気も高まった。観客も手拍子で盛り上げ,ステージと客席の一体感が伝わってくるパフォーマンスとなった。
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MCでは,初披露となった「Galaxy Rose」に関する話題や,「UniteUp!」の活動が間もなく4周年を迎えることもあり,自身の“変化”についても語られた。
アニメ第2期の放送を経て,「たくさんの人に『UniteUp!』が届いているのがうれしい」と話した戸谷さん。山口さんは,これまで応援してくれたファン,そしてこれからも応援してくれるファンへの感謝の思いを伝えた。
そんなMCの流れを受けて披露された「ほんねのうた」は,歌詞がより一層心に沁み渡る。ラストはラップパートが印象的な「Keep it high」で締めくくられ,次のLEGITへとバトンが渡された。
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LEGITらしさ全開のパフォーマンスと熱いトーク
しっとりとした「Feel Like A Child」で幕を開けたLEGITのパフォーマンスからは,常に高みを目指す彼らの思いが伝わってくる。ソロでのダンスパートが長く取られているというこだわりも,本楽曲では見逃せないポイントだ。
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「プロト(PROTOSTAR)がやっていたやつ,やるか」と再びコール&レスポンスで盛り上がりを見せた,助川真蔵さん(高尾大毅役),森蔭晨之介さん(二条瑛士郎役),坂田隆一郎さん(東郷楓雅役)の3人。助川さんは客席からの大毅コールに「うっせぇ」と返し,まさに“リアル大毅”のような反応を見せる。坂田さんは「子猫ちゃんたち」と声をかけ,キャラクターを感じさせるMCでファンを魅了していた。
このほか,LEGIT全員で作詞を手掛けた新曲「Feel Like A Child」の歌詞にまつわる話題もあり,思わず楽曲を聴き返したくなるようなトークが飛び交っていた。
続いて披露されたのは,彼らのカッコよさが際立つ「DOPE」「FIRE」,そして煽りで会場を沸かせた「ON MY WAY」と,ボルテージの上がるセットリスト。途中のトークでは,3人でよく行くという“サウナ”談義も繰り広げられ,LEGITの絆を感じられるひと時となった。
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次の楽曲は,コール&レスポンス動画も公開されていた「MATSURI」。コールや振り付けのレクチャーも行われ,ステージ本番では予習の成果が存分に発揮されており,会場が一体となった瞬間だった。
そして彼らが最後に歌ったのは「What I Say」。リリースライブでも披露されたこの楽曲は,3人の強い意志やこれまでの歩みが感じられ,観客にとっても忘れられないステージとなった。
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JAXX/JAXXの“仲の良さ”あふれる賑やかなステージ
3番目に登場したのはJAXX/JAXX。バンドアイドルとして活動する5人が披露したのは「RAYS」。普段は楽器を手に演奏する彼らのダンスナンバーは,長年のファンにとっても新鮮に映ったはずだ。カラフルな照明や,メンバー同士のハイタッチといったさりげない演出も目を引いた。
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春賀楽翔によるお馴染みの挨拶「チャオッピー☆」からはじまり,まるで“家族”のようにわちゃわちゃとしたトークを展開する5人。MCではそれぞれがやりたいことを実施しており,masaさん(春賀楽翔役)によるJAXX/JAXXコールや,馬越琢己さん(香椎一澄役)リクエストによるウェーブ(波)など,キャスト陣の個性も感じられる内容となっていた。
下前祐貴さん(桂 ほまれ役),坪倉康晴さん(若桜 潤役),高本 学さん(森ノ宮奏太役)も,コーレスや自己紹介で会場を活気づけていた。
JAXX/JAXXといえばバンド演奏ということで,ここからは生演奏での楽曲が続く。アニメでも使用された「IN&OUT(JAXX/JAXX ver.)」「STORM's EYE」は,リアルで聴くことで音の厚みや迫力が,2階席(筆者が座っていた場所)までしっかりと伝わってくる。
「楽翔くんと一緒に作りました」と語っていたのは,masaさんが作詞・作曲を担当した「どうにでもなれ!」で,青春を感じさせるさわやかさが耳に残る楽曲だ。masaさんが下前さんと肩を組む場面もあり,JAXX/JAXXの“仲の良さ”が垣間見えた。
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キーボードの音色が響いた「A.P.P.L.E.」,そして彼らの魅力や絆が詰まったリリースライブ楽曲「Sailing Story」では,5分割のカメラワークがスクリーンに投影され,より“バンドらしさ”が際立つ演出となっていた。メンバー紹介時のパフォーマンスや「楽しい」といった5人の生の声も印象的で,あっという間の30分間だった。
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全員が再集結。Anelaと届けた感動のラストシーン
3グループの演目が終了すると,再びアニメ映像がスクリーンに映し出される。本編同様,緑色の照明がステージを照らすと,共通衣装に着替えた戸谷さんを含む11人のメンバーがステージへと再登壇した。
最後に全員で歌い上げたのは,アニメ2期のオープニングテーマ「Uni:Birth」。アニメさながらの言葉運びやライブ構成に感動するとともに,“多次元アイドルプロジェクトの本気”を見せつけられた。
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ここで出演者たちは一度降壇するが,アンコールに応えて再びステージが明かりに照らされる。「今日はありがとう!」という言葉とともに「Wish You Happiness」を歌うのは,Anelaの2人。斉藤壮馬さん(大月 凛役)が客席へ手を振る姿も見られた。
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sMiLeaプロダクションの設立者としてアイドルたちを裏から見守っていた2人は,本ライブについて「最高でしたね」「すごかった」と感想を述べていく。中島ヨシキさん(辻堂真音役)は,楽屋での戸谷さんとのエピソードを明かし,客席を時折笑いの渦に包んでいた。
「もう少し僕たちに付き合ってくれるかな?」と続いて歌唱したのは「君の手」と「TARGET」。まさかの複数楽曲披露というサプライズに,会場内も大盛り上がりだ。
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“伝説のアイドル”でもある2人の歌唱に心を奪われたのも束の間,「ハーモニーブライト」(Sweet Six from UniteUp!),「こんな世界なら」(Five Bitter from UniteUp!)と,シャッフルユニットによる楽曲が歌い上げられた。
11人が年上組・年下組に分かれて歌唱する曲では,普段見られない組み合わせや新しい試みが面白い。また「ハーモニーブライト」の終盤では見事なビブラートも響き渡り,歌唱力に圧倒されたのではないだろうか。
本ライブのBlu-rayリリースや,4周年を記念した新曲の配信リリース(該当ポスト)が発表され,この先の展開がますます楽しみになる「UniteUp!」。ラストは彼らにとって“はじまりの曲”である「Unite up!」をAnelaとともに披露した。
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終盤には「JAXX/JAXXとしても絆が深まった」(高本さん),「うちの子たちの最高なステージを観て,一緒にパフォーマンスができて幸せでした」(斉藤さん)といったコメントが並び,sMiLeaプロダクションにとって新たな思い出がひとつ加わったかのように感じる。最後は「ありがとうございました!」という挨拶で締めくくられ,無事にライブは幕を閉じた。
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「sMiLea LIVE -Fly into the Uni:Birth-」公式サイト
(C)Project UniteUp!
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