
連載
月刊ブロックチェーンゲーム通信 第18号。今回の分析ターゲットは「SyFu(サイフ)」
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なんか最近ちょっと流行りつつあるかも……? ということは知っていても,どんなタイトルがあって,どういうもので,どれくらいの人が遊んでいて,中では何が行われているのか,実際にプレイしてみないとさっぱり分からないのが,ブロックチェーンゲームです。
なのでこの連載では,毎月のブロックチェーンゲームのユーザー数や取引高ランキングの動向,そのとき話題になっているブロックチェーンタイトルの様々な分析データなどをdouble jump.tokyoが作成し,まとめて皆さんに紹介します。前回はWeb3アプリプラットフォーム「LINE Mini Dapp」を深掘りしましたが,今回は日常の買い物や支払いといった実生活の消費行動を,ゲーム内報酬やNFTの育成へと結びつけるブロックチェーンゲーム「SyFu(サイフ)」を紹介します。
いやいや私はもうだいぶ詳しいから説明なんか要らないよという人は,詳細版のマンスリーレポートだけでもぜひご覧ください。いま現在のブロックチェーンゲームの流れを知るためには,大いに参考になるはずです。
【2025年4月】BCGマンスリーレポート(double jump.tokyo)
「月刊ブロックチェーンゲーム通信」記事一覧
ブロックチェーンゲームのユーザー数ランキング
順位 | タイトル | ジャンル | MAU | 先月比 |
1 | World of Dypians | MMORPG | 300万 | +4% |
2 | Pixudi | ボードゲーム | 174万 | +12% |
3 | Meowtopia | シミュレーション | 122万 | +35% |
4 | SERAPH | アクションRPG | 97万 | -35% |
5 | Karat Galaxy | カジュアル | 88万 | +42% |
※DappRadarから引用(2025年3月24日時点)。なおユーザー数は,各タイトルに関連したブロックチェーンネットワーク上でのユーザーアクティビティをもとにカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。
今月は,ユーザー数ランキングにランクインした「Meowtopia」について紹介します。Meowtopiaは猫のユートピア(Meowtopia)をつくる,猫カフェシミュレーション放置ゲームとパズルゲームを組み合わせたゲームです。先月の連載に紹介した「LINE Mini Dapp」上で遊ぶことができます。
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建築でカフェをグレードアップしていくと,放置で獲得できるコインが増加していきます。建築にはダイヤが必要で,ダイヤはパズルゲームをクリアしていくことで獲得することができます。建築には時間がかかり,ダイヤでブーストするか放置をするかをプレイヤーは選ぶことができます。基本的にはスローペースで進んでいくゆったりとしたゲームです。
課金要素としてはガチャがあり,ダイヤやコイン獲得速度が上昇するボスキャット,キャットスキンを獲得できる可能性があります。LINE Mini Dapp上のゲームということで,KAIAトークンで支払うこともできます。
LINE Mini Dappには気軽にプレイできるブロックチェーンゲームが多数あるので,Meowtopiaをきっかけに一度触ってみるとお気に入りのゲームが見つかるかもしれません。
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「Meowtopia」公式サイト
ブロックチェーンゲームの取引高ランキング
順位 | タイトル | ジャンル | 取引高 | 先月比 |
1 | Axie Infinity | TCG | 2483万ドル (約35億612万円) |
-37% |
2 | Gods Unchained | TCG | 792万ドル (約11億1838万円) |
-43% |
3 | NIGHT CROWS | MMORPG | 714万ドル (約10億0824万円) |
-27% |
4 | Moto DEX | レース | 450万ドル (約6億3544万円) |
+20% |
5 | Four(旧BinaryX) | プラットフォーム | 333万ドル (約4億7023万円) |
-52% |
※DappRadarから引用(2025年3月24日時点)。取引高ランキングは,各ゲームのNFTや暗号資産に関連したブロックチェーンネットワーク上のアクティビティを元にカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。
下げ相場の中での取引高ランキングTOP3は,リリースから時間が経っているものの根強いコアユーザーに支えられているAxie,GodsUnchained,NIGHT CROWSでした。
今月は,1位を獲得したAxieが新作MMOを発表して話題になっているので紹介したいと思います。
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「Axie Infinity: Atia's Legacy」は,Axieの世界「ルナシア」を舞台にしたMMOです。プレイヤーは仲間と協力して軍隊を編成し,オープンワールドを探検して伝説的な存在を目指します。モバイルとPC向けに開発され,2025年夏から年末にかけてのプレイテストが予定されています。
事前登録を行うと,友人紹介やコンテンツ制作でAXSやAxieを獲得できる特典も用意されています。ゲームでは4体のAxieを率いるリアルタイムバトルや素材収集・クラフト,街での交流,ギルド間の戦争が楽しめる構想です。
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既存のAxieや土地NFTなど既存資産を深く統合し,プレイヤー所有資産の可能性を示すことを目指しています。これまでのAxieを支えてきたプレイヤーとともに,新しいゲーム体験を楽しむことができそうです。
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「SyFu」
「SyFu」は,日常の買い物や支払いといった実生活の消費行動を,ダイレクトにゲーム内報酬やNFTの育成へと結びつける新感覚のブロックチェーンゲームです。決済データを活用して成長する招き猫モチーフのNFT「MANEKINEKO(マネキネコ)」は,ゲームの収益源とプレイ体験の中心を担います。
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実店舗でのチェックイン後の支払い情報がマネーフォワードを通じてアプリに反映される仕組みが採用されており,チェックインと決済情報を紐づけることで,ユーティリティトークン「EVT」やアイテムを獲得できるのが大きな特徴です。また,ガバナンストークン「SyFuトークン(SFT)」とのデュアルトークンシステムを採用し,投資的価値とユーザーのアクティブな参加を両立しています。
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さらに,NFTを市場で売買したり,Breeding機能を用いて新たな個体を生み出したりすることが可能で,今後はレンタルシステム(スカラーシップ)の導入も予定されています。消費データとNFTやトークン供給量を連動させることで,インフレを抑制し,安定的な経済圏を構築する点も注目に値します。
現在はβテスト中で,先行NFTセールやエアドロップキャンペーンが開催されており,正式リリースへ向けて勢いを増しています。
・ゲームの流れ
SyFuのゲームの流れは,実店舗にチェックインし,鞠を獲得します。同時に,チェックイン先でサービス利用や商品を購入し,キャッシュレス決済を行います。
決済データと鞠を紐づけることで,実店舗での経済活動の証明となり,経験値やトークンを獲得することができます。ゲームのメインアセットであるMANEKINEKOは,これによって得られた経験値やトークンを使って育成することができます。
決済データは,マネーフォワードを通じて取得します。ゲームプレイの際には,マネーフォワードに登録し,クレジットカードの利用履歴をマネーフォワードが取得できるように設定しておく必要があります。チェックインは,GPSが活用されており,自分のいる位置から近くの店舗のみにチェックイン可能となっています。
クレジットカードの使用履歴やGPSを利用するという仕組みを取ることで,不特定多数のbotにエコシステムを荒らされるリスクが低いこともブロックチェーンゲームとしてのポイントのひとつです。
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・MANEKINEKO NFT
MANEKINEKO NFTには,現時点でGenesis,Common,CommonOG,UnCommonOGの種類があります。Genesisは特別なNFTであり,非公開コミュニティへのアクセス権限など,ゲーム外の特典もあります。CommonはSyFuの基本的なゲームループを楽しむためのNFTで,50ドル(約750円)の固定価格で売買されるような設計になっており,NFTが高騰して新規参入が阻害されることを防ぐ役割もあります。
OGとつくNFTは,通常のNFTよりもステータスが高いことやフュージョン時の強化倍率が高いなどの特徴があり,スカラーシップやNFTステーキングの対象となっています。
スカラーシップとは,NFTを他のプレイヤーにレンタルし,貸し出し先のプレイヤーが獲得した報酬の一部をNFTオーナーが得る仕組みです。
NFTステーキングとは,NFTをステーキングすることで,SFTを獲得することができるプログラムです。
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・CommonOG NFTセール
2025年3月15日に,CommonOG NFTのセールが行われました。販売価格は40ドル(約600円)(NFT保有者や複数購入で割引あり)で,2万個のNFTが販売され,約45分で完売となりました。
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・まとめ
「SyFu」は,日常の買い物データをNFTの成長やトークン獲得に直接活用できるという,現実とゲームを結びつけた新時代のブロックチェーンゲームです。実店舗でのチェックインやキャッシュレス決済の履歴を活用し,招き猫をモチーフとした「MANEKINEKO」を育成して報酬を得る仕組みが特徴的です。
さらに,スカラーシップ,NFTの売買・Breedingなど多彩な要素を備え,現在進行中のβテストや各種キャンペーンを通じてエコシステムの拡充を図っています。今後の正式リリースに向けてますます注目が高まっています。
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「SyFu」公式サイト
セガ「三国志大戦」のIPを活用したブロックチェーンゲーム「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」(PC / iOS / Android)が,本日(2025年4月30日)リリースされました。PC,Android,iOSにて日本語,英語,中国語(繁体字)の3言語で配信となります。
また,マンスリーランキングの上位者が激突する「楽天ウォレット presents 魁 三国志大戦 頂上決戦大会 Season ZERO」が,2025年6月に開催されます。
事前登録数100万人突破の本格軍勢カードバトルを,ぜひ体験してください。
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「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」公式サイト
[インタビュー]「魁 三国志大戦」がオートバトルの新時代を切り拓く。プロデューサーの西山泰弘氏が語る対戦ゲームへのこだわり
![[インタビュー]「魁 三国志大戦」がオートバトルの新時代を切り拓く。プロデューサーの西山泰弘氏が語る対戦ゲームへのこだわり](/games/718/G071846/20250313025/TN/013.jpg)
double jump.tokyoは,軍勢カードバトルゲーム「魁 三国志大戦 -Battle of Three Kingdoms-」を2025年4月30日に「先駆け!リリース」する。本稿では,プロデューサーの西山泰弘氏と開発統括の坂本康朗氏に,本作のゲームデザインや,対戦ゲームへのこだわり,先駆けリリースの意図などを語ってもらった。
【2025年4月】BCGマンスリーレポート(double jump.tokyo)
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