業界動向
Ubisoftが組織再編を加速。新体制「Creative House」を率いるリーダーに,元Tencent Games Global開発責任者Julien Bares氏が就任
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同社は2026年1月21日,組織運営やポートフォリオ構成を含む大規模な再編方針を公表しており,より柔軟かつ効率的な開発体制への転換と,持続的な成長軌道への回帰を目指す方針を示している。その中核となるのが,開発チームをジャンルや特性ごとに再編する5つの「クリエイティブ・ハウス」(Creative House/以下,CH)体制だ。
Ubisoft,組織改革のための「3年計画」をアナウンス。「プリンス オブ ペルシャ 時間の砂 リメイク」の開発は中止に
Ubisoft Entertainmentは2026年1月21日,クリエイティブリーダーシップの再獲得と持続的成長の回復に向けて,組織・運営・ポートフォリオ面での大規模な再編方針を発表した。あわせて,「プリンス オブ ペルシャ 時間の砂 リメイク」の開発中止も明らかにされた。
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Bares氏はゲーム業界で25年以上の経験を持ち,直近ではTencent Games Globalで開発およびポートフォリオの統括を担当していたほか,2K Chinaでゼネラルマネージャーを務めた経歴を持つ。さらに過去にはUbisoftに在籍し,「Tom Clancy's Ghost Recon」や「Tom Clancy's Splinter Cell」シリーズのプロデューサーを務めた経験を持っている。
Bares氏が統括するCH3は,「フォーオナー」「ザ・クルー」「Riders Republic」といったライブ型タイトルを担当し,コミュニティの維持と継続的な収益創出を軸に運営を行う。一方,CH5は「Just Dance」をはじめとするファミリー向け,ライト層向けタイトルを担い,モバイル展開を含めた幅広いユーザー層へのアプローチを強化する。
今回の再編の背景には,Tencentの資本参加がある。Tencentは,「アサシン クリード」「ファークライ」「レインボーシックス」というUbisoftの看板ブランドを統括する子会社Vantage Studiosに対し,11億6000万ユーロ(約1900億円)を出資し,約25%の株式を取得している。これによりUbisoftは資金面の安定を確保すると同時に,敵対的買収の回避にもつなげた。
Ubisoftが「アサシン クリード」「ファークライ」などのブランドを扱う子会社の設立を発表。Tencentが25%の株式を取得へ
Ubisoft Entertainmentは,「アサシン クリード」「ファークライ」「レインボーシックス」のブランドを主に扱う子会社の設立をアナウンスした。Tencent Gamesが新会社の株式25%を取得するために約1890億円を投資し,今後はコンテンツの質やリリース頻度を高めていくという。
そして,CH3およびCH5が担うライブサービス型タイトルや幅広いユーザー層への展開は,Tencentが強みとする領域とも重なる。今回導入されたCH体制は,Tencent傘下のTiMi Studio GroupやLightspeed Studiosのように,自律性の高いスタジオを束ねる構造に近い側面もある。今後,運営やマネジメントの手法にどのような変化が生じるのかも注目される。
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さらに同社は,「クリエイティブ・ネットワーク」(Creative Network/以下,CN)も新設する。CNのゼネラルマネージャーにはThomas Andrén氏が就任し,4月1日付で着任予定となっている。Andrén氏はUbisoft傘下のMassive Entertainmentでマネジメントを担い,「Star Wars Outlaws」や「Avatar: Frontiers of Pandora」の開発に携わってきた,20年以上のマネジメント経験を持つ人物だ。
CNは高度な専門知識を持つスタジオ群で構成され,各CHに対して技術支援や専門ノウハウの共有を行うサポート組織として機能する。スタジオ間の連携を強化し,開発力とアジリティを高めることで,より競争力のあるタイトル創出を後押しする狙いだ。
UbisoftのCEOであるYves Guillemot氏は,両氏の豊富な経験とビジョンを高く評価し,新体制の始動が同社の変革と成長を加速させる重要な一歩になるとコメントしている。
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Tencentの資本支援を受けつつ,独立性を維持しながら再建を進めるUbisoft。今回の組織再編が,同社の開発体制とブランド戦略にどのような変化をもたらすのか,今後の動向が注目される。
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