［iPhone］名作サスペンスアドベンチャーがiPhone/iPod touchに。「人形の傷跡」を紹介

　チャイルドドリームがApp Storeで配信している，iPhone/iPod touch用サスペンスアドベンチャー「人形の傷跡」を紹介しよう。
　人形の傷跡といえば，もともと，PC用のフリーウェア/シェアウェアとして10年以上前にリリースされている。謎に満ちたストーリー展開や，サウンドを含めた演出面の秀逸さで，PCゲームメディアだけでなくミステリー専門誌などでも高い評価を獲得してきた作品なので，名前を聞いたことがあるという人も多いだろう。

「人形の傷跡」紹介ページ（iTunesが起動します）

　物語の主人公（＝プレイヤー）は，音信不通となった姉に会うために上京してきた上条明日美。しかし，姉が所属しているという大学の研究所にも，アパートにも，彼女の姿はなかった。それどころか，研究所のメンバーは「そんな人物は在籍していない」といい張る始末……。
　彼らの態度を不審に思った明日美は姉の捜索を続けるが，そんな彼女の目の前で研究所のメンバーが次々に原因不明の死を遂げる。そして死の影は，研究所に隠された秘密に近づいてしまった明日美自身にも忍び寄っていたのだ！



　……とまあ，物語の序盤はこんな感じ。スリルとサスペンスに満ちた明日美の7日間が，前編の「1218-1220」と後編の「1220-1224」の二部構成で描かれる。

　ゲームそのものはオーソドックスなテキストアドベンチャーとなっており，ストーリーを読み進め，要所で表示される選択肢をタップするだけで楽しめる。
　選択を誤ったり，すべきことを行っていなかったりするとゲームオーバーとなるが，前編では，明日美が何をすべきだったかヒントが提示されるので，さほど悩まずに進められるだろう。




　実際にひととおりプレイしてみたところ，サスペンス/ホラー的な面だけでなく，SF要素──宇宙や未来的なものではなく，本来的なサイエンス・フィクションという意味で──が盛り込まれたストーリー展開に，グイグイ引き込まれた。
　グラフィックス面やシステム面については，さすがにクラシカルといわざるを得ないが，だからといって本作の魅力が損なわれているとは感じない。

　軽い気持ちでプレイし始めた筆者だが，解き進めるにつれて「早く先を知りたい！」という気持ちに変わり，エンディングまで一気に遊び続けた次第だ。
　アドベンチャーやサスペンスものが好きな人は，購入を検討してみよう。

「人形の傷跡」紹介ページ（iTunesが起動します）