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「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた
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印刷2011/10/20 00:00

インタビュー

「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた

画像集#002のサムネイル/「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた
 2011年10月26日にクローズドβテストが開始される,アラリオの新作オンラインアクションRPG「ソウルマスター」。本作は,2010年にアエリアが「バトルコロジー」としてリリースしたものの,2011年6月に独占配信権の契約が終了となり,その後アラリオがソウルマスターとして独占配信権契約を締結したという,少々変わった経緯を持つタイトルだ。
 バトルコロジー自体は2010年4月のクローズドβテストから動きがなかったので,実に1年半ぶりに動き出すこととなるわけだが,一体どのような経緯で再び日本でサービスされることになったのだろうか。

 今回,ソウルマスターの開発元であるNPLUTOにメールインタビューを行い,本作の特徴やこれまでの経緯などを一問一答形式で聞いてみた。応じてくれたのは,ソウルマスターのディレクターを務めるキム・ギオク氏だ。

画像集#012のサムネイル/「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた 画像集#013のサムネイル/「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた

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4Gamer:
 プレイヤーから見ると,本作は昨年のクローズドβテストから1年半ぶりに動き出すことになります。まずはソウルマスターがどのようなタイトルか,何がウリかという点をあらためてお聞かせください。

ソウルマスター ディレクター キム・ギオク氏
画像集#001のサムネイル/「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた
キム・ギオク氏(以下,キム氏):
 ソウルマスターは,闇の支配者「ミルメル」の復活を阻むために立ち上がった主人公(プレイヤー)達と,悪に追従する勢力の対立を描く,MORPGです。
 主人公達は,“ソウル”と呼ばれるドラゴンの亜種とシンクロできるという,特別な能力を持った「ソウルリンカー」と呼ばれる存在になります。ゲームのタイトルである「ソウルマスター」は,最高のソウルとシンクロできる “伝説のソウルリンカー”のことを指します。

 アクションRPGの要素に加えて,自分の部隊員であるソウル達とともに戦えること,つまり“部隊戦闘の楽しさ”が,ソウルマスターの最大の特徴,魅力だと言えます。テンポの早いコンボアクションや操作感と, 個性的なソウル達を活用した戦術的な戦闘によって,既存のアクションRPGで見られなかった新しい楽しさを提供できると思いますよ。

4Gamer:
 アクションRPG+RTSがコンセプトのオンラインゲームというのも,珍しいですね。オンラインゲームで,あえてこの2つを組み合わせようとした理由は,どこにあるのでしょう。

キム氏:
 プロジェクト初期段階でのコンセプトは,“爽快な戦闘アクションに,RTSの一番面白い部分を組み合わせよう!”というものでした。RTSでさまざまなユニットを運用し,それらをコントロールするのは,非常に楽しい要素です。これを,アクションRPGにうまく組み合わせれば,一般的なオンラインゲームプレイヤーにも,その面白さを体験してもらえるのではないかと思いました。
 アクションRPGとRTSを完璧に融合させたい,というよりは,手軽で簡単に遊べるようにRTS部分をアレンジしてアクションRPGにプラスしたい,というのが目標です。これは新しい試みではありますが,既存の固定化されたゲームジャンルの幅を広げるという意味で,とても価値のある挑戦だと思います.

 ちなみにですが,ソウルマスターを開発するうえで,日本ファルコムの「イース」シリーズ,やスクウェア・エニックスの「聖剣伝説」シリーズ, 任天堂の「ピクミン」シリーズ,Blizzard Entertainmentの「Warcraft」シリーズ,そして呉ソフトウェア工房の「ファーストクィーン」シリーズなどから部分的に影響を受けていると思います。

プロトタイプ段階のイラストとスクリーンショット
画像集#010のサムネイル/「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた 画像集#011のサムネイル/「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた

4Gamer:
 今回,ソウルマスターのリリースでとくに気になっているのが,なぜ,2010年に「バトルコロジー」として登場したタイトルが,1年半もの時間が経過してから再登場するのかということです。どういった経緯で,現在の状況になったのでしょうか。

キム氏:
 鋭い質問ですね。端的に述べてしまうと,我々開発チームの意志によるものです。ソウルマスターは,日本のプレイヤーに満足していただけることを優先して,開発が進められてきました。しかし,当時はさまざまな事情があり,少し急いでリリースしなければならなくなったため,皆様から高い評価をいただけるような作品を完成させられませんでした。
 我々としては,皆様に満足いただけるゲームを作りたい。そのためには,追加の開発期間が必要となり,1年半もの時間が掛かってしまったのです。そして今回,ようやくソウルマスターとしてお届けできるようになりました。

4Gamer:
 バトルコロジー時代から考えると,2010年に日本でクローズドβテストを実施済みということになります。そのときの手応えや,そこから得られたプレイヤーの声はどういったものでしたか。

画像集#008のサムネイル/「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた
キム氏:
 日本では,キャラクターを含む全体的なグラフィックスのコンセプトや,ゲーム内の雰囲気に対して,高い評価をいただきました。また,チュートリアル形式のミッションである「チャレンジモード」や,独特のゲーム性についても,肯定的な意見を多くいただいております。
 ただ一方で,対戦を中心に置いたゲームバランスには賛否両論もありましたし,操作方法にも違和感を感じるという厳しい意見があったのも事実です。
 2010年当時には,北米でもクローズドβテストを実施していました。北米のプレイヤーにも,やはりRPG+RTSという独特のゲーム性は受け入れてもらえましたが,本格的なPvEコンテンツが不足していたことに対しては,不満の声がありました。

4Gamer:
 アラリオとのパブリッシング契約締結時に,本作では「ゲームシステムの根底部分から改良がおこなわれている」と発表されていました。バトルコロジーのクローズドβテスト終了後から,どのような方向で開発が進められてきたのでしょうか。

キム氏:
 2010年に日本と北米で行ったクローズドβテストの結果を見て,プレイヤーが求めるコンテンツは何か,というところから分析しました。そこから導き出された答えは,RPG+RTSというコンセプトは残したままで,ストーリー展開を中心にした,ダンジョンクリア型のコンテンツが必要になる,ということです。バトルコロジーの頃は,ダンジョンで対戦要素を学習できるチャレンジモードの人気が高かったのですが,それはあくまでチュートリアルを目的に開発されたコンテンツだったので,満足してもらうには質,量ともに不足していました。
 そこで,ダンジョンをクリアすることの楽しさや,そのためにキャラクターを成長させていく面白さを追加できるよう,これまで開発を進めてきました。

4Gamer:
 改良後のソウルマスターはどのようなゲームとなりましたか。また,キムさんはどのように日本のプレイヤーに遊んでもらいたいと考えていますか。

画像集#004のサムネイル/「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた
キム氏:
 改良後は,成長の楽しさを体験できるよう,RPG要素をより強めたゲームにリニューアルされました。
 キャラクターのスキルはもっと派手で多様になりましたし,さらにキャラクターのスキルとソウルのスキルを連携させられるようになり,戦闘スタイルもより個性的になっています。それ以外にも,冒険を進めながら自分だけのソウルを集めていけるよう改良したり,製作システムに大きく手を加えてアイテムにさまざまなオプション効果を付与できるようになったりと,変更点は多岐にわたります。

 また,リニューアル後はダンジョンで各種トラップやパズル要素, 大量に増えたモンスター,強力なボス達がプレイヤーを待ち構えています。個性的なキャラクター達によるストーリーを楽しみながら,ダンジョンに挑戦してもらえると嬉しいです。
 ちなみに,ネタばれになるので詳細は話せませんが,ストーリーでは意外な展開が待っているので,キャラクターの対話や隅々にめぐらされている伏線を注意深く確認してみると,また違った楽しさがあるかもしれません。

画像集#005のサムネイル/「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた

4Gamer:
 RTS要素があるので,バトルコロジーの頃は対戦に期待するプレイヤーが多かったように思われます。現在は「ステージクリア型のMOアクションRPG」という方針にシフトしたようですが,今後,対戦はどうなっていくのでしょう。

画像集#014のサムネイル/「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた
キム氏:
 RPG方向に注力していくといっても決して,ソウルマスターの最大の特徴の一つである対戦モードを捨ててしまうわけではありません。むしろ,キャラクターの成長や,ソウルのコレクションなど,RPGの要素を強めたことで,より個性的な戦い方ができるようになります。

 現在,開発チーム内ではさまざまなコンテンツを並行して開発しており,当然対戦モードもその中の一つに入っています。対戦モードは,かなり気を付けてバランスを取っていかなければ,ゲームとして成り立たないので,試作品の開発とバランス調整作業を繰り返し行っているところです。手短に現在作業中の部分をご紹介すると,建設やユニットの生産による戦闘準備過程よりも,部隊戦闘の楽しさを重視する方向で,調整しています。

 また,もう少し分かりやすい対戦ルールを望むプレイヤーのために「キャラクター戦(仮称)」を準備しています。これは,ソウル達を排除して,ソウルリンカー達だけで戦う,真剣勝負のようなモードです。ご期待ください。

4Gamer:
 ソウルマスターは,韓国や北米に先駆けて日本でサービスされますね。NPLUTOは韓国のデベロッパであるにも関わらず,あえて日本からサービスを開始する意図はどういったものでしょうか。

画像集#006のサムネイル/「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた
キム氏:
 開発チームの多くの人間が,幼いころから日本のゲームで遊んで育ったので,日本のゲームに対する憧れがたくさんあります。 そのため,ゲームを製作していく中で,憧れが挑戦意識に変わったと言いますか……日本市場でも認められるゲームを作ることが我々の目標となっています。
 その結果,自信をもって日本のプレイヤーにお見せできるものを完成させられたと我々は信じています。それをいち早く皆さんにお届けするため,日本で一番最初にローンチすることになりました。

4Gamer:
 最後に,ソウルマスターのサービス開始を待っている4Gamer読者へ,メッセージをお願いします。

キム氏:
 昨年のクローズドβテストから,長い時間お待たせしてしまい,申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 しかし,それでもソウルマスターを待ってくださった方々の声援に応えられるよう,その間しっかりと準備をしてきました。今度こそ,ぜひソウルマスターを楽しんでください。そして,今後も発展していくソウルマスターにご期待ください!


画像集#007のサムネイル/「ソウルマスター」,再サービスまでの1年半に何があったのか。経緯やゲームの特徴を開発元に聞いてみた
 キム氏によれば,バトルコロジーの頃から1年半もの期間が空いてしまった理由は,プレイヤーに満足してもらえるものを作るのに開発期間が必要となったからだそうだ。その期間で,ストーリーやダンジョン,キャラクター育成などがより強化されている様子。キム氏もその出来には自信があるとのことなので,まずはクローズドβテストでプレイしてみよう。
 なお,クローズドβテスターの募集は10月25日23:59まで行われているが,募集方式は先着順なので,気になる人は早めに応募しておいたほうがよさそうだ。

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