サイバーフロントが2011年3月24日に発売を予定しているRPG,
「アルカニア ゴシック4」(
PC/
Xbox 360。以下,アルカニア)。前回は“サブクエスト”と“スキル”についてレポートしたが,
第3回となる今回は,
「アルカニア名所案内」と称し,序盤から中盤にかけて訪れる街と,そこでどういったことが起こるかを,スクリーンショットとともに紹介していきたい。
小さな集落から城下町まで
大小さまざまなコミュニティがある
アルカニアの物語は,フェシルという村から始まり,本格的な冒険はアルガーン島という島に移ってから始まる。小さな村や立派な城下町など,エリアによってさまざまなコミュニティがあり,それぞれの場所にはメインクエスト,ストーリーに影響しないサブクエストが用意されている。それでは街について紹介していこう。
■フェシル
アルカニアのスタート地点となる村。周囲を海に囲まれた島で,主人公は最初ここで羊飼いをしている。住民の多くが農業や漁業に従事しているようで,村全体はのどかな雰囲気だ。島の規模は大きくなく,鹿が生息する森や,変わったキノコが生えた洞穴がある。このほか目立った施設では,島の北部に「闇の森」と呼ばれる場所があり,ここには後に主人公の運命を左右することとなる,リルカという魔女がひっそり暮らしている。
主人公は結婚前だというのに,村長の娘であるアイヴィーとの間に子どもを授かってしまった。結婚を許可してもらえるよう村長に頼みに行くのだが,ここで村長から結婚の条件として提示される試練がチュートリアルクエストとなっており,それをクリアしていくとストーリーが進む仕組みだ。
■引き裂かれた乙女亭
フェシルを離れ,アルガーン島にやってきた主人公が,最初にお世話になると思われる施設。島の西部の山間部に位置しており,名物女将のマードラが切り盛りしている酒場だ。客の中心は木こりだが,ここで主人公の探し物のヒントを教えてくれる賢者や冒険者などとも会える。
酒場の周辺には鉱山があるほか,高台からは目的地であるシルバーレイクも見られる。道を下りて海沿いに行くと船着場があり,ここでは漁師達が生活しているが,木こりと漁師の間には,何やら因縁があるらしい。このあたりの話はサブクエストとして用意されているので,余裕があるなら首をつっこんでみよう。
引き裂かれた乙女亭の近くには,シュテワークという街に通じる道があるが,ここはゴロツキどもが封鎖していて通ることができない。そこで彼らをどうやって排除するかというのが,ここでのメインクエストとなる。
■シュテワーク
引き裂かれた乙女亭の北に位置する,レンヴィック卿が統治する街。シュテワークでは,領主の弟のヘルタンが反乱軍を率いてクーデターを計画しているとの情報があったり,レンヴィックの右腕であるマーマンドという男が姿を消してしまったり,何かと騒がしい。
シルバーレイクに通じる道は戦争を理由に封鎖されているが,街の問題を無事に解決できれば,レンヴィック卿に謁見して通行許可を得るチャンスも得られるかもしれない。
いたるところに武装した番兵が配置されて警備にあたっている街で,商業施設としては骨董屋,宿屋,露天商などがあり,買い物には困らない。住民の数も多く,いくつかのサブクエストを受けられる。かつて主人公の剣の師匠だったディエゴと,ここで意外な形での再会を果たすこととなるだろう。
街の周囲には広大な農場や,いくつか洞穴もあり,これらもクエストに絡んでくる要素だ。
■血の谷
シュテワークの東に位置し,レンジャーギルドがある。ここは,シルバーレイクで城代を務めるギルソールと知り合う場所となるだろう。ここから北東に行ったところで戦争が行われており,多くの死傷者が出ている。
戦場ではドランという兵士が,とある探し物をしており,主人公が手を貸してやらなければならない。このクエストをクリアしないとシルバーレイクに入れないので,まずはこれを片付けよう。
ほかにも血の谷の周囲には怪しげな錬金術師,行方不明となった兵士を探す中年の男などがおり,彼らに話しかけるとサブクエストが発生する。大きさのわりには,なかなかイベントの多いエリアだ。
洞穴にはゴブリン,森林には狼が棲み着いており,主人公が近づくと彼らは徒党を組んで襲いかかってくる。数が多いので油断は禁物だ。
■シルバーレイク
主人公の目的地で,アルガーン島の中央に位置する街。周囲にはオークの集落があるが,最近,族長が好戦的な者に変わったようだ。それまではお互い共存していたが,均衡は破られ,シルバーレイクを統治するガワーン卿がオークに連れ去られるという事件が起きたばかり。
主不在のため,主人公はギルソールの命令で,拉致されたガワーン卿を探し出し,救出するというクエストに挑まなければならない。
街の光景を見てみると,兵士達は道端に座り込み,どこか疲弊した感じが見受けられる。戦争やオークとの争いのせいだろうか? 住民に話を聞いてみると,傷を治すための薬が不足していることが分かり,治療薬の材料を探すサブクエストを受けられる。
■トゥーシュー
シルバーレイクの南に位置する,魔術師の街。ひときわ目立つのは,街の中心にある巨大な樹木だろう。これは魔術師達の住処となっており,彼らは木の上で暮らしている。主人公は探し物の手がかりを求めこの街にやってくるが,ライバルに先を越されたようで,急いで後を追うことになる。
街は湿地帯の上にあり,ぬかるんだ場所が目に付く。水に濡れるのを避けるためか,いたるところに橋がかけられ,住民がそこを渡って移動している様子も見られる。樹木の下には商人や兵士などが暮らしており,取引をしたりクエストを受けてもいい。
この周辺にはラーカーという恐竜のようなモンスターや,地面に潜って奇襲攻撃を仕掛けてくる,スワンプシャークというヘビのような敵などが出現する。集団で襲い掛かってくるため,なかなか手強い相手だ。
これまでに3回にわたってアルカニアの魅力を伝えるレポートを書いてきたが,膨大なテキストもしっかりローカライズされ,ゲームの内容をしっかり理解できるのが好印象だ。グラフィックスは「いかにも洋ゲーだな」と思わせるクオリティで,ここは好き嫌いはっきり分かれそうだが,そこは個人的な嗜好の問題だろう。
ゲームのボリュームもメインクエストだけを追っていくと,エンディングを迎えるのにそう時間はかからないが,膨大に用意されたサブクエストをプレイしたり,アイテムを収集して武器やポーションなどを作るなど,ストーリーの部分以外でも楽しめる点はいくつもある。
残念ながら発売日が延期されてしまったが,丁寧に作られたゲームなので,海外RPGファンは楽しみに待っていてほしい。