第108回:「Take on Helicopters」
「Operation Flashpoint: Cold War Crisis」や「ARMA 2」などでおなじみのチェコのデベロッパ,Bohemia Interactiveの新作は,なんとヘリコプターフライトシミュレータ「Take on Helicopters」。それも,最近流行のアクション優先のフライトものではなく,割とガチな内容。そういえば,オペフラもFPSというよりは戦場シミュレータだったなあと思い出す人もいるはずだが,いずれにせりよなんともマニアックだ。
そんな本作でこのたび,パブリックデモが公開されたので,デモ版といえばこの人,ライターの朝倉哲也氏が紹介しよう。
飛んで飛んで飛んで,回って回って回る
あのBohemiaが制作したリアル系フラシムが登場
ここ数年,これといった新作も発表されず,すっかり寂しい状況となっているリアル系のフライトシミュレータ。アーケードライクな操作性を持った戦闘機もののタイトルはそれなりに発売されており,人気を得ているのだが,ガチのフラシム,それも民間航空機を扱った作品はほとんど見られなくなった。そんなジャンルに,久しぶりの新作
「Take on Helicopters」が発表されたので,紹介してみようというのが今週の
「ゲーム四天王」だ。
タイトルから分かるとおり,本作のテーマは
「ヘリコプター」。そして開発を「ARMA 2」などでおなじみの,チェコのBohemia Interactiveが担当しているところが非常に興味深い。簡単な戦闘をこなせる,マシンガンを搭載したミリタリー仕様のヘリから,民間航空用ヘリなどを操縦して,自由に大空の散歩を楽しんだり,あるいは建設現場での資材運搬やSWATチームの支援をしたりといった,さまざまな状況でのミッションが用意されている。
とはいえ,興味はあるけどいきなり製品版は躊躇しちゃう,という人も多いはず。相手が海外ゲームならなおさらだ。だが,嬉しいことに本作にはデモ版が用意されており,
公式サイトや
Steamなどで手に入れられる。デモ版にはヘリコプター操縦の基本を教えてくれる
「Tutorial」,シアトル上空を自由にフライトできる
「Free Flight」,建築資材運搬とSWATチームの搬送という2つのミッションが楽しめる
「Challenges」,3つのコースでタイムを競う
「Time Trials」が収録されており,しかも
マルチプレイが可能で
シナリオエディタまで入っているという(作成するだけで,セーブはできない)なかなか太っ腹な構成。実は今回の記事も,そのデモ版を元にして書いている。
さて,本作でプレイヤーが操縦できるヘリコプターは,小型軽量の「Light」,数十人の人間と数トンの荷物を同時に運べる「Heavey」,その中間の「Midium」の3種類で,機種名などは記載されていないので,実際にあるヘリコプターをモチーフとしたオリジナル機種だ。その点は“ガチな”フラシムとしては物足りないが,実機を出そうとすると,いろいろとライセンスが必要ですからね。
それぞれのクラスに民間用,軍用,湾岸警備用,警察用といったバリエーションが用意されている。ただ,軍用とはいえ,あくまで民間用のヘリコプターに簡単な武装を施した程度だ。
製品版のゲームモードには,上記のFree Flight,Challenges,Time Trialsのほかに,
「Career Mode」が用意されている。Career Modeは,アメリカのシアトルで父親から受け継いだ航空会社「Larkin Aviation」を経営するパイロット,Harry Larkinとなってヘリコプターを使った仕事を請け負っていくもので,さまざまな人物が登場するストーリー仕立てになっているようだ。とっつきにくい雰囲気のあるフラシムを,ゲームっぽく楽しんでもらおうということだろう。
飛行できるのは,アメリカの
シアトル付近と
南アジア地域となっている。南アジア地域とはいえ,具体的にどのあたりかは不明で,全体にアジアのイメージをモチーフにした土地という感じだ。広さとしては,シアトル近郊が30平方km,南アジアは実に120平方kmにわたっているので,思う存分フライトが楽しめるはずだ。
操縦については,やはりフライトシミュレータなので,それなりの難度だが,チュートリアルをちゃんとやっていれば飛べるはずだ。高度計や速度計など複数の計器に目をやる必要があり,最初はちょっと苦戦するかもしれないが,操縦に慣れればどんどん面白くなっていくだろう。キーボードとマウスで操作することはもちろん可能だが,こだわりたい人はジョイスティックを使ったほうがいい。ジョイスティックも,最近あまり売っていないけど。
グラフィックスは掲載したスクリーンショットのとおりで,ゲームエンジンが同一であるため,ARMA 2を思わせるものになっている。猛烈に美しいというわけではないにせよ,シアトルのランドマークであるスペースニードルタワーや,セーフコ・フィールなど,かなり描きこまれているのが分かるはずだ。
ジャンボジェットや戦闘機と違ってヘリコプターはスピード感に乏しく,ゲームとして少し地味な点は否めない。だが,空中で停止したり,ある程度広くて平らな場所ならどこでも着陸できたりなど,飛行機とは違うヘリコプターならではの操縦はなかなか楽しい。フラシム好きなら,ぜひコレクティブピッチレバー(ヘリコプターの場合,操縦桿をそう呼ぶらしい)を握ってみよう。
■■朝倉哲也(ライター/四天王)■■
アクションゲームからMMORPG,アドベンチャーからストラテジーまで,なんでもプレイする雑色系ライター。年季の入ったPCゲーマーでもあったが,最近はコンシューマ機のゲームもプレイするようになったので,そのオールラウンダーぶりをますます強くしている。