スマホゲームのセルラン分析（2024年4月11日〜4月17日）。今週も1位は「モンスト」。世界収益トップ「MONOPOLY GO!」のプレイレポートも

　データ分析を専門に行うSensor Towerによると，2022年におけるスマートフォン向けゲームの国内収益は約2兆1422億円に達している（関連記事）。そんな世界有数のスマホゲーム大国となった日本で，いま最も売れているタイトルをはじめとした，さまざまなデータを毎週お届けするのが，本連載「スマホゲームのセルラン分析」である。

スマホゲームの国内収益ランキング
（2024年4月11日〜4月17日）

順位	前週	タイトル	DL数の前週比	収益の前週比
1	1	モンスターストライク	-44％	-25％
2	2	キノコ伝説：勇者と魔法のランプ	-18％	30％
3	3	崩壊：スターレイル	-2％	14％
4	20	あんさんぶるスターズ！！Music	-3％	169％
5	13	eFootball 2024	7％	84％
6	9	ロイヤルマッチ	-28％	-5％
7	11	パズル＆ドラゴンズ	7％	5％
8	8	Fate/Grand Order	-23％	-25％
9	5	荒野行動	-22％	-38％
10	14	Pokémon GO	6％	7％
11	42	プロ野球スピリッツA	-6％	157％
12	10	勝利の女神：NIKKE	-26％	-20％
13	17	ラストウォー：サバイバル	20％	11％
14	18	ホワイトアウト・サバイバル	-1％	13％
15	19	パズル＆サバイバル	-6％	25％
16	6	原神	-1％	-45％
17	100	雀魂	26％	460％
18	12	プロジェクトセカイ	-8％	-25％
19	4	ドラゴンクエストウォーク	-8％	-67％
20	49	遊戯王 マスターデュエル	10％	91％
21	15	LINE：ディズニー ツムツム	-15％	-37％
22	21	ガーデンスケイプ	14％	2％
23	46	ブルーアーカイブ	12％	69％
24	24	LINE ポコポコ	-16％	1％
25	22	トゥーンブラスト	-14％	-6％
26	25	モンスターハンターNow	-3％	-5％
27	32	Age of Origins	-19％	10％
28	33	ONE PIECE バウンティラッシュ	-9％	9％
29	27	ドラゴンクエストタクト	-17％	-8％
30	71	アナザーエデン 時空を超える猫	219％	113％
31	30	聖闘士星矢レジェンドオブジャスティス	53％	-2％
32	16	ウマ娘 プリティーダービー	12％	-50％
33	34	信長の野望 覇道	-6％	-4％
34	26	放置少女	32％	-17％
35	29	ドット勇者	-17％	-11％
36	7	ヘブンバーンズレッド	-22％	-73％
37	107	アイドリッシュセブン	8％	212％
38	45	Identity V	-11％	15％
39	37	メメントモリ	-25％	-5％
40	39	ホームスケイプ	-8％	-7％
41	76	呪術廻戦 ファントムパレード	-3％	95％
42	43	おねがい社長！	-17％	-1％
43	63	陰の実力者になりたくて！マスターオブガーデン	-19％	37％
44	36	ハイキュー!!FLY HIGH	-60％	-28％
45	97	レスレリアーナのアトリエ	-8％	106％
46	23	ブロスタ	14％	-47％
47	41	PUBG MOBILE	-2％	-27％
48	68	FFBE幻影戦争	90％	30％
49	40	ストリートファイター：デュエル	-74％	-27％
50	60	転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚	16％	17％

※データはSensor Towerから引用
※App StoreとGoogle Playが集計対象。PC/コンシューマ版のデータは含まれていない

1〜25位のグラフ。縦軸（収益）の値は本連載では非公開

　先週に引き続き，国内収益ランキング1位は「モンスターストライク」（iOS / Android）となった。アニメ「葬送のフリーレン」とのコラボが4月6日から4月13日まで実施された。


　「あんさんぶるスターズ！！Music」（iOS / Android）では大型イベント「Answer★星と惹かれ合うマトリックス」が4月15日に開幕。前週比で169％の増収を達成し，20位から4位まで順位を上げている。


　また，「雀魂」（iOS / Android）は「ブルーアーカイブ」（iOS / Android）とのコラボを4月17日に開始し，「ホシノ」「シロコ」「アル」「ムツキ」をコラボ雀士として実装した（関連記事）。これにより，Top50のタイトルで最高の収益増加率となる460％増を記録している。

世界収益トップ「MONOPOLY GO!」のプレイレポート

　前回の記事でお伝えしたように，Scopelyが2023年4月にリリースした「MONOPOLY GO!」（iOS / Android）は，いま世界で最も収益の高いスマホゲームだ。2024年1月〜3月において，その収益は「崩壊：スターレイル」の約3倍，「モンスターストライク」の約6倍であり，グローバル収益ランキングで1位を獲得した。

　一方，同期間の日本における収益ランキングの順位は250位であり，グローバルと比べると見劣りする。以前よりも国内で広告を見る機会は増えたし，収益も右肩上がりで成長しているものの，まだプレイしたことのない人は多いだろう。ここでは，そのゲーム性を簡単に紹介していこう。


　本作は，ボードゲーム「モノポリー」のIPを使ったゲームだ。サイコロを振って，おなじみのボードの上をぐるぐると回っていく。通過するとお金のもらえる「GO」マス，ゾロ目を出すまで足止めされる「刑務所に行く」マス，ミニゲームに挑戦できる「共同基金」マスも登場し，原作のエッセンスがうまく落とし込まれている。


　しかし，戦略が重要な対人ゲームである原作とは異なり，本作はカジュアルな1人用ゲームとなっている。プレイヤーができることは基本的に「サイコロを振る」だけで，不動産を売買することはできない。ほとんどのマスは止まるとお金がもらえるというシンプルなものだ。

　特に重要なのが「鉄道」マスで，ここに止まると「解体」または「銀行強盗」というミニゲームが始まり，ほかのプレイヤーからお金を奪うことができる。運がいいと大金を手に入れられるが，運が悪くてもそれなりの額をもらえるので，ストレスの少ないゲーム性となっている。


　また，サイコロにはスタミナ制が採用されており，無限に振り続けることはできない。筆者の環境では約7時間でサイコロが上限まで回復するので，7時間おきにゲームを起動して，サイコロを使い切っている。放置系のゲームをプレイしたことのある人はイメージしやすいだろう。

サイコロがなくなると，ミスターモノポリーが課金をおすすめしてくる。このほかにも通常のセールや時間限定のセールなど，さまざまな方法でサイコロを購入できる。どれが1番お得なのか考えるのが楽しい

　サイコロを振って集めたお金はランドマークの建設に使うこととなり，5種類のランドマークをすべて最大レベルにすると，次のボードに進むことができる。ニューヨーク，ロンドン，ベネチアなど，さまざまな都市をモデルにしたボードが用意されている。


　最後に「アルバム」機能を紹介しよう。本作では，さまざまなタイミングで「ステッカー」を獲得でき，セットごとに指定された種類のものをすべて揃えると，サイコロなどの報酬が手に入る。

　ステッカーはプレイヤー間で取引可能なので，Facebookにある公式の「交換グループ」（外部リンク）などを通じて，トレーディングカードのように，不要なステッカーと必要なステッカーを交換していこう。


　本作はカジュアルなゲーム性なので，ボードゲーム版「モノポリー」の戦略性が好きな人には物足りないかもしれない。しかし，老若男女楽しめる分かりやすさが，グローバルでの爆発的な人気につながったのだろう。

　北米やヨーロッパでは，スロットでお金を貯め，村を拡大していく「コインマスター」というカジュアルゲームが10年以上人気を集めている。本作は，スロットをサイコロに置き換え，見た目を「モノポリー」にしたようなゲームなので，これら地域で人気が出るのは納得だ。

コインマスター

　一方で，Sensor Towerが先日公開したレポート「2024年のモバイルゲーム市場インサイト」によると，スマホゲームは「カジュアル化」しつつあるものの，北米やヨーロッパのゲーマーと比べて，アジアのゲーマーはコアなゲームを好む傾向があるようだ。


　カジュアルゲーム「ロイヤルマッチ」は，今週の国内収益ランキングで6位となるほどに日本市場でも受け入れられたが，「MONOPOLY GO!」は日本でヒットするのだろうか。今後の展開に注目していきたい。

Sensor Tower 日本語公式サイト

「スマホゲームのセルラン分析」記事一覧