オーレリア戦争 / 2020年10月〜2020年末前後
「エースコンバットX スカイズ・オブ・デセプション」「エースコンバットXi スカイズ・オブ・インカージョン」
2019年,ユージア大陸では第二次大陸戦争が勃発する一方,南オーシア大陸のレサス民主共和国では長年続いていた内戦が終結した。内戦終結後,レサスに対して隣国・オーレリアは食料購入資金の援助を行っていたにも関わらず,2020年10月に「長年にわたるオーレリアによる搾取への報復」を理由とするレサスの不可解な侵略を受ける。これがPSP用ソフト「エースコンバットX スカイズ・オブ・デセプション」(以下,ACEX)およびiOSアプリ「エースコンバットXi スカイズ・オブ・インカージョン」(以下,ACEXi)のストーリーだ。なお,これらも「ACE3D」同様に「ACE7」公式サイトの年表には記載されていないので,“かもしれない”であることは留意してほしい。
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「ACEXi」ではオーレリア戦争初期におけるオーレリア軍の抵抗が描かれる。同作の主人公は技術評価試験飛行部隊・ファルコ隊の隊長(コールサイン:ファルコ1。TACネーム不明),搭乗機は試験中だったらしい架空機だ(ゲーム的には有料DLCを購入すれば実在機も使用できた)。ファルコ隊は内戦で活躍した傭兵によるレサス軍の戦闘機隊・キマイラ隊や,試作型の超大型戦略飛行艇・ガンドなどに対して奮戦するも,レサス軍の空中要塞・グレイプニルが投入されたことで首都・グリスウォールからの撤退を余儀なくされる。
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ちなみにオーレリア戦争は,レサス軍の最高司令官であり同国の兵器産業も牛耳るディエゴ・ギャスパー・ナバロが,兵器需要拡大および輸出兵器のデモンストレーションとして計画したもの。つまり,兵器産業という面において,レサスはノースオーシア・グランダーI.G.の商売敵だと言える。それを踏まえて,ノースオーシア・グランダーI.G.の開発したコフィンシステムを搭載した機体がオーレリア軍の試験部隊に配備されていたことを考えると,オーレリア戦争は後に訪れる“企業間戦争”の先駆けと言っていいものかもしれない。
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超国家企業と国家連合軍の戦争 / 2032年
「Ace Combat Advance」「ACENW」と並んで正史かは怪しいが,こちらも北米・欧州のみで発売されたゲームボーイアドバンス用ソフト「Ace Combat Advance」では,2032年の出来事が描かれている。大まかなストーリーは,超国家企業・ゼネラルリソースが私兵組織・Air Strike Forceによる敵対勢力への破壊活動を始めたので,複数国がUnited Air Defenseという連合軍を結成して抵抗するというもの。プレイヤーは,United Air Defenseの兵士として出撃する。
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本作に登場するのは架空機ばかり。仮にナンバリングシリーズと同じ世界だと考えると,「ACE7」からおおよそ10年後にはF-35やSu-57すら古びれて,ストレンジリアル世界独自の航空機が主力となっていることになる。とは言え,いずれも本作にしか登場しない機体なのだが……。
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企業間戦争 / 2040年
「エースコンバット3 エレクトロ・スフィア」2030年代の後半にはゼネラルリソースやニューコムといった超国家企業が旧来の国家が形骸化するほどに発展しており,ユージア大陸では国家間戦争に替わって企業所有の私兵組織による武力衝突が繰り返されている。また,ファルケンなどに用いられていたコフィンシステムが戦闘機や攻撃機の標準仕様となっており,最新鋭機はもちろん,旧式機もコクピットブロックのコフィンシステム化による近代化改修が施されている。
これが,PlayStation用ソフト「エースコンバット3 エレクトロ・スフィア」(以下,ACE3)の世界だ。本作は舞台こそユージア大陸であるものの,他のナンバリングタイトルとはあまりに掛け離れた設定なので同じストレンジリアル世界なのか疑問視されていたが,「ACE7」制作にあたって正式に旧作ナンバリングシリーズが同一の世界であるとまとめられ,「ACE3」も正史に連なることが決められた。
![]() 有機的な形状をした2040年の航空機。現実のF-117が,1970年代のコンピュータシミュレーションの技術的限界から角ばった形になったことを考えると,フィクションながら隔世の観を禁じ得ない |
![]() 旧式機はコックピットブロックをコフィンシステムに換装して運用されている。操作ラグは否めないもののリモート操縦が一般化しているので,無人機の数も多い |
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2040年,ユージア大陸ではゼネラルリソースとニューコムの対立が“企業間戦争”と呼ばれる本格的な戦争状態になる。プレイヤーはNUNという国際連合組織の傘下にある特別航空部隊・SARFのパイロット(名前は任意に設定可能)として,ゼネラルリソースやニューコム,あるいは思想型テロ組織のウロボロスに与しながら,敵勢力と砲火を交わすことになる。
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ただ,ネタバレになるが「ACE3」劇中は電子的なシミュレータの世界だ。プレイ中の選択によってストーリーのルートが分岐することもあり,どこまでが現実かは分からない。それでも超国家企業や企業間戦争などは確かにあったらしく,「ACE7」公式サイトやUGSFシリーズ公式サイトでは,それが歴史に組み込まれていることを確認できる。
そしてUGSFシリーズの時代へ
さて,いきなり名前が出てきた“UGSFシリーズ”だが,これはバンダイナムコエンターテインメントの一部タイトル群が,ひとつの世界観のもとに体系化されたものだ。時系列的には「ACE3」から始まり,「バーニング・フォース」や「ギャラクシアン」,「ボスコニアン」,「ミスタードリラー」,「みずいろブラッド」,「しんぐんデストロ〜イ」(iOS / Android),「NEW SPACE ORDER」など多種多様なタイトルが連なっている。
異星生物との恒星間戦争の時代になっても,“ケストレル”の艦名がゼネラルリソース製航宙機母艦・ジオキャリバー2の級名に用いられていたり,ニューコムがコフィンシステムを独自進化させてN.B.B.(ナビゲート・バイ・バイオシグナル)方式を確立させたりするなど,エースコンバット世界からの伝統や技術が続いている。興味のある人は調べてみよう。
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「エースコンバット8」はどうなる?
「ACE3」の正史化は同作ファンにとって朗報だが,その一方で“今後のエースコンバット”の予想がつかなくなってくる。エースコンバットシリーズは,おおよそ「現実の軍用機と空戦をゲーム的にアレンジする」というスタイルを続けてきたが,「ACE7」でレーザーやレールガンといったSF兵器が一般化するなら,それ以降はどうなるのだろうか。
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「ACE3」のようなSF路線は,旧式機(実在機)は出番が少なくなりそうなものの,ある意味「リッジレーサー」シリーズのような架空のマシンならではのプレイを楽しめそうだ。成層圏や宇宙空間,あるいは他惑星の大気圏など,新たな“空”を飛べるかもしれない。
時代を遡ってレシプロ戦闘機の時代を描いたり,あるいは「ACE COMBAT X2」や「ACE COMBAT ASSAULT HORIZON」のようにリブート版のリアルストレンジでジェット戦闘機の空戦を改めて描くことも考えられる。個人的には,お蔵入りとなった“PROJECT ACESによるゼビウス”のように,オールドナムコのタイトルが主観視点&自由飛行になる機会も熱望したい。「ドラゴンスピリット」あたりは主観でやったらすごく面白そうな気がする。
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余談はさておき,エースコンバットシリーズはこれから行く先も含めていろいろと楽しみだ。差し当たっては,最新作の「ACE7」をじっくりとプレイして,さらなる次を待ちたい。
おまけ:ケイ・ナガセは何者なのか?
ストレンジリアル世界の歴史を眺めていると,ある人名が頻出することに気付くだろう。そう,ケイ・ナガセ(永瀬ケイ)という名前の女性がしょっちゅう出てくるのだ。
すべて同一人物だろうか? 「ACE3D」のナガセは1997年時点で20歳,「AC04」のナガセは2003年時点で恐らく20代なので,時系列的には同一人物でもおかしくない。ただ,「ACE5」のナガセは2010年時点で23歳であり,「ACE3D」のナガセと10歳の差がある。さらに,「ACE3」のナガセは2040年時点で恐らく20代だ。
果たしてナガセとは何者なのか。どこかにケイの名前をよく使うナガセ家があるのか。ストレンジリアル世界の壮大な設定の一部なのか。それともナノバイト的なそういうUGSF系の何かなのか。ナンバリングシリーズとは異なる世界の小説「エースコンバット イカロス・イン・ザ・スカイ」版ナガセが公式blogで旧作ナガセの活躍を自分のこととして語っているのはどういうことなのか。「ACE3D」のナガセはユージア大陸の極東出身と語るが,そこに真実が隠されているのか。あと「リッジレーサー」の永瀬麗子との間に関係はあるのか。それとも単なるファンサービス的なやつなのか!
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ちなみに,本稿で触れた歴史や出来事は,ストレンジリアル世界を構成する設定のうち,ほんの一端に過ぎない。劇中では,若いころの「ACE5」キャラクターが「ACE0」に出ていたり,「ACE5」に登場した記者のアルベール・ジュネットが老けた姿で「ACEX」に登場していたりと,大小さまざまなつながりが存在する。そういったつながりを少しずつ手繰っていくと……気付けば筆者のように,エースコンバットの“沼”に肩までドップリ浸かっていることだろう。














































