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ゲームの大容量化が進むなか,快適にプレイするには高速なストレージが欠かせない。そのためSSDは,GPUと並んで,アップグレードの費用対効果が高いPCパーツといっていいだろう。
Western Digitalが展開していたSSDの「WD_BLACK」シリーズは,高い性能に加えて,耐久性や扱いやすさも評価され,ゲーマーの間で定番となっていた製品だ。
そんなWD_BLACKが,2026年1月にSandiskの「SANDISK Optimus」シリーズへと変更されたのをご存じだろうか。
SandiskのSSD製品が新ブランド「SANDISK Optimus」に変更。ゲーマー向けの「WD_BLACK」は「SANDISK Optimus GX PRO」などに
米国時間2026年1月5日,Sandiskは,SSD製品の新ブランド「SANDISK Optimus」を発表した。Western Digitalから継承した「WD_BLACK」「WD Blue」といったブランドを統合したうえで,デザインも一新したSSD製品を今後は展開していくという。
本稿では,SANDISK Optimusシリーズの製品ラインナップを改めて整理するとともに,最上位モデルの「SANDISK Optimus GX PRO 8100 NVMe SSD」(以下,Optimus GX PRO 8100)を例に,SSDをアップグレードすることで性能がどのように変わるのかを紹介していこう。
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WD_BLACKやWD Blueがまるごと「SANDISK Optimus」シリーズへ
Sandiskはフラッシュメモリと関連製品を長く手がけている企業だが,その変遷は少々複雑なので,簡単に説明しておこう。
Sandiskは1988年に設立された企業で,2016年に大手ストレージメーカーのWestern Digitalに買収された(関連記事)。ゲーマーにも広く使われてきたWD_BLACKシリーズは,Western Digitalが展開したハイエンドSSDシリーズだ。
だが,Western Digitalは2025年,HDD事業とフラッシュメモリ事業をそれぞれの市場に専念させるため,Sandiskを再び分社化した。冒頭で述べたシリーズ名の変更は,この事業再編に合わせて実施されたものだ。
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市場には現在も,一般消費者やビジネスユーザー向けの「WD Blue」シリーズのSSDが流通しているため,やや分かりにくいが,これらは基本的に,新ブランドであるSANDISK Optimusシリーズに統一されたと考えていい。
まずは,SANDISK Optimusシリーズの主な製品ラインナップをまとめておこう。
SANDISK Optimus GX PRO
SANDISK Optimus GX PRO(以下,Optimus GX PRO)は,WD_BLACKシリーズを継承した,ゲーマーや開発者など,最高性能を求めるユーザー向けのハイスペックなSSDシリーズである。
今回取り上げるOptimus GX PRO 8100は,「WD_BLACK SN8100 NVMe SSD」と呼ばれていた製品で,PCI Express(以下,PCIe)5.0に対応する最上位モデルだ。
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逐次読み出し(シーケンシャルリード)は最大14900MB/s,逐次書き込み(シーケンシャルライト)は最大11000MB/sと(※1TBモデルの場合),PCIe 5.0対応SSDとして最高峰の性能を備える。
NANDフラッシュメモリには,Sandiskと日本のメモリメーカーであるキオクシアが共同開発した「BiCS TLC CBA NAND」を採用しており,耐久性に優れるのも特徴のひとつ。
PCのM.2スロットがPCIe 5.0に対応しているなら,Optimus GX PRO 8100は有力な選択肢だ。
また,高性能ヒートシンクを搭載した「SANDISK Optimus GX PRO 8100 NVMe SSD with HeatSink」という製品もある。マザーボード側のヒートシンクの有無に応じて,ヒートシンクあり/なしのモデルを選べるわけだ。
●Optimus GX PRO 8100の主な仕様
- 容量:8TB/4TB/2TB/1TB
- フォームファクタ:M.2 2280
- インタフェース:PCIe 5.0/NVMe 2.0
- 逐次性能(1TBモデル):最大14900MB/s(読み出し),最大11000MB/s(書き込み)
- ランダム性能(1TBモデル):最大1.6M IOPS(読み出し),最大2.4M IOPS(書き込み)
- 耐久性:4800TBW(8TB)/2400TBW(4TB)/1200TBW(2TB)/600TBW(1TB)
- 保証期間:5年
Optimus GX PROシリーズの「SANDISK Optimus GX PRO 850X NVMe SSD」(以下,Optimus GX PRO 850X)は,「WD_BLACK SN850X NVMe SSD」を置き換えるPCIe 4.0対応のハイエンドモデルだ。DRAMキャッシュを搭載しており,ランダムリード/ライトを含めて高い総合性能を備える。
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ただし,消費電力は最大8W(4TBモデル,アクティブリード時)と,現在の基準ではやや高めだ。そのため,放熱に余裕のあるハイエンドデスクトップPC向けといったところか。
また,ヒートシンクを標準搭載した「SANDISK Optimus GX PRO 850X NVMe SSD with HeatSink」も用意されている。さらに,PlayStation公式ライセンスを取得した「SANDISK Optimus GX PRO 850P NVMe SSD for PS5 Consoles」という製品もあり,PS5シリーズでの利用を前提にSSDを選ぶなら,こちらが分かりやすい選択肢だ。
●Optimus GX PRO 850Xの主な仕様
- 容量:8TB/4TB/2TB/1TB
- フォームファクタ:M.2 2280
- インタフェース:PCIe 4.0/NVMe 1.4
- 逐次性能(1TBモデル):最大7300MB/s(読み出し),最大6300MB/s(書き込み)
- ランダム性能(1TBモデル):最大800K IOPS(読み出し),最大1.1M IOPS(書き込み)
- 耐久性:4800TBW(8TB)/2400TBW(4TB)/1200TBW(2TB)/600TBW(1TB)
- 保証期間:5年
SANDISK Optimus GX
「SANDISK Optimus GX」(以下,Optimus GX)は,WD_BLACKシリーズの下位モデルを継承した,高性能と大容量を求めるゲーマー向けのSSDシリーズである。
「SANDISK Optimus GX 7100 NVMe SSD」(以下,Optimus GX 7100)は,「WD_BLACK SN7100 NVMe SSD」と呼ばれていたSSDで,PCIe 4.0対応の最上位モデルだ。
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逐次読み出し最大7250MB/s,逐次書き込み最大6900MB/sと,PCIe 4.0対応SSDとしては最高峰の性能を備える。
NANDフラッシュメモリには,Optimus GX PRO 8100と同じBiCS TLC CBA NANDを採用し,耐久性も高い。
DRAMキャッシュを持たない構成で,消費電力を3W台に抑え,発熱が少ないのも特徴だ。
ゲーミングノートPCやゲーミングミニPCなど,電力供給や放熱性能に制約のある環境にも適している。幅広いPCで高い性能を発揮できるSSDといえるだろう。
ちなみにOptimus GXシリーズの2TBおよび4TBモデルには,MicrosoftのXBOXと,ASUSTeK Computerのゲーマー向けブランド「Republic of Gamers」の認定を受けた「SANDISK Optimus GX 7100X SSD for ROG Xbox Ally [X] and PC」も用意されている。
さらに,「Steam Deck」のような携帯型ゲームPCに適したM.2 2230フォームファクタの「SANDISK Optimus GX 7100M NVMe SSD」(1TB)もラインナップするなど,用途に合わせて豊富なバリエーションから選べるのも,Optimus GXシリーズの特徴だ。
●Optimus GX 7100の主な仕様
- 容量:4TB/2TB/1TB/500GB
- フォームファクタ:M.2 2280
- インタフェース:PCIe 4.0/NVMe 2.0
- 逐次性能(1TBモデル):最大7250MB/s(読み出し),最大6900MB/s(書き込み)
- ランダム性能(1TBモデル):最大1M IOPS(読み出し),最大1.4M IOPS(書き込み)
- 耐久性:2400TBW(4TB)/1200TBW(2TB)/600TBW(1TB)/300TBW(500GB)
- 保証期間:5年
SANDISK Optimus
「SANDISK Optimus」(以下,Optimus)シリーズは,WD Blueシリーズを継承する一般消費者やコンテンツ制作者向けの製品群だ。
「SANDISK Optimus 5100 NVMe SSD」は,「WD Blue SN5100 NVMe SSD」シリーズを置き換える比較的安価な製品である。
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BiCS QLC CBA NANDを採用して価格を抑えながら,上位モデルのSANDISK Optimus GX 7100に迫る性能を実現しているのが特徴だ。
耐久性も実用上十分で,手軽にSSDの容量を増やしたいゲーマーに適した製品といえるだろう。
●Optimus 5100の主な仕様
- 容量:4TB/2TB/1TB/500GB
- フォームファクタ:M.2 2280
- インタフェース:PCIe 4.0/NVMe 2.0
- 逐次性能(1TBモデル):最大7100MB/s(読み出し),最大6700MB/s(書き込み)
- ランダム性能(1TBモデル):最大1M IOPS(読み出し),最大1.3M IOPS(書き込み)
- 耐久性:1200TBW(4TB)/900TBW(2TB)/600TBW(1TB)/300TBW(500GB)
- 保証期間:5年
Optimus GX PRO 8100をPCに取り付けてみた
今回は,Optimus GX PRO 8100の1TBモデルを試用して,ゲーミングPCのストレージをアップグレードする手順を紹介したい。
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サンプルとして用意したのは,PCIe 3.0対応の2TB SSDをシステムドライブ(Cドライブ)として利用しているPCだ。ここにOptimus GX PRO 8100の1TBモデルを追加し,ゲームの保存容量を増やすとともに,よくプレイするゲームの起動を高速化するという想定である。
PCの起動を高速化するなら,CドライブをOptimus GX PRO 8100に交換し,既存のPCIe 3.0対応SSDをセカンドドライブ(Dドライブ)として利用するのが理想だろう。
通常であれば手間のかかる作業だが,Sandisk製SSDでは,Acronisの多機能バックアップツール「True Image for Sandisk」を無料で利用できる。これを使ってCドライブの中身を別のSSDへと簡単に移行可能だ。
True Image for Sandiskは,Sandisk製SSDが取り付けられていないと利用できない専用ソフトだ。そのため,まずはマザーボードのセカンドM.2スロットにOptimus GX PRO 8100を取り付けよう。
ちなみに,市販のM.2 to USB変換アダプタを使うとUSBストレージとして認識されるため,Sandisk製SSDとは判別されないことが多い。True Image for Sandiskを使ったCドライブの移行には,基本的に変換アダプタは利用できないと考えておこう。
さて,Optimus GX PRO 8100をM.2スロットに取り付けたら,Windowsを起動し,True Image for Sandiskをダウンロードしてインストールする。あとは,画面の指示に従って操作すれば,2TBのCドライブを1TBのOptimus GX PRO 8100へ移行できる。
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PCIe SSDからPCIe SSDへのクローンであれば,作成は短時間で完了する。保存されているデータ量にもよるが,1TB以下なら10分程度で終わるだろう。
クローンが完了したらPCの電源を切り,セカンドM.2スロットとプライマリM.2スロットのSSDを入れ替える。改めて電源を入れれば,Optimus GX PRO 8100がCドライブとして起動するはずだ。
UEFI(BIOS)で起動ドライブを選択する必要がある場合は,マザーボードの説明書やオンラインマニュアルなどを参照してほしい。
Sandisk Dashboardで快適なSSD生活を
Sandisk製SSDは高い耐久性を備えているが,大切なデータを保存するストレージだけに,動作状態を細かく把握しておきたいゲーマーもいるだろう。
Optimus GX PRO 8100をはじめとするSandisk製SSDでは,そのための管理アプリとして「Sandisk Dashboard」が用意されているのだ。
Sandisk Dashboardでは,SSDの状態を継続的に確認できる。Optimusシリーズを導入したら,あわせてインストールしておきたいアプリといえよう。
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Sandisk Dashboardでまず確認しておきたいのが,「インタフェーススピード」欄だ。Optimus GX PRO 8100はPCIe 5.0対応SSDだが,PC側の設定によっては,PCIe 5.0で接続されていない場合もある。
PCIe 5.0で接続できていれば,インタフェーススピード欄の「接続」に「一般情報5」と表示されるので,ここで確認できるわけだ。
そのほかにも,Sandisk Dashboardのトップページでは,SSDの温度や,残り寿命を意味する「ドライブの健全性」を確認できる。
また,「ツール」ページでは,ファームウェアのアップデートや「S.M.A.R.T.」による詳細なステータス確認,健全性テストも行えるので,必要に応じて活用するといい。
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ゲームの起動が2倍以上快適に!
最後に,Optimus GX PRO 8100でどの程度PCが快適になるのか。ゲーマー向けベンチマークアプリ「3DMark」の「Storage Benchmark」を実行して,簡単に確かめてみた。
Storage Benchmarkは,ゲームのアクセスパターンを再現してストレージ性能を測定するテストだ。単純なコピー速度やランダムアクセス性能ではなく,実際のゲームに近い条件で性能を測れるのが特徴である。また,テストを3回実行してスコアを算出するため,結果のばらつきを抑えやすい。
Storage Benchmarkのスコアから,分かりやすい「帯域幅」(Bandwidth)の結果を抜き出したのがグラフ1だ。
比較対象には,SSD交換のパートで使用したPCIe 3.0対応SSDを用いた。
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とくに注目したいのが,「Battlefield V」と「Call of Duty: Black Ops 4」の結果だ。
どちらもゲームを起動してメインメニューが表示されるまでのアクセスパターンを再現したテストで,Optimus GX PRO 8100は,もとのPCIe 3.0対応SSDに対して約2.5倍の帯域幅を記録した。ゲーム起動時のストレージ処理が大幅に高速化していることが見てとれよう。
「PCIe接続SSDを上位の規格に対応するものに交換しても,体感差は小さい」という意見もある。だが,2世代をまたぐアップグレードであれば,性能差が明確に表れることが証明された。Optimus GX PRO 8100への交換は,ゲーマーにとって効果の大きいアップグレードとなろう。
信頼と実績のOptimus GX PROでゲーム環境をより快適に!
リニューアルされたSANDISK Optimusシリーズの概要と,最上位モデルであるOptimus GX PRO 8100を紹介してきた。実例からも分かるように,SSDのアップグレードは,ゲーマーにとって効果の大きい選択肢だ。
なかでも,WD_BLACKシリーズで培った実績を受け継ぐOptimus GX PRO 8100は,有力な候補といえるだろう。
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SSDの価格は高止まりしていて悩ましいが,買うからには良いものを選びたいところ。次のアップグレード先として検討してほしい。




































