今回,東京ゲームショウ2019の開催に合わせて来日した,Kunos SimulazioniのCo-Founderにして,Brand & Product Executive Managerを務めるMarco Massarutto氏に,「Assetto Corsa Ultimate Edition」と,5月29日にSteamにて正式リリースされた「Assetto Corsa Competizione」について話を聞くことができたので,その模様をお届けしよう。
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「Assetto Corsa Ultimate Edition」は,2014年にリリースされた「Assetto Corsa」のゲーム本編に,2017年に開発終了するまでのすべてのアップデートとDLCを同梱した完全版だ。Massarutto氏によると,2014年から2017年の間は,クルマのシミュレーション部分をずっとアップデートし続けていたそうで,本作はレースゲームの定番の1つとされている。
とくに国や地域,時代の垣根を越えて,リアルに再現された170種類以上のクルマに乗って楽しめるところや,それらのクルマ1台1台についてモーションなどを流用することなく,すべて1から作り上げていることなどが評価されているという。
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また「Assetto Corsa」は,フェラーリやポルシェ,ランボルギーニといったスポーツカーメーカーの公式シミュレータとして採用されている。つまりゲームとして楽しめるのはもちろん,プロドライバーのトレーニング用にも使われているのだ。
Massarutto氏によると,本作の原点は2006年に彼らがリリースした「Net Kar Pro」というドライブシミュレータにあるという。リリース後に多数のクルマメーカーから問い合わせを受けたり,プレイヤーから自由度が足りないなどのさまざまなフィードバックを受けたりした結果,企画・開発を進めたのが本作のプロジェクトというわけで,言わば現状の評価や使われ方は狙いどおりなのである。
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それを可能にした理由の1つが,Kunos Simulazioniの所在地だ。驚くことに同社はイタリアのバレルンガ・サーキットの中にあるのだとか。しかも,オフィスの前がスターティンググリッドの先頭なのだという。
そのため本作を使ってトレーニングしているプロドライバーがオフィスを訪れ,「ここをこうするともっとよくなる」といったアドバイスを直接してくれるようになったそうだ。それは,トレーニングツールである本作のクオリティが上がれば,彼らドライバーもより優れた成績を収める可能性が高まるからである。
また,Kunos Simulazioniのスタッフがメーカーからクルマを借りて,実際に乗って検証することもあった。それはゲーム内に登場するクルマの挙動やエフェクトが,実車のそれと同じかどうか確認するためである。
Massarutto氏自身にも,開発中の「Assetto Corsa」をサーキットのピットに持ち込み,ゲーム内のロータス・エヴォーラSとその実車にそれぞれコースを1周させてみて,その差が0.5秒程度になるまで調整を重ねたという経験があるそうだ。
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「Assetto Corsa」はさまざまなマイルストーンを成し遂げている。その中でもフェラーリ初の公式シミュレータに採用されたことは,非常に誇らしいそうだ。また,ドイツのサーキット・ニュルブルクリンクに初めて公式認定されてゲーム内に導入したのも本作で,とくにコースの正確な再現性を評価されたという。
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さらにポルシェと2016年にライセンス契約を結び,「Assetto Corsa」は同社の公式シミュレータとなった。同社の27種類の車種をゲーム内に導入する運びとなったのだが,その中には当時のトップシークレットだった新型911が含まれていたという。
秘密裏に開発された「Assetto Corsa」の新型911は,実車の発表に先駆けてスペインのヘレス・サーキットで行われたメディア向けのイベントにプレイアブル出展される。そして,その半年後,ル・マン24時間レースの最中に,ポルシェとパートナーシップを結んだことを公にしたのである。
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また「Assetto Corsa」は上記のとおりリリース後もアップデートを重ね,追加コンテンツやDLCを提供してきたが,それらはすべて無料だったという。Massarutto氏は,それを「プレイヤーに楽しんでもらうため」と説明した。
一方,プレイヤーもMODコンテンツを導入し,さらに本作を楽しんでいるそうだ。それらMODコンテンツには新しいコースや雨モード,夜モードなどがあり,その総数は5000前後におよんでいるとのこと。Massarutto氏は,その意味において「『Assetto Corsa』は,レースゲームで最大のコミュニティを有しているのではないか」と自信をのぞかせていた。
「Assetto Corsa」を正式リリースしたとき,Massarutto氏は自身のもっとも好きなコースである鈴鹿サーキットを入れられなかったことを悔いたという。そこで,のちにDLC「Japanese Pack」を開発し,トヨタや日産,マツダといった日本車とともに正式にライセンス契約を結んで鈴鹿サーキットを導入したのだとか。
その結果,トヨタも本作を使ってクルマのプレゼンテーションなどを行うようになったそうだ。
「Japanese Pack」を提供したあとは,ドリフトで峠を攻めるコミュニティや,峠のMODコースが急増したとのこと。また本作を使って,走り屋を描く日本の某コミックに登場した豆腐の配達シーンを再現する映像を作成したファンもいたそうだ。
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なお,「Assetto Corsa Competizione」の日本語版のリリースは未定だが,Massarutto氏にすでにβバージョンの段階に入っているようなことを匂わせていた。もちろんパブリッシャも未定だが,もしリリースするのであれば,DMM GAMESは有力な候補の1つとのこと。
またシリーズ新作の構想も練っているそうで,今度は最初から日本車や日本のコースを導入した内容にしたいと話していた。これらの情報については,続報を待ってほしいとのことだ。



















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