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「Voice of Cards できそこないの巫女」開発陣にメールインタビュー。売れ行き次第で今後の展開も?
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印刷2022/02/18 12:00

インタビュー

「Voice of Cards できそこないの巫女」開発陣にメールインタビュー。売れ行き次第で今後の展開も?

 スクウェア・エニックスは2022年2月17日,「Voice of Cards できそこないの巫女」PS4/Switch)を発売した。PC版も本日(2月18日),Steamで配信が始まっている。
 本作は,「Voice of Cards ドラゴンの島」に続く,GMの語りで進行するシナリオや,ダイスやカードでの演出といったアナログ感にこだわった,「Voice of Cards」シリーズの第2弾だ。
 前作から4か月ほどで早くも登場した本作について,開発陣にメールインタビューも行った。

  • クリエイティブディレクター:ヨコオタロウ氏
  • エグゼクティブ・プロデューサー:齊藤陽介氏
  • ミュージックディレクター:岡部啓一氏氏
  • キャラクターデザイナー:藤坂公彦氏
  • シナリオライター:和田侑樹氏
  • ディレクター:三村麻亜沙氏

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 スクウェア・エニックスから本日配信される「Voice of Cards できそこないの巫女」のプレイレポートをお届けする。シリーズ第2弾の本作では,アナログ感のある演出はそのままに,速水 奨さんをゲームマスターに迎えて,ダークな物語が展開するのだ。

[2022/02/17 00:00]


クリエイティブディレクター:ヨコオタロウ氏

4Gamer:
 早くも第2弾の登場となりますが,本作の見どころを教えてください。

ヨコオタロウ氏(以下,ヨコオ氏):
 イラストレーターの藤坂さんにムチ打って大量に描いてもらったアートと,若手のライター和田さんを安い賃金でコキ使って書かせたシナリオですね。つまり,資本主義と年功序列の暴力が見どころです。

4Gamer:
 今回の舞台は,前作「ドラゴンの島」との関連性はあるのでしょうか?

ヨコオ氏:
 すみません,忘れました……(本当に)。

4Gamer:
 前作に寄せられた反響の中で,印象的だったものはなんでしょうか。

ヨコオ氏:
 ゲームを作ると「難しい」「わかりづらい」という意見が来ることが多いのですが,今回はそれがなかったのが印象的でした。特にアナログゲームでは,ルールが複雑で初心者には難しいものが多いのですが,今回のゲームはなるべくシンプルに,わかりやすく,というところを開発のエイリムさんと共に目指したのが功を奏した気がします。

4Gamer:
 新たなゲームマスター役を,速水 奨さんにされた理由はなんでしょう。

ヨコオ氏:
 実際に聴いて,「物語に一番しっくり来る」と感じたのが速水さんの声でしたね。正直,僕は声優さんは詳しくないので,純粋に声質で選んだ結果です。

4Gamer:
 本作のお気に入りキャラクターを教えてください

ヨコオ氏:
 最初に出てくる「ぬいぐるみ」ですね。名前は忘れました。

画像集#001のサムネイル/「Voice of Cards できそこないの巫女」開発陣にメールインタビュー。売れ行き次第で今後の展開も?


エグゼクティブ・プロデューサー:齊藤陽介氏

4Gamer:
 本作は,もともとシリーズ化する予定で開発されていたのでしょうか。

齊藤陽介氏(以下,齊藤氏):
 シリーズ化していこうという意識はありました。内緒にしていましたけど。
 「ドラゴンの島」と世界観こそ同じですが,未経験者はもちろん,経験者の方も0から楽しんでもらえると思います!

4Gamer:
 今後も「Voice of Card」シリーズは展開を続けていく予定ですか?

齊藤氏:
 「ドラゴンの島」「できそこないの巫女」がたくさん売れたら,さらなる展開は考えていきます。

4Gamer:
 前作に寄せられた反響で,国内と海外で違いなどありましたか?

齊藤氏:
 どうでしょうか。アナログゲームに馴染みの深い国の方に受けが良かった気がしています。狙い通りといえば狙い通りではありますが。

4Gamer:
 本作のお気に入りキャラクターを教えてください

齊藤氏:
 無難な返事ですが,ラティでしょうか。可愛いは正義ですし。

画像集#002のサムネイル/「Voice of Cards できそこないの巫女」開発陣にメールインタビュー。売れ行き次第で今後の展開も?


ミュージックディレクター:岡部啓一氏

4Gamer:
 本作ではどういった音楽を目指したのでしょうか。前作との違いはありますか?

岡部啓一氏(以下,岡部氏):
 前作はケルトっぽいイメージでしたが,今作は前作の雰囲気をベースに,ラテンのテイストを入れてほしいというオーダーがありました。
 サンバの様な陽気なラテンではなく,タンゴの様な哀愁を帯びたラテンのテイストを,前作からあるファンタジー的な要素とミックスした音楽になっています。

4Gamer:
 今回の音楽制作にあたり,もっとも楽しかった部分と苦労された部分を教えてください

岡部氏:
 前作と差別化しつつも,同じシリーズとして同じテイストを持たせることに苦労しました。
 前作に引き続き,岡部,瀬尾,オリバーの3人で制作しつつ,歌唱のKOCHOさんや折田さん,ギターの後藤くんやバイオリンの島田さんなど,いろいろな方達の力を借りて,音楽ができあがっていくのを体験するのは,とても楽しかったです。

4Gamer:
 「Voice of Cards」シリーズでは,安元洋貴さんや速水 奨さんといった声優(GM)が語りでゲームを進めていきます。この形式が,曲の制作に影響を与えたりするのでしょうか?

岡部氏:
 ゲームの音楽は,大概セリフや効果音と一緒に鳴るので,それ前提で考えてはいます。
 ですので,今回に限ってという意味では特に影響はありませんが,安元さんや速水さんの声は,低く落ち着いているにも関わらず,抜けが良くてとても聞き取りやすいというありがたい特性なので,なおさら音楽側で気にしないといけないことは少ないと思っています。


キャラクターデザイナー:藤坂公彦氏

4Gamer:
 前作と本作で,キャラクターデザインのコンセプトは違っていると思うのですが,本作ではどのようなキャラクターを目指したのか教えてください。

藤坂公彦氏(以下,藤坂氏):
 前作は,オーソドックスな「THE中世ファンタジーRPG!」「ゲーム黎明期!」「ドラクエ1作目!」くらいなところを狙っていましたが,今作は2000年代くらいのゲームやアニメのような,もう少しキャッチーでビビッドなところを狙っています。

4Gamer:
 今回は「巫女」と「従者」が対になって登場しますが,彼らのデザインに当たっては「コンビとして登場すること」が意識されていたりするのでしょうか?

藤坂氏:
 まさにコンビが大前提でデザインしています。色の違いだけではなくバランス的にほかのペアと被らないようにシルエットなど気をつけました。

4Gamer:
 本作のお気に入りキャラクターを教えてください

藤坂氏:
 ラスボスです!


シナリオライター:和田侑樹氏

4Gamer:
 前作の物語はコミカルな側面も強かったですが,今回はガラっと変わった印象を受けます。

和田侑樹氏(以下,和田氏):
 前作と比べて本作は,登場キャラクターの年齢感も大人になって,全体的にしっとりとした雰囲気になったように思います。1エピソードが終わる度に「これでよかったのか?」と考えさせられるような,ビターな物語になるよう心がけました。

4Gamer:
 和田さんはスマホゲーム「NieR Re[in]carnation」のシナリオも担当されていますが,家庭用ゲームである「Voice of Cards」ですと,文章の書き方も変わってくるものですか?

和田氏:
 「NieR Re[in]carnation」のメインシナリオでは,多くを語らないことだったり,「……」といった台詞の間を入れて雰囲気を演出しています。
 対して「Voice of Cards」は,しっかりテキストで説明しつつも,雰囲気や情景を感じてもらえるよう文章表現にこだわりました。ゲーム全体のテキスト量も多いので,一度こだわり始めると時間が溶けていってしまうのが大変でした。

4Gamer:
 「心の世界」はストーリーの要になるような気がしますが,どういったものなのかを話せる範囲で教えてください。

和田氏:
 ヒロインであるラティの心の中にある世界です。物語の中心的な存在で,ちょうどこんな風に世界のあち■■が壊れてしまっ■■ます。夢のよ■■世界で,普通は■■■■■よう■出来事が起こ■ことも。例えば,見たことも■■■■魔物が襲■■■たり,■■がひとりでに■■■■■り,■■■■が■■■■殺そ■■したり……何が起こるのか楽しみにしていただければと思います。

画像集#006のサムネイル/「Voice of Cards できそこないの巫女」開発陣にメールインタビュー。売れ行き次第で今後の展開も?
4Gamer:
 本作のお気に入りキャラクターを教えてください

和田氏:
 どのキャラクターも大好きなので迷いますが……あえてあげるなら,ヒロインのラティでしょうか。カードで物語が描かれる「Voice of Cards」の特徴のおかげで,言葉を一切喋らない女の子のはずなのに,表情の豊かさを感じられるような不思議なキャラクターになったと思います。


ディレクター:三村麻亜沙氏

4Gamer:
 第2弾を作るにあたって,今回はどのようなものにしようと考えましたか?

三村麻亜沙氏(以下,三村氏):
 基本システムは変わらない中,第1弾を遊んでくださった方が手にとっても新鮮な体験ができるようにするにはどうすれば良いか,を考えました。紡がれる物語は違いますので,その物語の個性的な部分の表現を強化することをメインとしています。

4Gamer:
 ゲーム的な部分における,前作との違いについて教えてください。

三村氏:
 前述の通り,今作ならではの部分を活かすため「連携スキル」追加したり,ダンジョンギミックの一新などを行っています。ダンジョンギミックは,カードで表現しているけれどこういうこともできるんだ,というのがわかりやすい部分かと思います。

画像集#003のサムネイル/「Voice of Cards できそこないの巫女」開発陣にメールインタビュー。売れ行き次第で今後の展開も?

4Gamer:
 「ドットアートセット」は前作と同じくエイリムさんの担当なのでしょうか? 頭身が高いうえ,衣装の装飾も多いキャラクターたちですが,これを低頭身のドットアートに落とし込むのに苦労した点などがあればて教えてください。

三村氏:
 はい。弊社での制作です。すべての要素を入れることは難しいので,キャラクターのどの部分が個性となるかを見極めて,「ここだけは表現したい」というのをドッターにお願いしています。服の質感(ラティなど)や細かな装飾は大変そうでしたが,何度もリテイクが入るようなものはなかったので,さすがだなぁと感謝しています。

4Gamer:
 本作のお気に入りキャラクターを教えてください

三村氏:
 ペアがそれぞれすごく良いキャラをしているので,選ぶのに悩みましたが……なんだかんだで主人公(バラン)が一番好きかもしれません。選択肢は今回もいろいろあるので(笑),プレイヤーの選択次第で性格の幅は若干ありますが,ちょっとした行動が「いいな」と思うことが多かったです。

画像集#004のサムネイル/「Voice of Cards できそこないの巫女」開発陣にメールインタビュー。売れ行き次第で今後の展開も?

「Voice of Cards できそこないの巫女」公式サイト

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