
プレイレポート
[プレイレポート]「DEATH STRANDING 2」を“世界最速”で体験――運ぶ旅の変わらない楽しさ,環境の変化と選択の自由で描く新たな物語
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2025年4月22日から25日までの4日間,東京都内にあるコジマプロダクションにて国内外のメディア向けにプレビューイベントが実施され,そこで“世界最速”の先行プレイ会が行われた。
4Gamerもそれに参加し,新たな土地を舞台とするサムの物語を体験するとともに,コンバットやステルス要素を含む新規ミッション,そして自然現象によるフィールドへの影響といった進化点を確認してきた。そのレポートをお届けしよう。
「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」公式サイト
「DEATH STRANDING 2」の“創造”の現場で見たこと,聞いたこと――小島監督&開発メンバーのインタビューとスタジオツアーレポート

待望の続編「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」発売を前に,コジマプロダクションにて国内外のメディアを招いたプレビューイベントが開催された。同イベントで行われた小島秀夫監督インタビューと制作チームのトークセッションを,スタジオツアーの模様とともにお届けしよう。
サムのつなぐ旅は新たな土地へ。久しぶりでも安心なゲームの仕組み
ゲームは,切り立った山々を進むサムの場面から始まる。ポッドから出たルーも大きく成長し,“かつての旅”と同じようにサムに抱かれながら,道なき道をともに進んでいく。物語は前作から11か月後,UCA(アメリカ都市連合)から距離を置き,アメリカとメキシコの境で暮らすサムとルーのもとにフラジャイルが訪れることで再び動き出す。
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この冒頭パートで感じたのは,久しぶりにプレイする人向けに,非常に親切に設計されているということ。フラジャイルの依頼でメキシコへと向かい,カイラル通信をつなぐという流れのなかで,前作の物語や基本的な操作方法,システムの進め方が丁寧に説明されていく。
操作の解説は,ミッション中に発生するさまざまな状況に対処する形で自然に組み込まれており,ストーリーもミッション内容やキャラクター同士の会話を通じて,プレイヤーに思い出させてくれる構成だ。また,ゲームのトップページにはデッドマンの語りによる前作のあらすじ解説も用意されており,内容を覚えている人でも一度は目を通しておく価値がある。
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ゲーム内の時間では11か月しか経っていないが,現実世界では第1作の発売からすでに5年以上が経過している。ディレクターズカット版のリリースなどで今なお多くの人に繰り返しプレイされている作品ではあるが,久々に手に取る人にとっても入りやすい配慮がなされているのはありがたいポイントだ。
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運ぶ楽しさだけじゃない。戦う,潜入するという選択肢が広がったゲームプレイ
ゲームの舞台は前作の北米から,メキシコとそして今回のメインとなるオーストラリアへと移っていくが,基本となるゲームプレイの流れは前作と変わらない。都市やシェルターで「依頼」を受け,指定された物資を別の居住地まで安全かつ迅速に届ける。信頼を得てカイラル通信を接続して分断された世界を再びつなぐことがプレイヤーの役割となる。
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このようにモノを運ぶことは変わらないが,本作は前作以上にコンバットやステルス要素が強化されている。敵拠点の制圧や施設からの物資奪還といった依頼も登場し,戦略的な判断がより求められるようになった。
各地には武装勢力が存在し,地域のシェルターと敵対していたり,無関係な存在を襲ったりしてくる。サム自身もその標的となり得るため,敵地を突っ切るのか,あるいは大きく回り道をするかという選択が生まれる。
戦うか,避けるか。戦うにしても,装備を整えて正面から挑むのか,隠密に進んで敵を一人ずつ無力化していくのか。プレイヤーの選択がそのままプレイスタイルに直結する設計だ。
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戦闘時に気になるのが,やはり「荷物」だが,今作ではバックパックごと荷物をおろして戦闘に臨むことも可能となっている。安全な場所に一時的に置いてから拠点を制圧し,状況が落ち着いたらあらためて荷物を背負い直す――そんなプレイも戦略として成立する。
筆者は普段から忘れものが多いたちで,「忘れて置いて行っちゃわないか不安……」となってあまり活用できなかったが,なんだかそのへんもよりプレイヤーの人間性が出るようで面白い。
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BTも引き続き登場し,見つからないように息をひそめて行動したり,見つかったときにはEXグレネードで対処したりと,前作からの基本は踏襲されている。
「ウォッチャー」といった厄介な新種のBTも加わってさらに気が抜けないが,EX弾を装填できるマシンガンやショットガン(しかも対人では非殺傷!),ビークルの武装など,武器種やこちらの戦う術も増えているので,対人やBTどちらも“どう戦うか”の選択がより充実している。
さらに,人間なのか機械なのか判別がつかない,メカのスーツをまとう「ゴーストメック」といった新たな敵も登場し,戦闘の手応えは確実に増している。バトルの緊張感が増したことで,「腕が鳴る」というプレイヤーも少なくないだろう。
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自然とつながり,行動が力になる。環境の変化と自身の選択に満ちた旅へ
このようにコンバット要素の強化が目立つ本作だが,基本的なゲームの進行や操作感は前作と大きく変わっていない。前作に慣れ親しんだプレイヤーにとってはこれまで通りの手触りでプレイできる作りで,視認性や利便性といった面ではしっかりと進化している印象を受けた。
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とくにありがたいのが,運び屋としてのゲーム性を支える「ルートシミュレーター」の使い勝手の良さ。ミッション受注時やマップでのルート選定において,マップの高低差や地形情報がより詳細に表示され,ルートを引いた際の歩きやすさが色分けされるようになっている。さらに,川や敵の出現エリアといった危険箇所がアイコンで明示されることで,計画性のある移動が可能となっている。
UIもこれらにあわせて自然にアップデートされており,操作に戸惑うような大きな変更はない。開発インタビューでも語られていたように,戦闘要素の強化に伴うインタフェースの調整がしっかりと行われている印象だ。
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筆者がとくに注目したのは,「自然」の表現だ。荒野,砂漠,森林地帯,雪山といった多彩な環境が登場し,それぞれに応じた自然現象がプレイに影響を及ぼす。物語の設定上,カイラル通信が北米ををつなぎ直した影響で地殻変動や自然災害が頻発するようになっており,ゲーム開始直後から地震(ゲートクエイク)や砂嵐を体験することになり,またゲームを進めていくと豪雨による増水や森林火災といった事態に見舞われる。
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火災時には消火装備を用いて炎を消しながら進み,日差しの強い砂漠や吹雪が吹きすさぶ雪山ではスタミナ消費を抑えるためにシェルターや物陰に退避する必要があるなど,状況に応じた対応が求められる。地形が動的に変化し,建築物の破損が起きる点も前作以上にリアルで,それらの描写は,自然災害の多い日本で暮らす身としては胸に迫るものがあった。
ゲートクエイク前に鳴るアラームなんて,まさに……。ただ,災害で被害にあったことがある人は,場面によってはつらいものを感じるかもしれない。
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こうした自然表現には,自然環境そのものについてのメッセージやテーマが感じられるところがあり,作中には野生動物も登場する。さらに“ただの生きもの”ではない,本作ならではの生物も。こういった自然観察や生態系の調査みたいな楽しみもあるのが,(現実でもゲームでも)フィールドワークが好きな筆者の個人的に刺さったポイントだ。
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昼夜のサイクルもあり,夜間は視界が悪く配送には不向きだが,逆に拠点制圧や潜入ミッションでは有利に働く。時間帯はフィールドで時間を過ごすほか,プライベートルームで眠る(または“二度寝”する)ことで切り替えが可能だ。
なにより本作で印象的だったのは,プレイヤーの行動がゲーム体験だけでなく,キャラクターの成長やゲームの構造そのものに反映される点だ。
前作にもあった「歩き続けたルートが道になる」のはもちろん健在だが,本作では配達,潜入,戦闘といった行動によってサムの能力が成長していく。
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また,いわゆるスキルツリーのような強化要素も導入されている。たとえば,戦闘重視のプレイヤーにはエイムの安定性が向上するスキルを,隠密行動を好む人には足音が小さくなるスキルを,慎重に荷物を運ぶスタイルの人にはオドラデクの感知範囲が広がるスキルをセットするといった形で,自分のプレイスタイルをさらに強化していけるのだ。
それはポイントの範囲内で自由に付け替えができるので,これから行く場所や挑むミッションに合わせて組み合わせを変更するのもいいだろう。もちろん「自分自身の腕前がサムのスキルだ!」と,スキルをセットしない選択もまたアリだ。
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プレッパーズたちとの物語,旅の仲間ドールマンと“帰る場所”DHVマゼラン
ストーリーについて詳しくは語れないが,冒頭で登場するフラジャイルのように,前作で“つながった”仲間たちが今作でどう関わってくるのかは大きな注目ポイントだ。
それに加えて,各地に点在するプレッパーズ(Preppers)も見逃せない存在である。
彼らとの交流やサイドエピソードは,前作以上にその土地の状況や地域課題に根ざした内容となっており,それぞれのエリアで「何が起きているのか」「人々が何に悩み,何を求めているのか」といった背景が見えてくるようなストーリーテリングになっている。トレイラーでも「この人は!」という人物がいたかと思うが,メインストーリーの新キャラクターはもちろん,今回もプレッパーズとしてアーティストや著名人が数多くゲスト出演している点もお見逃しなく。
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魅力的な新キャラクターもたくさん登場するが,そのなかで筆者が最も気に入っているキャラクターがドールマンだ。名前のとおりドールに魂を宿したキャラクターであり,サムの腰にぶら下がって一緒に旅をしながら,ときにアドバイスを,ときに雑談を交えつつ物語や世界観をプレイヤーに伝えてくれる。
サムとルー,そしてドールマンの“3人旅”は,前作とはまた違った味わいをもたらしている。ドールマンはサムに寄り添うような優しい語り口で,時折プレイヤー自身にも響くような言葉をかけてくれるのだ。
そして何より「とにかくよくしゃべる!」のも魅力の一つ。プライベートルームではドールマンとの会話が楽しめるのだが,「新しい会話があります」というアイコンが表示されたまま消えないほど,会話のバリエーションが豊富に用意されている。
ちょっとしたメタな話やアドリブ的なセリフも多く,思わずクスッとさせられる場面もある。日本語音声の担当は杉田智和さんで,キャラクターの個性にぴったりとハマっているし,なにより小島監督の作品をプレイしてきた人なら「そうそう,この感じ」という感覚にも浸れるはず。なおフィールドでは偵察をサポートしてくれるのだが,この方法が実に遊び心に満ちていて非常に印象深かった。実際にプレイして確かめてほしい。
そして忘れてはならないのが,“母艦”DHVマゼランの存在だ。トレイラーでも印象的だった巨大な“船”は,カイラル通信が接続されたエリアであればタール潮流を潜航して移動できる,サムにとっての新たな拠点となる。
まるで大海を泳ぐ巨大なクジラのような印象のあるDHVマゼランは,広大なフィールドでも遠くからはっきりと確認できるほどの存在感を放っており,過酷な任務の帰路にその姿が見えると「僕には帰れる所があるんだ」という安心感に包まれる。そんな包容力のようなものすら感じさせてくれる,特別な存在だ。
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マゼランからは映画「未知との遭遇」の交信音を思わせるメロディが流れており,それはときに夕方に響く学校のチャイムのような郷愁も感じさせる(というのは個人的な感想が強いけど……)。その音色も,世界の危機と向き合うサムの旅にほんのひとときの安らぎをもたらしてくれる印象だ。
この“帰れる場所”マゼランと,“語りかけてくれる存在”ドールマンからは,仲間との「つながり」が少しずつ増えていく前作の感覚とは異なる,「今回のサムの旅は,すでに多くのつながりを持った状態から始まるのだな」ということをあらためて気づかせてくれるものになっていた。
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変わらない面白さと,続いていくサムとルーの旅
前作に引き続き,本作のストーリーもまた深く考えさせられるテーマを内包しており,小島監督や制作チームのインタビュー(関連記事)でも語られているように,ルーの存在が大きく物語に関わってくる。
個人的な話になるが,2019年に第1作が発売された当時,筆者はちょうどルーくらいの年齢の子どもを抱いて育てながら,夜な夜なゲームを進めていた。その記憶がある身としては本シリーズの子どもや生命のテーマは今作でも刺さる部分が多く,深くは語れないが「今回も序盤からえぐってくるな……」と感じた。
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導入の入りやすさはあって,あらすじを見れば本作から遊べなくはないが,ストーリーを深く理解して遊ぶにはやはり1作目はプレイしておいたほうがいいだろう。
発売まで1か月以上あるので,続編を機会に本シリーズに興味をもったという人は前作をプレイしてみるといい(PlayStation Plusのゲームカタログにあるから,会員ならすぐ遊べる!)。
と,どうしても難解で重厚なテーマが先行してしまいがちな「DEATH STRANDING」だが,何より“モノを運ぶ”というゲームプレイそのものが非常に楽しく,刺さる人には刺さりまくるというのはあらためて伝えておきたい。本作では,物資やビークル,そしてサム自身を運搬できるモノレールをつなげる要素もあり,このあたりは物流好き(?)にはたまらないものとなるだろう。世界中のプレイヤーとほどよい形でつながるソーシャル・ストランド・システム(SSS)も引き続き健在だ。
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戦闘要素が増えたことでプレイ体験の幅は広がっているが,ゲーム性の根幹は変わっていない。そのため前作の「荷物を運ぶ」というスタイルがあまり響かなかった人には,もしかしたら刺さりにくい部分もあるかもしれない。一方で,戦闘は控えめでいいと思っているファンが本作をどう受け止めるかも気になるところだ。
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ただひとつ言えるのは,前作のゲーム性はしっかりと継承しながらも,遊びやすさ,美しさ,そして“自由な楽しみ方”の部分が大きく進化しているということ。気になる人は本稿や今後の情報を参考にしつつ,2025年6月26日,あらためてサムの新たな冒険に旅立ってみてはいかがだろうか。
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