
プレイレポート
[プレイレポ]モバイル版「Delta Force」は,「デルタフォース・モバイル」じゃない
![]() |
本作の大きな特徴は,2035年の近未来を舞台とする「大規模戦」と「エクストラクション・シューター」,そして銀幕の名作「ブラックホーク・ダウン」を追体験できるキャンペーンが,1つのゲーム内に共存していること。
そのうえで,モバイル版の大きな特徴は,陸海空のビークルを駆使した24対24の対戦を実現していることに代表される,PC版と遜色ない体験をモバイルでプレイできるということにある。また,すでにサービス中のPC版アカウントとのクロスプログレッションにも対応しており,進行状況を共有できるのも,最近のモバイルFPSらしい特徴だ(クロスプレイ機能はない)。
![]() |
![]() |
4Gamerでは,22日からの配信に先立ち,メディアやインフルエンサーを対象としたテストプレイに参加する機会を得た。筆者も実際にプレイしてきたので,その模様をお伝えしよう。
「デルタフォース・モバイル」ではなく「Delta Force」
さて,筆者がプレイしたのは先述したとおり,先行して対象者限定に公開されたテストプレイ版である。現在,正式に配信が開始されたバージョンとは一部が異なる場合があるため,その点をご承知いただきたい。
また,今回のテストで使用した機材は,4Gamer編集部よりレンタルした,ゲーマー向けスマートフォン「REDMAGIC 8S Pro」である。約2年前とはいえ,ハイエンドなゲーマー向けスマートフォンという前提条件はあるが,高い画質設定でも非常に安定して動作していた。
![]() |
この感触であれば,そこまで性能の高くない端末や,ゲーマー向けに特化したスマートフォンでなくとも,画質を落とせば問題なく動作するように思える。このあたりの調整具合は「Call of Duty: Mobile」などの開発を担う,Team Jadeの経験値がなせる業だと感じた。
今回のテストプレイで体験できたのは,ウォーフェア(大規模戦)と,オペレーションズ(エクストラクション・シューター)の2モードだ。というわけで,まずは本作のウリでもあるウォーフェアを見ていこう。さて,ロビー画面だが――。
![]() |
モバイルということで,さすがにUIの最適化は図られているものの,かなりPC版に近い仕上がりだ(PC版をプレイしたことのあるプレイヤーなら分かってくれるはず)。モバイル版として独立したタイトルの「デルタフォース・モバイル」ではなく,あくまでモバイル端末向け「Delta Force」だという意気込みが,この時点で伝わってくる。
ゲーム内の基本設定も充実していて,画質や操作周りなど,かなりの項目をカスタマイズ可能になっている。日頃からモバイルFPSをプレイしている層でも十分満足できるだろう。なお,テスト版の段階では,各種コントローラには対応していなかった。
![]() |
もちろん,銃器のカスタマイズ(ガンスミス)や,ビークルのカスタマイズといった要素もそのままだ。ここで1つTipsだが,モバイルの本作では強力なエイムアシストが存在するため,反動を極力抑えるカスタムよりも,制御できる程度に反動を抑えつつ,取り回しを上げる傾向のカスタムが扱いやすい印象を受けた。
![]() |
![]() |
なお,真っ先に面白いと感じたのがキャラクターのモデルだ。全体的なクオリティはどうしてもPC版には敵わないが,バランス調整が非常に上手いと感心した。簡略化すると違和感が出やすい部分(顔など),出にくい部分というのがしっかりと管理されていて,この手のモバイルシューターにありがちな,パッと見た際の「あ〜モバイルだなぁ」というような違和感が少ない。
![]() |
![]() |
高画質設定でプレイしていたというのもあるだろうが,こうした取り組みには頭が下がるばかりである。ゴツいベテランのしわがある肌感や,“KAWAII”枠のフサフサ睫毛を,リアル調モバイルシューターで感じ取れるようになったことに驚くばかりである。
![]() |
さて,ここからは実際のプレイ風景を紹介するが,やってることはおなじみの「Delta Force」そのままだ。銃撃戦をして,味方を蘇生して,グレネードをポイポイして,アビリティをぶっ放して……という,でっかい戦場で大人数が乱戦する,いつものアレである。今回は24対24で,陸海空のビークルも用いてのお祭り騒ぎだ。
![]() |
![]() |
![]() |
慣れないデバイスで少々不安もあったのだが,操作感もよく,普段あまりモバイルシューターに触れない筆者でも十分楽しめた。これはコアなゲーマーであればあるほど,見過ごしがちな事実だと思うのだが,家にPCやらゲーム機が揃っていれば,わざわざモバイルシューターへ触れる機会は少ない。当たり前の話だ。
ただ,筆者の経験則として,学生やゲームをコミュニケーションツールとして捉えている若いプレイヤーは,意外とモバイルシューターを遊んでいる。そうした「ゲーマーと名乗るほどではないけど,ゲームが日常の一部にある層」に,こうした高品質なゲームが提供されるのは,素直に喜ばしいことだと思う。
![]() |
余談だが,テスト期間中はプレイ人数が限られていたため,各モードにはBOTが導入されていた(筆者のような“肉入り”がいることもあるが)。そのBOTたち,もちろんプレイヤーのような戦力にはならず,テクテクと歩いて基本はいい的。だが,絶妙なタイミングでスモークを炊いてきたり,曲がり角をジャンプピークしてきたりと,時折,やたらと人間クサい動きをしてくることに驚いてしまった。こんなところでも,時代の進歩を感じるのである。
いろいろ取っつきやすいエクストラクション・シューター
続いてプレイしたオペレーションズは,業界のブームとなっている,エクストラクション(脱出系)の流れを汲むモードだ。
![]() |
出撃前に装備のセットをしたり,細々と携行するアイテムを選択したり,帰還してからアイテムをスタッシュに移したりと,画面が小さなモバイルには不向きなゲームモードなのでは? と勝手に考えていたのだが,こうした点にも,しっかりと配慮がなされていた。全体的なUIのサイズ,バランスが絶妙で,かなり操作しやすい。
![]() |
![]() |
戦闘面では,エクストラクション・シューターのコアな部分,部位ダメージなどのリアルさを演出する部分は維持しつつも,シミュレーターというよりはカジュアルさに振ったシステムというのが,先にPC版をプレイした際の筆者の体感だった。が,今になって考えれば,PC版とモバイル版を同一システムで提供すると考えた場合,「これくらいのバランス加減がちょうどいいのだろうな」という結論に至った次第だ。
![]() |
こちらも基本,プレイフィールはPC版そのものという感じだが,なんだか妙にしっくり来る。本作のカジュアルさとリアル感を演出する要素のバランスが,モバイルというプラットフォームと,非常にマッチしている印象だ。
PC版だと「マガジンとか医薬品の使い分けとか,もうちょっと細々としていてもいいんじゃない?」と感じた部分が,モバイルでは感じられない。そこまで複雑だったら,多くのプレイヤーが投げ出してしまうだろう。
第一,モバイルでシミュレーターのような複雑な操作は難しいし,しかも,そのような内容は万人受けするものではない。
4Gamerが過去に実施した,本作のエグゼクティブ・プロデューサー,Leo Yao(レオ・ヤオ)氏へのインタビュー(関連記事)の中で,氏は「こうした脱出系は昨今の市場のトレンドです。しかし,どうしてもプレイへのハードルが高かったりするので,本作ではハードルを下げて,脱出系シューターならではの面白さをより多くのプレイヤーへ体験してもらうこと,そのためにゲームを設計することを目標にしています」と語っていたのだが,今になって改めて納得した。
![]() |
エクストラクションは流行のジャンルだが,プレイへのハードルは,機器やデバイスといった物理的な部分を抜きにしても,比較的高めのジャンルだといえる。加えて,いくらカジュアルさを取り込んだところで,そのゲーム性を多くのプレイヤーに届けなければ意味がない。そう考えると,もはや誰もが持っているモバイルというプラットフォームは,非常に大きな価値がある。
![]() |
PC版のリリース前,「1つのゲームに3つのモードを盛り込むなんて意欲的だなぁ。しかもあとでモバイルやコンシューマでも出すんでしょ?」などと考えていたが,今となっては,そんな浅はかだった自分が恥ずかしい。
プラットフォーム間で共通し,違和感のないUI,レベルデザインを取り込んで,しっかりとそれぞれのモードに意義と目標を持たせる,非常に意欲的かつ戦略的なタイトルであったわけだ。
コアなPCゲーマーがモバイル版をシームレスにプレイできるというのも魅力だが,「スマホのDelta Forceってやつハマっちゃってさぁ,一緒にやろうよ」というようなノリで,同期や同僚といった,仲のいい面子でプレイする光景もあるのだろう。
シューターお兄さんに片足を突っ込んでいる筆者は,そんな光景がもっと増えたらいいなぁ……と秘かに思った。
![]() |
堅実な仕上がりのFPSは,モバイルでも堅実だった
さて,サクッと紹介してきたが,モバイルでも「ちゃんとDelta Forceしてる」というのが筆者の感想である。
いたるところがスモークでモクモクしていて,銃弾がバンバン飛び交って,生身の兵士が無反動砲で撃たれ,衛生兵の手でどんどこ生き返ってくるウォーフェア。なんとしても生還したい,でも装備をちょっと奮発したときに限って帰れないオペレーションズ。そんな戦場が,PCでもモバイルでも変わらなく遊べる。
![]() |
![]() |
課金要素も時短アイテムなどの利便性向上,スキンに代表されるコスメティックアイテムに限られており,勝敗に直接つながるものがないのも嬉しい。気楽に身構えることなくプレイができるので,気になる方はぜひ遊んでみよう。友達と一緒にプレイするともっと楽しいぞ!
![]() |
「Delta Force」公式サイト
「Delta Force」ダウンロードページ
「Delta Force」ダウンロードページ
- 関連タイトル:
Delta Force
- 関連タイトル:
Delta Force
- 関連タイトル:
Delta Force
- 関連タイトル:
Delta Force
- 関連タイトル:
Delta Force
- この記事のURL: