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「GTFO」を手掛けた10 Chambersの新作Co-op型FPS「デン・オブ・ウルヴズ」で,ヤバめの脳神経ダイブ強盗を体験してきた
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彼らいわく,「作らなければならなかったゲーム」と位置づけている作品だが,これは大手スタジオでの開発に飽き飽きした彼らが,純粋に作りたいゲームを作った結果の産物だ。昨今,多くのゲームにみられる手厚いチュートリアルを排除し,とことんハードコアを貫いたスタイルは,コアゲーマーから絶大な支持を受けた。非常に挑戦的な作品ではあったが,結果として,彼らの抱いていた理想は市場のニーズと合致したわけだ。
そんな「GTFO」を送り出した彼らが,「必ず作らねばならない」と位置づけて制作を進めているのが,本稿で紹介する「デン・オブ・ウルブズ」(Den Of Wolves,DOW)である。これは,Andersson氏が長年温め続けてきたアイデアを形にするもので,全体像を簡潔に表現するなら,「近未来を舞台にした強盗アクション」といった感じだろう。「GTFO」とは,Co-opプレイ・ファーストパーソンシューター(FPS)といったゲームシステムこそ共通しているものの,世界観も,そして目指すべきゴールも明確に異なっている。
3月某日,日本国内の媒体を対象とし,そんな「デン・オブ・ウルブズ」の先行体験メディアツアーが実施された。4Gamerもこれに参加する機会を得た。
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会場となったのは,ゲームエンジン「Unity」の日本法人拠点。これは「デン・オブ・ウルブズ」が,Unityで制作されている由縁だという。ゲームプレイだけでなく,開発チームへのインタビューや,新たに明かされた情報など,非常に多くの話を聞くことができたので,ぜひ,最後まで読み進めてほしい。
スタジオと「デン・オブ・ウルブズ」をおさらい
さて,あらためて10 Chambersと,「デン・オブ・ウルブズ」についておさらいしたい……ところだが,本ツアーの冒頭で,スタジオのメンバー直々に,この2つについて紹介が行われた。これで概要は伝わると思うので,まずはそちらの模様をお伝えしたい。
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セッション冒頭に登壇したのは,スタジオの,Robin Björkell氏だ。スタジオが創設されたのは2015年に遡るが,当初は“10 Chambers”(直訳するなら,10の薬室)の名前通り,Andersson氏を中心とした業界のベテラン10名によって構成された,非常に小規模なデベロッパーだった。立ち上げからの本拠地は,スウェーデン・ストックホルムで,今に至るまで変わっていない。
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そんな彼らの転機となったのが,2019年にアーリーアクセスが開始となった「GTFO」である。ハードコアなゲーム体験を核とする同作は,コアゲーマーを中心に大きな話題を呼んだ。その結果,2020年にはTencentから多額の投資を受け,この投資によってチームの規模は100人にまで拡大した。
2021年には「GTFO」正式版(バージョン1.0)をリリースし,その反響はここで語るまでもないが,「我々のDNAはCo-opでできている」と語る通り,スタジオの次なる作品として開発が進むのが,「デン・オブ・ウルブズ」だ。
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物語の背景となるのは,AIテクノロジーの急速な発展がもたらした,負の側面を持つ2030年の近未来だ。AIを駆使したサイバー攻撃により,世界中の金融システムは機能不全に陥る。さらに高度に発達したAIは,あらゆるセキュリティを突破。銀行口座は意味をなさないものとなり,流出した個人情報による犯罪,株式市場の崩壊と,世界は混乱の時代へと突入する。
これに対抗するため,世界の大企業は連合を結成する。この危機的事態の解決策として,地球上に,あらゆる制約や法律の干渉を受けない特区を設けるプランを提示する。企業が特権を得ることになる受け入れがたい提案であったが,すでに崩壊の危機に直面している各国政府は,この提案に対して譲歩せざるを得なかった。太平洋上のミッドウェー岩礁に位置することから「ミッドウェー・シティ」と呼ばれるそれは,外部からの影響を受けない独立したインフラを整備する。文字通りの意味で,地球上のヘイヴンと化したのだ。
そんな倫理や人権の制約から逃れた地で開発されたのが,「人間の脳に基づいた新しいデータ転送,データ保存技術」。皮肉にも,あらゆる法律や倫理を無視した地で,地球上で唯一,AIに突破されない安全なインフラが産声を上げたのだ。新たなセキュリティを使用した証券取引所の設立は市場に信頼を取り戻し,アジアとアメリカの中心に位置する地理的な利点も相まって,ミッドウェー・シティは世界中の貿易中枢として急速に発展する。その一方,表面的な繁栄の裏では,産業スパイ,破壊工作,暗殺といった,陰謀渦巻く日常が形成されていった。
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人間の脳に基づいたインフラは,確かにサイバー的な脅威から資産を守った。だが,人間にしか取り扱うことができないということは,裏を返せば,同時に「人間からの攻撃」を受けてしまうことにもなる。こうして,セキュリティのための人間の脳,神経システムへ「ダイブ」する技術を習得した,バイオハッカーが誕生していく(この“ダイブ”が非常に重要なキーワードなので,覚えておいてほしい)。
それから時は過ぎ,プレイヤーは,企業間抗争,犯罪組織からの依頼を請け負う,犯罪請負人という形で活動をすることになる。競合他社の試作品窃盗,産業スパイ,スキャンダル,重要人物の暗殺,そしてダイブといった,非公式な依頼をこなしていくわけだ。これで分かるとおり,けっして義賊ではなく,完全に悪の一部という形である。本作で描かれるのは,国同士の対立ではなく企業間の対立だが,400以上の架空の企業ライブラリーを制作することで,世界観のリアリティをより深めている。
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現在,開発はフルプロダクション中(開発に総力を挙げている状況)で,先日,Unity 6にアップグレードが施されたばかりだという。また,昨年に開催されたUnityカンファレンスでは,フラッグシップゲームとして技術が公開されたそうだ。
リリース日は未定なものの,初期段階では,プラットフォームはSteam,アーリーアクセス形式での展開を予定している。とはいえ,スタジオの規模的にも,タイトル的な意味でも「失敗は許されない」とのことで,しっかりと完成度を高めたうえで,アーリーアクセスを開始したいと述べた。
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いざ4人で強盗!
さて,ここからは実際に「デン・オブ・ウルブズ」をプレイした模様をお届けしよう。
先に断っておくと,今回,我々がプレイしたのは開発ビルドであり,写真に写っているのも,同ビルドを撮影したもの(また,後日に提供されたメディアなど)である。製品版ではないので,その点は留意してほしい。
なお,プレイ中の画面は諸事情により少なめである。というのも,プレイ中は忙しく手が離せないので,カメラを持てないのだ。筆者に腕が4本なかったことを,何卒ご了承いただきたい。
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さて,本作の大きなプレイ面での特徴は,単に強盗を繰り返していくのでなく,「Prepミッション(準備ミッション)」が存在することだ。これは本番の「ハイスト(強盗)」に向け,建物の設計図を入手や,警備の貧弱性調査,パターン分析,情報提供者との接触など,実行に向けた下準備のアプローチをプレイヤーに委ねるものである。目標の達成方法は自由で,片っ端から敵をせん滅するか,戦闘を回避するかといった,現地での行動も自由だ。そうした目的に合わせた準備を,プレイヤー4人で進めていく。
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とはいっても,「プレイフィールを味わってみないと,下準備もよく分からないよね」ということで,まずは準備を経たという建前で,いきなり強盗に挑戦してみた。一緒にプレイをしてくれたのは,開発メンバー,Viktor氏,Svante氏の2名,他メディア1名。そこに筆者をくわえ,4名である。
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武器となるのは,プライマリ(ライフル・SMG・ハンドガン),セカンダリ(LMG・DMR・SG),近接武器×1,ガジェット1種とシンプルだ。それぞれ,調達に必要な予算が異なっていた。開発ビルドということで好きな武器をチョイスできたが,実際のプレイでは,手持ちの予算の中でやりくりすることになるのだろう。
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そのミッションでは,いわゆる典型的な強盗が繰り広げられた。設置式のドリル「スパイダードローン」を用いて金庫を破り,ターゲットのオブジェクトを回収していく。時には金庫がなかなか開かず,防戦しながら「はよ開けい!」などとヒヤヒヤすることも。
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また,こうした金庫破りなどの大胆なアクションを取らない限り,敵に直接発見されなければ,ステルス状態が維持されるのも特徴。背後から忍び寄ってステルスキル,ということもできた。武器の反動は強めで,弾薬の節約の意味も込めて,タップ撃ちや疑似セミオートでの発砲が扱いやすい。
ここで判明したのは,被弾=即死亡というレベルでこそないものの,プレイヤーたちは非常に打たれ弱いということである。敵NPCは人海戦術で押し寄せてくるし,反応速度も射撃精度も高い。
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それを知らない筆者が,余裕をかまして「Bro, I have a shotgun, got it? too easy too easy(俺はショットガンを持ってるんだぜ,こんなマヌケども楽勝よ)」と,超至近距離で敵3人の前に飛び出した結果,本当に一瞬でダウンさせられたほどである。この世界の理を知り,筆者は泣きながら「メディーック!アイムダウン!オメガロル」と叫んだ。開発メンバーの2人は爆笑しながら蘇生に来てくれた。
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そうして,なんとか無事に強盗を成功させた我々に,今度は「マジ強盗」が待ち受けていた。どうやら非常に難度が高いミッションらしく,ギャング集団との取引を行う内容らしい。
先述した「Prep」を行っていくのだが,開発ビルドということで,アプローチ方法だけは決められていた。そのうえで,今回は特別にマップが実際に用意されていたので,これを用いて現地での段取りを立てていくことになった。気分はもう,リアル近未来サイバーパンク強盗集団である。
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全体的な表向きの流れは,ギャングの拠点に赴いての「ブツの引き渡し」となる。だが,実はブツは本来のブツではなく,ブツが納められたケースを模した,非道な殺戮ロボットというオチ。引き渡し後,暴れ狂うロボットで混乱に陥った拠点内に突入し,秘匿されたターゲット「ボウマン」の脳にダイブ,情報を獲得するという内容であった。
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行動傾向,すなわち「殲滅する? それとも戦闘は最小限にする?」とViktor氏が尋ねてきたので,先ほど痛いほど身にしみた筆者は「そらもう最小限だ,死ぬ。俺はニールじゃない」と進言した。いきなり殺戮ロボットを暴れまわらせる以上,完全ステルスは無理である。可能な限り交戦は避けようという話でまとまった。
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これは余談だが,世界観として「ブレードランナー」「攻殻機動隊」といった作品をインスパイアしているが,「俺はニールじゃない」が通じたように(強盗と警察の戦いを描いた,銀幕の名作「HEAT」ネタである),多様な作品からインスピレーションを受けていることは間違いないだろう。実際,「HEAT」にも大きなインスピレーションを受けているそうだ。
本ミッションにおける真の目標は,ボウマンの脳へのダイブである。だが,そもそものターゲットは厳重なロックが施された大金庫に隔離されており,まずはロックを解除するための,3つのキーを探さなくてはいけない。キーを探すために,例によって金庫を破るわけである。しかもキーの所在は不明なので,しらみつぶしに片っ端から。これは持久戦になる予感だ。
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そうしてミッションが始まると,シャッター越しにロボを投入。それはもう凄まじい悲鳴が聞こえてきて,明らかに混乱しているのが分かる。開発メンバーの先導もあり,割とスムーズに金庫を開けまくってキーを入手し,ターゲットが眠る巨大金庫のアンロックができた。防弾ガラスを爆破して脱出ルートも確保,あとはターゲットへのダイブだけ……となったのだが,ここからが本番だったのだ。
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猛攻を掻い潜ってボウマンに辿りつき,なんとかダイブを行うと,パルクールのようなミニゲームが始まる。銃を撃たないなら簡単でしょと思われるかもしれないが,FPS視点,慣れないプレイ環境,迫るタイムリミット(1〜2ミスまでの猶予しかない),天地左右が逆転するギミックなど,これが意外と難しい。これをクリアすることでダイブ成功となり,情報を獲得したことになるのだが,誰かがゴールにたどり着けないこともあり(4人全員がクリアする必要がある),かなり苦戦を強いられた。
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連続してのダイブはできず,一定時間後に再度挑戦可能となるため,それまでは,ひたすら襲い来る敵を殲滅し続けなくてはいけない。敵も最初はギャングの構成員だったのが,騒ぎを聞きつけた重武装の第3勢力(おそらく企業の治安維持部隊のようなもの)が突入してきたりと,難度はどんどん上がっていく。最終的には3人がダウン,唯一の生き残りであった筆者も弾薬が尽き,チームは全滅してしまった。
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「あ〜終わっちまった〜」などと嘆く暇もなく,「今の失敗を踏まえ,もう1度行こう」というチャンスが到来した。Viktorさんありがとう。ここで,冒頭から延々とギャグを飛ばすお笑い要員と化していた筆者の代わりに,他媒体のメンバーが天才的なアイデアを思いついた。
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それは,「ダイブに失敗してウェーブを突破する前提で,守りやすい場所で戦おう」というもの。前回は脱出ポイントのすぐ近くで戦闘を行ったのだが,反面,四方八方から敵の十字砲火を浴びるため,じわじわとラインを押し上げられた印象だった。
そこで彼が思いついたのが,「キーを獲得するためにぶち破った金庫部屋に籠城する」というアイデアである。確かにこれならば,敵が入ってくるルートを1箇所に絞ることができ,十字砲火を浴びることもない。しかも,金庫の中には弾薬や回復アイテムが配置されていることもあり,籠る金庫次第では継戦も楽になる。
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「彼,マジで天才だね! 明日から銀行強盗やれってすすめてみるよ!」と,ジーニアスに2回目の強盗を開始。実際,彼の作戦は本当に天才的であり,あれほど辛かったウェーブ戦が,異様なほど楽である。ご丁寧に真正面から突っ込んでくる敵を撃つ「金庫の七面鳥撃ち」スタイルに,Viktor氏も「これは修正案件だね(笑)」と笑うのだが,銀行強盗の女神は,最後に微笑まなかった。
ダイブを行える回数には限りがあるのだが,どれも筆者は問題なくこなしていて,誰かが成功できなかった際には「よし!次行こ!」などと声を掛けていた。実際,修正レベルの戦略によって戦闘は非常に楽であったので,回数を重ねれば,問題なく成功できると思っていたのである。
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が,運命のラストダイブ。筆者以外のメンバーは楽々とクリアしていたのだが,筆者のマウスに異常が発生していた。数分前から「あれ,なんかエイムがおかしいな」と思っていたのだが,やはり視点移動が安定しないのだ。
結果,「金庫の七面鳥撃ち」ではどうにかなっていたものの,精密な視点操作が要求されるパルクールでは,ものの見事に撃沈。とんでもない方向へジャンプして落下,狭い足場で落下,じわじわ進むも時間切れ……という結果を迎えてしまい,メンバーの苦労を台無しに。情報を得ることなく脱出……となった。
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結局,最後の最後までギャグ要員であったものの,プレイ自体は非常に楽しいものであった。常に緊張感が張り詰める中,派手な強盗アクションを繰り広げ,ダイブというミニゲーム的な要素も,味の変化という点で綺麗に作用している。総じて流れるようにノンストップで,適度な波がありつつ,ハイスピードなテンポが続く。
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UIの文字が全体的に小さく読みづらいなど,いくつか気になったところもあったのだが,開発ビルドということも大いに影響しているだろう(この後,直接フィードバックを伝えたりもした)。配信時期は未定だが,気の知れた4人で集まってプレイするのを,今から本当に楽しみに感じさせてくれる体験だったことは間違いない。
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「GTFO」のプレイヤーはもちろん,そうでない人もぜひ,より多くの方に遊んでいただけたら嬉しい
最後に,10 Chambers共同設立者の1人であり,「PAYDAY」「PAYDAY2」のBGMを担当したキャリアを持つ,Music&Audio Director,Simon Viklund氏への合同インタビューを掲載し,本稿の締めとさせていただこう。
ちなみに,氏が作曲し,本作の予告トレーラーで使用したEDMトラックへコメントが殺到したため,現在,主要なストリーミング・プラットフォームで好評配信中である。気になる方は聞いてみてほしい。
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――本日はよろしくお願いします。プレイさせていただいた感触からすると,「GTFO」よりは難度が低めで,ややカジュアルになっている印象を受けました。どのような意図をもって,開発に取り組んでいますか。
Simon Viklund氏(以下,Viklund氏):
まず,「デン・オブ・ウルブズ」は,FPSをプレイしたことがないというプレイヤーに向けた作品ではありません。こうしたゲームの経験者向けであり,誰もが楽しめるカジュアルな作品でないのです。
そのうえで,さらにハードコアな体験を求める場合は,多くのリワードを獲得できるゲームプレイに挑戦できます。単純に出現する敵が強化されるだけでなく,システム全体のセキュリティがハイレベルになるなど,プレイヤーのロールプレイ体験と比例する形で,難度が変化するのです。
――先ほどのハイスト(強盗)では,冒頭からロボットを送り込んでのバトルでしたが,仮に同じミッションをする場合でも,事前のPrepミッション次第ではバトルにならないということもあるのでしょうか。
Viklund氏:
はい。その通りです。皆さんに体験していただいたのは,Prepミッションでロボットを入手していたという部分からスタートしています。密告者とコンタクトを取ったり,拷問から情報を得たりすれば,今回とは違ったアプローチを取ることになりますね。密かに潜入したり,いきなり銃撃戦が始まるかもしれません。
情報を入手するのはプレイヤーだけではありません。プレイヤーの怪しい動きを,逆に敵側が察知する可能性もあります。ハイスト開始早々に襲撃を受ける……ということもありえますよ。
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――ボウマンの脳内にダイブした際,今回はパルクールがコンテンツとなっていましたが,他のバリエーションはあるのでしょうか。
Viklund氏:
ひとつ例を挙げるなら,迷路内を追手から逃げるというものがあります。ダイブのコンテンツとして目指しているのは,まず,エキサイティングであること。そして,ハイスピードで進むハイストとのアップダウン,テンポの対比をプレイヤーに体験してもらうことです。ダイブがチーム内の誰かが選ばれて行うものではなく,全員であるのもそのためです。
開発目線から述べると,コンテンツのボリュームが小さいので,多様なバリエーションを製作できるという利点もあります。クリエイティブな制作活動ができるという点でも,非常に気に入っています。
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――ゲーム内には,ライフル・ショットガンといった,すでに我々の世界にあるものと,スパイダー・ドローン(金庫を開けるドリル)といった,まだ我々の世界にはないものが登場しますね。
こうした「まだないもの」のサウンドをどのように制作し,「すでにあるもの」とのサウンドのバランスを取るにあたって,どのような工夫をしましたか。
Viklund氏:
これは我々も注意を払っていて,仮にすべての武器が架空のものとなってしまうと,世界に対する感覚の馴染みがなくなってしまいます。ですが,ひとまず,LMGを例に挙げると,どのようなサウンドがするか,使い方をするかという知識を,我々はすでに持っていますよね。こうした既知の感覚は,興奮,恐怖といった要素に直結しやすいのです。
その中で,将来的なガジェットを取り入れることで,ゲームに幅をもたらすことができます。これらの音のバランスに明確な基準はありませんが,とにかくフィーリングですね。心とガッツで調整を続けている……そんな感じです(笑)。
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――コスメティックアイテムについて教えてください。
Viklund氏:
マスクが中心のアイテムとなります。なお,マスクを採用しているのは……。リップシンクやフェイスモーションの制作を省くことができるというポイントもあります(笑)。
――武器のカスタマイズ(ガンスミス)は可能になるのでしょうか。
Viklund氏:
アーリーアクセスの時点では不明ですが,将来的には実装の予定です。ハイストをクリアすると武器パーツがドロップし,それを用いてカスタマイズしていく形式となるでしょう。
――では,サウンド・サプレッサーなどを使うと,ステルスムーブが有利になるといった要素もあるのでしょうか。
Viklund氏:
そうした効果を持つ特殊なアイテムが,ミッション上で必要になる場合,すべてのプレイヤーに自動的に装着されるシステムになっています。
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――「PAYDAY2」では,操作キャラクターに固有の名前がついているなど,異なるバックグラウンドストーリーがありました。本作のプレイアブルキャラクターには,そうした要素はあるのでしょうか。
Viklund氏:
そうした設定は,プレイヤーキャラクターにはありません。もちろん,ストーリー中の重要な登場人物にはあります。
プレイヤーのキャラクターは,あなたのアバターとなる存在です。キャラクターが辿る道のりはプレイヤーの手で生まれ,犯罪者としての物語も生み出されていくのです。
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――では,最後に読者へ向けて,メッセージをお願いします。
Viklund氏:
日本の皆さん,まずは「GTFO」をプレイしてくれてありがとう。我々が想定していた以上にプレイヤー数が成長し,多くの方に作品を愛してもらったことに驚いています。今も,非常に注目している地域のひとつです。
今回の「デン・オブ・ウルブズ」では,新たなゲーム性を導入し,多様なチャレンジを用意しました。「GTFO」のプレイヤーはもちろん,そうでない多くの方にも,ぜひ遊んでいただけたら嬉しく思います。
――ありがとうございました。
「デン・オブ・ウルブズ」公式サイト
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デン・オブ・ウルブズ
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GTFO
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