
企画記事
Balatroに続くか!? 時間が無限に溶けちゃう,Balatro系の「シンプルルールなデッキ構築ローグライク」特集
ダンジョン探索型RPG「Rogue(ローグ)」を始祖とし,スキスキ! なファンが生まれすぎて誕生したジャンル“ローグライク”は,現代においてどんなゲームともマッチする最高の調味料となった。
昨今のSteamでは,右を見ればローグライク,左を見れば別のローグライク,というくらいに多様化しながら急速な進化を遂げている。もはや,ローグライクを避けてゲームを選ぶのは難しいほどに浸透した。
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そんなローグライクで近年,一大ブームを巻き起こしたゲームがある。それが,カナダ生まれの「Balatro(バラトロ)」だ。
2024年2月にリリースされた本作は,ポーカー×ローグライクという組み合わせで,シンプルかつ奥深いゲーム性を生み出し,多数のデキロージャンキー(デッキ構築型ローグライクの中毒者)を生み出した。
そして本作は,その年の優れたゲームが表彰される年末恒例イベント「The Game Awards 2024」で3冠を達成。さらに,ゲーム開発者や業界関係者の投票により受賞作が決まる「Game Developers Choice Awards 2024(GDCアワード)」では,GOTY(年間大賞)を受賞した。
Balatroはまさに,2024年を代表する1本だと言えよう。
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2025年の今もなお,ノリにノッてるBalatroだが,近ごろは“Balatroにインスパイアされた新作”も続々と登場している。
誰でも分かりやすい,シンプルで普遍的なゲーム or ルールのカジュアル性と,デッキ構築型ローグライクの組み合わせが生むマリアージュの発覚に伴い,Balatro系とでもいうジャンルが模索されたわけだ。
ということで今回は,「カジュアル×ローグライク」の組み合わせにフォーカスした,カジュデキロー特集をお届けするぞ!
目の前には,予定なき大型連休。
時間を溶かす準備はできてるか?
最低,100時間は覚悟しとくんだぞ――。
「Balatro」
配信:Playstack
発売:2024年2月20日
機種:PC / PS5 / Xbox Series X|S / Switch / PS4 / Xbox One
価格:1700円(税込・Steam版)
まずは顔役の「Balatro」から。本作はポーカーとローグライクを融合させ,カード同士のシナジーでひたすらに“クソデカスコア”を出すことに特化したデッキ構築ゲームである。
イカサマ上等な世界で,ギャンブラーの頂点を目指すのだ。
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ルールは,一般的なポーカー(クローズド・ポーカー)とほぼ同じだ。プレイヤーは,配られた8枚のカードを入れ替える「ディスカード」を駆使して手札を整え,そのうち1〜5枚を選択してプレイする。
ポーカーハンド(手役。ツーペアやフルハウスなど)は,いくつか隠し要素があるものの,一般的な役でそろえられている。
ポーカーハンドが高難度なほどスコアが得られ,ステージごとに設定された目標スコアを上回っていればクリアとなり,次に進める。
と,ここまでは普通のポーカーなわけだが,そこにBalatro流のブッ飛んだ味付けがブチ込まれる。それはもちろん,イカサマだ。プレイヤーはデッキにトランプカードを加えたり,逆に削除したりできる。
方針としては,特定の役を狙いやすくするための構築をはじめ,ポーカーハンドのスコア倍率を上げる「プラネットカード」でワンペア一点特化などを目指す,スコア倍率上昇 or $(ドル)の獲得量を「ジョーカーカード」で増やして優位性を確保するなど,とにかくイカサマする。
ステージごとの目標は,進めば進むほど指数関数的に跳ね上がっていく。なので,こちらも手段を尽くして食らいついていく。目標の壁とこちらのイカサマ,どちらが先に折れるかの泥試合である。
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醍醐味はなんといっても,かけ算によるブッ飛んだスコアを出すことだ。最初は,ツーペアで「20×2=40スコア」なんて小さな数字でどうにかクリアしていたのに,イカサマによる強化を重ねに重ねることで,最終的に「1000×10000=10000000スコア」といった打点をたたき出し,ツーペアどころかワンパンでステージを破壊できるようになる。
この楽しくないわけがないフィーバーに,人はアドレナリンが全開になる。本作がおもしろい理由は“この瞬間の爆発力”だけ挙げれば十分であり,これだけでめちゃくちゃハマれる。だからこうなった。
もちろん,魅力はそれだけではない。無敵かと思えたデッキが,プレイングや運に左右されて突然敗北するスリリングさ。考えても打開策がなかったり,思考停止でも超気持ちいいデッキができちゃったりもする。$をためてステージをクリアすると利子が増加する。けれど貯蓄はステージクリアを難しくする。リスク・リターンをどうするべきか。
ローグライクとしての絶妙なバランス設計はもとより,雰囲気のいいピクセルアートやレトロな音楽,心地よい効果音もバリューは高い。
とにかく,ゲーム自体が抜群におもしろすぎるため,空いた時間にちょっとやろうとしたものなら,時間をすべて奪われてしまう。
そうした中毒性が,このゲームを天下に導いたのだ。
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「幸運の大家様」
配信:TrampolineTales
発売:2023年1月7日
機種:PC / PS5 / Xbox Series X|S / Switch / PS4 / Xbox One / iOS / Android
価格:1200円(税込・Steam版)
「幸運の大家様」は,スロットマシンとローグライクの組み合わせだ。そもそもBalatroの開発者,LocalThunk氏は,本作をインスパイアした作品の1つとして挙げており,言うなればBalatroに振りかけられた塩味がこれである。バラトロ(塩)って書くと,なんだかおいしそう。
賃貸住まいの貧乏なプレイヤーは,目先の家賃を支払うためにスロットを回して稼ぐ。しかし,最初は簡単に稼げていた家賃は,どんどん値上げされていく。家賃を払えなくなれば,慈悲なく追い出される。
騙されてる,あるいは弱みを握られてる。その2択としか思えない法外な家賃を支払うために,あなたは命を賭してスロットを回す。
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本作のデッキは,スロット内の「シンボル(絵柄)」だ。スロットは回すごとに最大20個のシンボルを表示し,それに応じたコインが収入として手に入る。シンボルの種類はネコ,ハチ,花,宝石,盗賊など種類が豊富で,それぞれがコインを生み出すほか,特殊効果も備えている。
例えばネコは,ミルクが隣にあるとそれを破壊し,コインを生み出す。ハチは,隣の「花」のコイン生産量を増やす効果がある。こうしたシンボルの組み合わせによるシナジーが,本作最大の醍醐味と言えよう。
またシンボルとは別に,特定のタイミングで「アイテム」が手に入る。アイテムは恒常的に効果を発揮するため,シンボル以上に貴重で価値が高い。いずれもビルドやプレイスタイルに影響を与えるものばかりで,こちらもシンボルとのシナジーが大事になってくる。
ひと言で言って,本作はとにかくシナジーを重視した作品だ。ゲーマーはみんな,シナジーって言葉,好きでしょ?
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目標は家賃の支払いだが,ゲーム的にはステージクリア型の構造と考えていい。家賃の支払い後も余剰分のコインは残るので,後半のシナジーのためにシンボルを集めまくる戦略のみならず,序盤に盤面を早く完成させて安定的に稼ぐスタイルもムダにならないのが奥深い。インディーゲームらしさあふれる,かわいいドット絵も親しみを持てる。
スロットということもあり,プレイ自体は運要素がかなり強めだが,ゲームスピードが早く,サクサクと楽しめる。そして毎回異なる形に育っていくスロットは,家賃を支払うごとになんとも言えない愛着を湧かせてくる。愛着のあるスロットで,シンボルとアイテムのすべてがかみ合ったとき,ジャラジャラとコインが排出される様子は格別の気持ちよさだ。これはこのゲームでしか味わえない,唯一無二の感覚だと思う。
家賃の支払いに追われる人生をすごしたい人も,スロットでひたすらコインを生み出したい人も,1回はぜひ回してみてほしい。
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「Dungeons & Degenerate Gamblers」
配信:Yogscast Games
発売:2024年8月9日
機種:PC
価格:1700円(税込・Steam版)
「Dungeons & Degenerate Gamblers」は,ブラックジャックとローグライクを組み合わせた作品だ。
プレイヤーは退廃的な世界で,個性的な町民たちに挑みながら,謎を解き明かすべく酒場の奥へ奥へと進んでいく。
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ブラックジャックがテーマということで,平和なゲームを想像するかもしれないが,ベースのゲームシステムはど真ん中の“暴力”。とにかく殴り合いだ。目標スコアがある先の2作品とは違い,明確に相手が存在し,相手の体力を0にして打ち倒すことでのみ,次に進める。
ルール説明は不要かもしれないが,ブラックジャックは「複数枚のトランプで,合計21の数字にできる限り近づけること」が目標のゲームだ。相手と手番を交互に入れ替えるターン制で,自ターンのたびにカードを引く「ヒット」か,手札を確定させる「スタンド」を選ぶ。
お互いがスタンドすれば,バトルフェイズ(あえてこう表現する)に突入。公開した手札が21点以下であれば,その値が攻撃力となり,相手の攻撃力を上回ったぶんだけ,相手にダメージを与えられる。
しかし,22点以上(バースト)になってしまうと攻撃力は0となり,致命的なダメージを負ってしまう。大胆に攻めるか,慎重に守るか。ブラックジャックならではのシンプルな駆け引きに白熱できる。
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ここはアンダーグラウンドな酒場のため,当然だが“イカサマし放題”だ。初期デッキは1つのスート(スペード,ハートなどの模様)のトランプ計13枚で構築されているが,カードを増やしたり減らしたりして,ブラックジャックを成立させる確率を高められる。
そして初期デッキ以外の追加カードは,そのほとんどが特殊効果を備えている。それがブラックジャックの単調さに刺激を与えている。
カードの種類は,ヒットの代わりに手札から場に出せる「ハンディカード」,特殊な効果をもたらす「タロットカード」などだ。普通のトランプカードも多種多様な効果があり,ブラックジャックのルールをぶっ壊す“絶対に21を出すカード”のほか,相手のカードを操作し,無理やりバーストさせるカードなどもある。ハチャメチャである。
ブラックジャックを出してスタンドしても,カードを操作されて敗北することすらある。これをやられるとすごく気分が悪い。だが,それに対抗するために小さな数字のカードを多用するデッキにして,スタンドを遅らせる慎重スタイルを取るなど,対応策もさまざまだ。
一方,多少のカード操作は諦めてパワーでゴリ押す脳筋スタイルも,カード操作で大ダメージを狙うテクニカルスタイルも可能である。ここは人それぞれの個性が出るところで,遊びの幅はとても広い。
本作は同ジャンルのインディーゲームとしては珍しく,物語の筋書きがある。それを彩るハイクオリティなピクセルアートも,酸味になっていてすばらしい。バトルだけでなく,イベントマスの種類も多彩なため,遊ぶたびにまったく違うゲーム体験ができるのも特徴だ。
自分だけのスタイルとデッキでブラックジャックを狙い,連休中は酒場の酔っぱらいどもを暴力とイカサマで黙らせよう。
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「Dice Player One」
配信:KDream
発売:2024年9月12日
機種:PC
価格:1700円(税込・Steam版)
「Balatroのトランプを,ダイスに置き換えたなら……」そんな“もしも”のゲームが,ダイスポーカーの「Dice Player One」だ。
プレイヤーの目的は,レベルごとの目標スコアをクリアしていき,ひたすら先に進むこと。目標のハードルはどんどん上がっていくので,こちらも運を味方につけて,高スコアの役を成立させていく。
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プレイヤーが挑むレベル(ステージ)は,全10ラウンドで構成される。ラウンド開始後は,ダイスボックスから5つのダイスを取り出し,ダイスロールを行う。そのあと数字を固定したいダイスを選び,それ以外のダイスは2回まで振り直しできる。そうして強力な役の成立を狙う。これだけだ。端的に,さいの目を保存しつつ3回振れるチンチロ×10戦である。
ラウンドごとに2回も振り直しができ,またアイテムによりダイス数も増えていくため,狙った役を作るのはそこまで難しくない。
とまあ,1ラウンド×振り直し2回で,計10ラウンドもあるなら簡単にクリアできそう,なんて思うだろうが。ここで特殊ルールが効いてくる。それがレベル中,画面左側に表示される「スコアボード」だ。
スコアボードには12種類の役と,「現在のダイス状況で獲得できるスコア」が表示される。プレイヤーはラウンドごとに,役のなかから1つを選んで記録することで,はじめてスコアが計上される(役が成立しなかったときも記録はできる。スコアが低い,ブタやカスの類い)。
スコアボードで重要なのは,レベルごとに“同じ役は1度しか記録できない”ことだ。つまり,同じ役ばかり狙う脳筋プレイングが許されず,常に埋まっていない役を狙っていく柔軟性が求められる。
この点が難しくも,おもしろさに寄与しているデザインである。
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本作にも当然あるイカサマは,特殊効果を持つダイスたちだ。特殊ダイスは,ダイスを引いたときに効果を発揮するものと,ダイスボックスに入れているだけで常時効果を発揮するものの2種類がある。効果の内容も多彩なため,先に紹介したゲームと同様,ビルド幅はかなり広い。
さらに,高スコアを出すための術は特殊ダイスのほかにも,役の倍率を上げる「音域強化」,役の記録回数を増やせる「リズム強化」,ダイスを加工する「共鳴」と「工房」などがある。こうした音に着目した強化要素を組み合わせて,極上のハーモニーを生み出すわけである。
個人的な感想としては,ゲーム自体のおもしろさはもちろん,レベルクリア時の演出が実に痛快で,オシャレなところにグッときた。プレイヤーが気持ちよくなれる演出は,遊んでいて楽しいゲームの必須条件である。「Dice Player One」は,それをよく分かっている作品だ。
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「ダンジョンクロウラー 幸運ウサギと魔法の爪」
配信:Stray Fawn Publishing / Playworks
発売:2024年11月22日
機種:PC / iOS / Android
価格:1100円(税込・Steam版)
ギャンブルに溺れて一文無し!
腕を切り落とされたウサギの復讐劇,始まるよー!
というメチャクチャな導入が,「ダンジョンクロウラー 幸運ウサギと魔法の爪」である。かつて騎士だったウサギ,バナロット卿は全財産を賭けた勝負に敗北し,腕をクレーンゲームのアームに変えられてしまった。彼はダンジョンの主に奪われた腕を取り戻すべく,再起して,ダンジョンの深部を目指すことに。半分くらい自業自得だね。
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システムとしては,デッキ構築ローグライクにクレーンゲームを取り入れている。バトルは,自分がクレーンゲームを2回やったあと,敵が行動するというターン制だ。クレーンゲームでつかみ取った景品に応じて,攻撃や防御,バフなどの効果が得られ,戦闘結果に反映される。
バトル中,敵の行動は常に確認できるため,攻防がかみ合うような景品を獲得する必要がある。敵が防御や特殊行動を予定しているなら,1ターンしか効果がない防御アイテムは拾わずに,攻撃やバフを狙う。反対に敵が攻撃を予定しているなら,いったん防御を固めて耐える。これが本作のバトルにおける基本的な考え方だ。
要するにデキローの雄「Slay the Spire」のような,公開されている敵の行動に対して,こちらが対処していく構造である。
ただし,クレーンゲームというだけあって一筋縄ではいかない。アームは非常に強く,現実のソレとは勝手が違うものの,“ままならなさ”はそのまま。例えば,攻撃アイテムを取ろうとしたのに,隣の盾が大きすぎてアームが引っかかる。キーアイテムが景品の山の下に潜ってしまう。欲しいものが端っこに配置されていて実質的に封印状態,などなど。
プレイしてみると分かるが,本当に思い通りにはいかない。そんなハプニングを込みで楽しめてしまう,エンタメ性の高さがある。
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ダンジョンを勝ち進むには,デッキ構築のシナジーが重要になる。本作におけるデッキは「クレーンゲームマシンの中身」だ。
景品はバトル後に毎回追加できるが,大事になってくるのは各アイテムの「材質」だ。景品にはそれぞれ,金属やプラスチック,布などの材質が設定されており,金属は磁石にくっつく,プラスチックはリサイクル用ゴミ箱に吸い込まれるなど,材質ごとの特性が大きく異なる。
攻略中は,こうした材質を変化させる「錬金術師」のイベントマスを活用したり,アイテムとは別に恒常的な効果を発揮する「アビリティ」も組み合わせたりして,最強のクレーンマシンに仕上げていく。
また,本作にはバナロット卿以外にも多くのキャラクターが存在し,それぞれ性能も異なるので,リプレイ性の高さは信じてもらっていい。
ちなみに本作は,本特集においては“StSチックでちょっと複雑め”である。だが,私がこのゲームが大好きなので勝手にねじ込むことにした。分かりやすくエンタメ性が高く,またプレイヤーに思いがけない展開が起きやすいことから,実況配信でも盛り上がること間違いなしだ。
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「青天井:無限役」
配信:XO Cat
発売:2025年1月20日(アーリーアクセス中)
機種:PC
価格:1200円(税込・Steam版)
ポーカーと麻雀って,似てるよね?
ということで最後に紹介するのは,麻雀とデッキ構築ローグライクを組み合わせ,Balatro風に味付けした「青天井:無限役」だ。本作もまたステージクリア型で,目標スコアを目指して,麻雀に挑む。
本作については正直,麻雀の牌や役などの基本的な知識がないと,遊ぶのは難しい。とはいえ,麻雀を知っていれば難しいことがない。これもまたカジュデキローならではの,多くの人が知る既存のゲームやルールなどに着目した挑戦だろう。メンタンピンドラくらいの強手だ。
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本作には3つの出牌モード(クラシック,七対子,国士無双)があり,一般的な麻雀ととくに違うのは「クラシック」モードだ。
基本的な麻雀は,手牌で役をそろえればアガリ(役の完成)となるが,同モードでは「1面子+雀頭」をツモることを,計4回繰り返して初めてアガリとなる。雀頭は,ラスト1回以外は役に反映されない。
ゲームデザインはかなりBalatroライクだ。「役の強化」「デッキの追加・削除」「恒常的な強化アイテム(遺物)」「牌(カード)の加工・強化」など,基本システムはほぼ共通していると見ていい。
それでいてBalatroと大きく違うのが,役の種類である。Balatroはポーカーゆえに役が10種類ほどしかないが,本作は役が100種類以上も存在する。おもには,次の段落で説明する仕組みのせいだが,それにしたって異常な数だ。普遍的なアリアリしか知らない者の想像を超えてくる。
本作の楽しみは,一般的にレアな役を成立させて高得点を稼ぐ,だけではない。当たり前のようにデッキを改造し,現実では有り得ない手牌で,「もしかして,こんな役も作れるかも」を模索できる点にある。
改造後のデッキなら平然と「1萬が6個集まった」みたいなことが起き,しかもそれに対応している役も存在する。そのため「1筒の刻子を4つそろえられたら……」「一通を4つの順子で表現するなら……」などなど。ローカル役どころではない,本作ならではの役を追求できてしまう。
この,世界中で知られる定番ゲームの基礎ルールに,本作ならではの手探り感を加えた点は,ほかにない独自の魅力と言えるだろう。
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牌を一時的に操作できるアイテムも,高難度の役の実現に貢献する。牌の数字を1つ上げる,2つの牌の数字を入れ替える,順子を刻子に変えるなど,効果はさまざまだ。それこそBalatroのアレである。
アイテムは6つまで所持できるが,消耗品と非消耗品の分類がある。消耗品はスタックして大量に持てる反面,使えば減っていく。非消耗品は使用後も次のステージで復活するが,使用機会が少ない。自身のビルドに合ったアイテムを,バランスよく採用する必要が出てくる。
本作は総じて,「良きBalatroフォロワーだが,まったく違うゲーム体験を狙っている作品」である。クソデカ得点の快感はそのままに,まだ見ぬ役を目指して冒険する楽しさがプラスされている。
現在はアーリーアクセス中なものの,現時点でも完成度は高い。今後もアップデートで変化が期待ができる,監視対象のタイトルだ。
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シンプル×ローグライクは気持ちい!
Balatroが提示した,シンプルルールとローグライクの組み合わせは,界隈の流れをみるに,今後も注目を集めていくことだろう。
おかげで,柔軟なビルドが試される戦略性に,何度でも楽しめるリプレイ性に,上振れによるクソデカスコアの快感にと……ローグライクでしか得られない栄養素を,これからも大量に摂取させてもらえる。
こんなにありがたいこと,ほかにあるだろうか? いやない。みんな,こっちにおいでよ。とーーーっても深い沼で泳げるよ!
といった悪魔の誘いを仕掛けつつ,個人的なさらなるおすすめとして,手前味噌な過去記事の例もいくつか紹介しておこう。
まず,カードゲームとローグライクを組み合わせたインディーゲームの金字塔「Slay the Spire」だ。現在は続編「Slay the Spire 2」が,2025年中にアーリーアクセスを開始予定とされている。
前作を1000時間以上プレイした身としては,「また数千時間を溶かされるのか……ククク」と心がおびえ,体が期待で震えている。
今さらだけど「Slay the Spire」を通じて“デッキ構築ローグライク”の死ぬほどおもしろい魅力を伝えたい

皆さんは“人生が変わるゲーム”に出会ったことがあるだろうか? 私にとってのそれは「Slay the Spire」だった。本稿では今さらながらStSを紹介しつつ,“デッキ構築ローグライク”というジャンルの魅力を伝えたいと思う。
それと以前,ローグをライクさせた元祖「Rogue」を振り返ったことがあった。こちらは,マジで意味不明な仕掛けに憤慨しつつも,このゲーム体験が新しいのに懐かしくて,「40年以上前のゲームとは思えないほど,現代的な感覚で楽しめる,完成度の高い作品」だった。
この大型連休に,原点を味わってみるのもアリだろう。
最新の運営型ローグライクで持続的に時間を吸われたいSDGsな人は(すごいデキローなゲームで幸せになりたい目標,の略),毛色はまるで違うが「学園アイドルマスター」(学マス)も超オススメだ。
学マスはかわいいアイドルを育成するだけのゲームではない。デッキ構築ローグライクとしてめちゃくちゃ完成度が高い。キミも追加ターンを得て,好印象(毒ダメージ)で試験をパスして,火力バフ(集中)と火力バフ(好調)のかけ算によるクソデカスコアの快感に溺れよう。
「学マス」の魅力はアイドルだけじゃねえ。“デッキ構築ローグライク”としてのおもしろさも伝えたい! 行ーくよーーーー!!

「学園アイドルマスター」はアイドルゲームとしてはもちろん,“デッキ構築ローグライク”としてもよくデキた作品に仕上がっている。今回は初星学園プロデューサー科に未入学の人に向けて,デキローとしての魅力を紹介しよう。
といったところで,本稿は本当にお開き。
連休中に100時間を費やす覚悟,みんな持ったな!?
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- ライター:つきひ

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