ローグライト要素を導入した「V.E.D.A: The Awakening of Souls」は，ソウルライクの”トレーニングゲーム”になる［WePlay2025］

　中国のインディーゲームイベント「WePlay Expo 2025」に，ソウルライクアクションアドベンチャーゲーム「V.E.D.A：The Awakening of Souls」（PS5 / Xbox Series X|S / PC）が出展されていた。



　物語の背景として，本作の世界は気候変動と古代ウイルスの蔓延によって文明が崩壊し，さまよう変異体とガスに覆われている瓦礫だけが残っている。人類救済のために，スーパーAI「V.E.D.A」は，あらゆる戦闘状況を再現する訓練シミュレーションを構築している。プレイヤーは記憶をなくしたまま目を覚めた主人公として，戦闘訓練を受けることになる。


　最初は，いかにもSF感の強いロビーからゲームをはじめた。ロビーの中央には武器やギア，チップなどをカスタマイズするアームリーがあり，左右には2つの転移ポータルが設置されている。

ボス「Charcutier Alces」

　左側の緑のポータルからチュートリアルミッションに進め，右側の赤のポータルに入ればボス「Charcutier Alces」と即座に戦える。圧迫感のある強敵で，かなり手ごわいハードルになっている。

　チュートリアルを兼ねた緑のポータルの先は，「NAMELESS BUNKER（名もなきバンカー）」と呼ばれるステージだった。公式情報によれば，本作のエリアはランダムに生成されており，敵の配置や隠し部屋，トラップの位置が毎回変化するという。プレイヤーの適応力を試すつくりになっているようだ。


　操作はソウルライクジャンルの定番を踏襲しており，スタミナ管理，バックスタブ，致命の一撃といった要素を備える。攻撃や防御，パリィといった基本操作も肩ボタンに割り振られているため，同じジャンルの作品に触れたことがあれば直感的に動かせるはずだ。ただしロックオン解除が［R3］長押しに設定されており，やや扱いにくいと感じた。

　また，本作には「オーバークロック」と呼ばれる必殺技が存在する。オーバークロックゲージをためると強力な技を発動できるようだが，今回の試遊版では未解放で，詳細は確認できなかった。

　最大の特徴となるのが，ローグライト要素を積極的に取り入れた成長システムである。一般的なソウルライク作品でプレイヤーのストレスの元となるデスペナルティを排し，むしろ死亡を重ねるほど強くなっていく。まさに「ソウルライクトレーニング」という理念の表れだ。


　アームリーでは開放済みの武器，ギア，チップを自由にカスタマイズでき，バリエーションはかなり多彩だ。武器は直剣，短銃，戦槌など8種のカテゴリーが揃い，防具は軽・中・重の3タイプが存在する。ステータスや特徴が大きく異なるため，組み合わせ次第でプレイフィールも変化する。


　一方で，試遊版を触れた限りでは改善を期待したい部分も見受けられた。たとえば攻撃判定のリーチが短めで，モーションの振り幅も控えめなため，敵との立ち回りがやや窮屈に感じられた点が挙げられる。

　また，重装備を装着しても防御時の被ダメージ量が想定より大きく，溜め攻撃にスーパーアーマーが付与されていないため簡単に中断されてしまう。前述の攻撃リーチの点とも相まって，戦闘テンポに硬さが残る印象だ。