
企画記事
ゲームの面白さは,遊ぶ相手によって変わる! 2人プレイ専用ゲーム「スプリット・フィクション」に,3人家族が「夫婦」「父娘」「母娘」で挑戦
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本作最大の特徴となっているのが,「2人プレイ専用」であること。1人でも2人でもプレイできるのではなく,2人のプレイヤーが必須となるゲームなのだ。
そう聞くとハードルが高そうだが,プレイはローカルとオンラインのどちらでも可能。また,クロスプラットフォームのフレンドパスに対応しているので,1人のプレイヤーが製品版を購入していれば,もう1人のプレイヤーは製品版を購入することなく,招待を受ける形でプレイできる(異なるプラットフォーム間でのプレイには,EAアカウントが必要)。相手のプレイヤーを気軽に誘いやすくなっているのだ。
そんな本作の面白さの核は,プレイヤー同士のチームワークにある。ということは,一緒に遊ぶ2人の組み合わせによって,ゲームの進め方や心に響くポイントは変わってくるかも? そんなわけで,本稿では筆者を含む家族3人で本作を遊び,そのプレイ感がどう変わるのかを検証してみた。
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3パターンの組み合わせでプレイ開始!
本作の主人公であるミオとゾーイはどちらも作家で,それぞれSFとファンタジーの物語を書いている。2人は,「あなたの作品を出版します」という連絡を受けて大手出版社の施設に向かうが,それは,作家たちからアイデアを盗むために出版社が仕掛けた罠だった。アイデアを抽出するためのマシンに接続されてしまったミオとゾーイは,お互いの物語を体験しながら,創作世界からの脱出を目指す。
彼女たちを操作する我が家族について,簡単なプロフィールを記しておく。プレイをする組み合わせは,筆者×夫(夫婦),筆者×娘(母娘),夫×娘(父娘)の3パターンだ。
筆者
40代・ゲームライター・お母さん。いざとなったら出たとこ勝負,というような性格。ジャンルを問わずゲームをプレイしている。
夫
40代・エンジニア・お父さん。好奇心旺盛ながら,家族内では最も冷静な性格。さまざまなジャンルのゲームを遊ぶが,最近よくプレイしているのは,「インフィニティニキ」と「ゼンレスゾーンゼロ」。我が家でいちばんアクションアドベンチャーを遊んでいる。
娘
13歳・中学生。家族イチのエイミングを持っている。最もプレイ時間の長いゲームは,「スプラトゥーン」シリーズと「マインクラフト」。筆者はアクションシューティングゲームで彼女に勝てた試しがない。
ケース1:夫婦の場合
夫との付き合いはそろそろ20年になる。今も同じゲームを一緒にプレイすることがあるし,チームワークにはお互いに自信があるので,本作のプレイにおいても,少なくとも初期のミオとゾーイよりは阿吽の呼吸で動けるのではないだろうか。だって,ミオとゾーイの出会いはこんな感じだし……。
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夫:
ミオ,冷たいなあ。
筆者:
ちょっと間を持たせるために話しかけただけでこんなキツいこと言われたら,私なら帰りたくなっちゃうな……。
使用キャラは,筆者がミオ,夫がゾーイにした。性格的には,なんとなく逆のほうがしっくりくる気がするのだが,ゲーム内ではまったく別のキャラクターになり切るのも面白いだろう。
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最も身近なゲーム友達でもある夫とのプレイは,特に会話をしなくてもスイスイ進む。ミオとゾーイがお互いの特技をうまく使って切り抜けるようなシーンでも,打ち合わせは必要なく,「いけるよ〜」「OK!」というような掛け声だけで事足りる。
我々のナイスチームワークもあるが,本作の優れたゲームデザインの影響も大きい。次にすべきアクションを感覚で思いつけるよう,視覚的に分かりやすく導いてくれるから,ゲーム慣れしているプレイヤー同士ならば,込み入った説明が必要ないのだ。ということで,このときは主に,攻略にあまり関係のない話ばかりしていた。
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夫:
サイバーパンク世界とファンタジー世界のメリハリが効いていて面白いなあ。リアルだけど物語の世界だから,何でもアリの展開になるのが,先が読めなくていい。
筆者:
確かにそう。アクションものとしてお約束の展開もあれば,「えっ,こんなことになっちゃうの!?」って驚くこともあるし。
夫:
展開が速くて中だるみしないのもいいね。
筆者:
私(妻)との協力プレイはどうだった?
夫:
かなりスムーズだったんじゃない?
筆者:
ほとんど会話しなくてもプレイが成立してたしね。ミオとゾーイが固有アクションを使うときはアプローチとかタイミングが変わるけど,そのときに声をかけ合うくらいだったな。あとはお互いの動きを見れば,問題なくプレイできたと思う。
夫:
そうだね。それと,プレイ前は画面分割に「見づらいんじゃないか」って思っていたけど,そんなに大きくないディスプレイで問題なかったな。ごちゃごちゃしてなくて,だからといって殺風景でもなくて,いい感じ。
筆者:
インタラクトできるオブジェクトは,色とか形がさりげなく目立つようになっていたしね。一緒のプレイは楽しかったし,我々のチームワークを再認識できたと思う!
ケース2:母娘の場合
我が家のひとり娘がこの世に誕生して13年。赤子の頃から一心不乱にお世話をしてきたつもりだが,そんな彼女も中学生になり,最近は徐々に手が離れてきている。そんな娘とのプレイはどういう体験になるだろう。もう一度ゲームの冒頭からプレイを始めてみた。
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娘:
ミオとゾーイ,めちゃくちゃ仲悪いね……。でも,これからお話が進んでいけば,お互いのことが解って仲良くなるかも。今は全然そう思えないけど。
筆者:
どうだろうね。そうなったらいいよねえ。
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今回の使用キャラクターは,娘がミオ,筆者がゾーイ。ふたりともお喋りなので,ミオとゾーイの言動やストーリーなどについて,常に会話がある状態でのプレイになった。
娘はアクションゲームが得意だが,目まぐるしく変わっていく状況をサバイブしていくタイプのアクションアドベンチャーのプレイ経験はあまりない。ということで,夫とのときと違い,私が先行して娘にレクチャーする場面が多めに。
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娘:
普段プレイしているゲームとは違うタイプのビジュアルだから,最初はピンとこなかったんだけど,遊んでみたらすごく面白かった! 協力して敵を倒したり,仕掛けを解除したりするのっていいね。ミオの物語でサイバーニンジャになったとき,それぞれが違う機能の武器で戦うのもアツかったなー。これって,プレイするキャラを変えたら,また新鮮に楽しめるよね。
筆者:
そうだね。私はお父さんとのプレイでミオ,今回はゾーイを使ってみたけど,いちどプレイしたあともう片方のキャラで遊ぶと,同じ章も違った視点から体験することになるし,別の面白さを感じたよ。
娘:
ミオとゾーイは全然違う性格だけど,少しずつ打ち解けてきたと思う。今日プレイしたところまでだと,仲良しまではいかなかったけど,いずれは相棒みたいになるんじゃないかな。そうなったら嬉しいな。
筆者:
お母さんとプレイしてみた感触はどうだった? こちらからすると,ミオとゾーイの旅路にツッコミを入れたり,自分の考えを話してくれたりするのが面白かったな。
娘:
安心してプレイできた。お母さんは,進みかたが分からなくなったら教えてくれる先生って感じ。今までは,協力して何かをクラフトするようなゲームを一緒に遊ぶことが多かったから,戦いのあるゲームを一緒にプレイするのは新鮮だったな。
筆者:
確かにそうかも。最近はゲームを一緒に遊ぶことが減ったように思っていたから,今回はいい機会だったね,ありがとう。
ケース3:父娘の場合
最後は,夫と娘がタッグを組んでのプレイだ。ふたりは普段から仲良しで,フランクな関係の親子。使用キャラクターは,娘が引き続きミオ,夫はゾーイになった。
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娘:
ミオの物語の世界,エージェントと戦ったりしそう!
夫:
もしかして,この前一緒に観た「マトリックス」の話かな……?
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一度プレイしているからか,当初よりリラックスしているふたり。キャラさばきも上手になっている。ボスクラスとの戦闘では,初見であっても娘の立ち回りが洗練されていることに驚いた。筆者より格段に優れたアクションセンスである。協力プレイ面で夫のアシスト力が光っているのも,このコンビの特徴だ。
余談だが,サイドストーリーでミオとゾーイがソーセージになり食べられてしまうシーンをプレイした直後,我が家の昼ご飯に焼きソーセージを出した。それを見た娘が「このタイミングでソーセージを食べるの!?」と叫び,家族で爆笑したことも,心に残る楽しいゲームの思い出となった。このくだりが気になったら,ゲーム内でぜひ衝撃の展開を確かめてほしい。
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筆者:
お父さんとプレイしてみて,どうだった? お母さんとの違いはあった?
娘:
先生みたいだったお母さんより,近い目線で共闘できる感じだったかも。お父さんとはゲームで対戦することが多いから,協力プレイは新鮮だった!
筆者:
なるほど。では父として娘とプレイした感想は?
夫:
大人だと解決に多少時間がかかるようなポイントを,感覚で理解してすんなり通り抜けるから感心したよ。中学生になって,暗黙の了解というか,相手の動きを予測して息を合わせることができるようになってきた感じがする。成長だねえ……(涙)。
娘:
それぞれ一緒にプレイしてみて思ったけど,プレイ中に操作することとか展開は同じでも,人によって進み方をひらめくポイントとか,操作のタイミングは違うから,「ほかの人と遊んだらどうなるかな?」って気になった。
夫:
そうだね。それから,誰かと会話しながらゲームをプレイすることは,あらためて面白いと思った。家族とも,普段とは違ったコミュニケーションができて良かったな。
筆者と夫,筆者と娘,夫と娘という3パターンでプレイをしてみて感じたのは,「思った以上に普段の関係性が出る」ということ。主人公のミオとゾーイにも固有の役割があるので,2人のプレイヤーだけでなく,使用キャラの組み合わせからも面白い化学反応が起こる。
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我が家は全員がよくゲームを遊び,一緒に行動する時間も長いので,呼吸を合わせやすかったところはある。だが逆に,出会ったばかりの友人や,あまりアクションを遊ばない人をサポートしながら遊んだ場合にも,違った面白さが見出せそうと感じた。
その場合,難度が高くなるかもしれないが,本作ではボタンやカメラの操作だけでなく,敵から受けるダメージ量も含めて調整できるので,活用してほしい。
ゲーム内から得られる体験だけでなく,プレイヤー同士の関係もゲームの面白さとしてしっかり生かしている「スプリット・フィクション」。フレンド,家族,ゲームをあまり遊ばない友人,さまざまな人との関係性をあらためて味わういい機会にもなりそうだ。
「スプリット・フィクション」公式サイト
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- ライター:内藤ハサミ

(C)2025 Hazelight Studios AB. 「スプリット・フィクション」(原題:Split Fiction) およびHazelightはHazelight Studios ABの商標です。EA OriginalsはElectronic Arts Inc.の商標です。