
プレイレポート
[プレイレポ]傑作ターン制4Xストラテジーの続編「ENDLESS Legend 2」,機械と有機体の融合種族「アスペクト」を先行体験
探検(explore),拡張(expand),開発(exploit),殲滅(exterminate)を通じて自勢力を発展させていく4Xストラテジーは,「Civilization」シリーズを筆頭に,名だたる傑作が揃うジャンルであり,史実ものからファンタジー,そしてSFまで,さまざまな舞台設定やシステムのゲームが生まれてきた。
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その中でも,フランスのデベロッパである同社が開発した初代「ENDLESS Legend」は,当時の挑戦的な作品として筆者の記憶に残っている。
まず何より,SFとファンタジーをミックスした世界観が秀逸だった。ビジュアルは一見するとファンタジー寄りだが,同社のターン制SFストラテジー「ENDLESS Space」シリーズと同じく,「超古代文明エンドレスの崩壊による遺産の拡散」という銀河規模の物語がベースにあり,随所にSF要素が散りばめられている。
ゲームプレイ中には,一貫した世界観に基づくイベントやミッションが頻繁に発生することも新鮮だった。
一般に4Xストラテジーでは,ゲームをどのように進めていくかの判断がプレイヤーに委ねられている。そのため,発生したイベントはプレイの方向性を既定するものというより,一時的にメリット/デメリットを与える,いわば「おまけ」のような位置づけであることが多い。
だが,初代「ENDLESS Legend」は各勢力にしっかりとストーリーラインが用意されており,従来の4Xストラテジーのように都市の開発や敵との戦闘を行うだけでなく,その物語を進めていくことでも勝利に近づける。
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各勢力によってまったく異なるプレイフィール,マップ上の地域と結びついた都市開発システム,部隊に所属する各ユニットを操作できる戦闘モードなど,初代「ENDLESS Legend」はゲームデザインにも意欲的な要素が満載だ。同作はストラテジーファンから高い支持を受け,Steamのレビューは「非常に好評」(1万4000件以上のうち)を獲得している。
Amplitude Studiosは2021年に歴史4Xストラテジー「HUMANKIND」をリリース。そして今年1月,待望の続編「ENDLESS Legend 2」が開発中であることを発表した(関連記事)。パブリッシングを担当するのは,ストラテジーゲームの分野において実績十分のHooded Horseである。
このたび,ゲーム内の勢力「アスペクト」を一足早くプレイをする機会を得たのでレポートしよう。なお,今回プレイしたのは英語版だったが,今夏に予定しているアーリーアクセスでは日本語に対応するとのこと。世界観にこだわった翻訳になるそうだ。
「ENDLESS Legend 2」公式サイト
勢力や世界の設定を反映したゲーム展開
特性を生かして,世界に秩序を取り戻そう
筆者がプレイするアスペクトは,海洋惑星サイアダに住む機械と有機体のハイブリッド種族だ。彼らは,珊瑚による「コーラス」と呼ばれる集合意識を通じて相互につながり,調和と均衡を重視している。珊瑚を死滅させる「枝枯れ病」により弱まっているアスペクトとのコーラスの結びつきを回復させ,世界の調和と均衡を取り戻す――これがストーリーラインだ。
Steam「アスペクト」勢力紹介」ページ
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プレイ開始時に行うべきことは,首都「リーフボーン」の建設だ。この手の4Xストラテジーの場合,一刻も早く都市を作らなければ……と焦ってしまいがちになる。
その点,「ENDLESS Legend 2」は最初の都市の建設までに要したターンに応じて,ボーナスが入るようになっているため,初期ユニットに周囲をじっくり探索させてから最適な場所を選べる。ユニットコマンド「首都の建設」をクリックすると,リソース獲得の面で建設に適した推奨タイルが表示されるのも,初心者にはありがたい。
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マップは複数の地域に分割されており,「1つの地域には,1つの都市しか建設できない」というルールは前作と同様だ。プレイヤーは都市を乱立させることなく,勢力を拡大させる戦略的判断が求められる。
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ただし,「アスペクト」の都市建設方法は,他勢力とは大きく異なる。アスペクトの場合,ユニットに別の地域で「珊瑚の胞子体」を建設させ,この施設にゲーム内リソースである「影響力」を利用して「キャンプ」,そして「都市」へと発展させることになる。
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珊瑚の胞子体には,もう1つ重要な役割がある。それが周辺のタイルに珊瑚を拡散させていくことだ。珊瑚が広がったタイルでは,都市拡張コストの低下,ユニット移動速度の向上,水上移動,小規模勢力の取り込みなど,さまざまな恩恵を受けられる。
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「珊瑚の胞子体を2個建設せよ」などのイベントミッションをクリアしつつ進めていくと,ムービーシーンと共に「雨季(モンスーン)」が始まった。
本作の舞台となるサイアダは海洋惑星であり,一定のターンごとに雨季が訪れる。雨季には生活環境の悪化により小規模勢力が狂暴化し,それまで平和だった地域も危険が高まる一方,自勢力に強力なボーナスを与える評議会メンバーを新たに選べるといったメリットも存在する。
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また,雨季のあとに発生する大規模な干潮では,海のタイルが陸地に変わり,新たに探検・征服が可能な地域が増えていく。ゲーム中にもマップ環境がダイナミックに変化することは,本作ならではの要素だ。
他勢力の領地にユニットがたどり着くには,干潮が数回発生しないと無理だった。そのときまでに自勢力の軍事力と経済力をどこまで高められるかが,勝敗を分ける鍵になるだろう。
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そのほか,防御に特化したユニット特性や戦闘スタイル,小規模勢力への貢物や依頼を達成することで彼らを併合できる能力,勢力固有の技術研究など,アスペクト特有の要素を確認することができた。筆者がプレイしたのは124ターンまでなので,すべての要素を体験したわけではないが,同等のボリュームが他勢力にもそれぞれ用意されているとしたら,本作のリプレイアビリティは相当高そうだ。
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最後になるが,初代と比べてグラフィックスやUIが大幅に洗練されていることを付け加えておきたい。初代でも十分美麗だったグラフィックスはさらに進化し,海洋惑星サイアダの風土を魅力的に表現している。
また,UIはスッキリして,情報量に圧倒されることが少なくなった印象を受ける。
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傑作4Xストラテジーの順当な後継といえる「ENDLESS Legend 2」だが,ゲームプレイ自体の充実に加えて,日本語対応により国内でも多くのプレイヤーを獲得できるのではないだろうか(初代は日本語非対応)。ストラテジーファンは今後の続報に期待しておこう。
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「ENDLESS Legend 2」公式サイト
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ENDLESS Legend 2
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