インタビュー
[インタビュー]「バイオハザード レクイエム」のレオンは「RE:4」ベースの爽快なものに。過去最大級に追い詰められ,限界に挑む戦い
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![]() 「バイオハザード レクイエム」プロデューサーの熊澤雅登氏 |
![]() ディレクターの中西晃史氏 |
レオンがプレイアブルで参戦決定! 「バイオハザード レクイエム」新トレイラーが公開
The Game Awards 2025で,カプコンは「バイオハザード レクイエム」の新映像を公開した。今回の目玉はシリーズ主人公レオン・S・ケネディの発表で,ゲームではプレイアブルキャラクターとして使用できるという。
※2025年12月12日13:10,プレスリリースを追加
レオンパートは「RE:4」ベースの爽快なものに。過去最大級に追い詰められ,限界に挑む戦い
――最新トレイラーで,レオンの登場がアナウンスされましたが,ほかのキャラクターは出てくるのでしょうか?
中西晃史氏(以下,中西氏):
「バイオハザード レクイエム」でプレイアブルとして登場するキャラクターはグレースとレオンのふたりです。それ以外のキャラクターに関しては,プレイしてのお楽しみとさせてください。
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――トレイラーではレオンがチェーンソーを使っていましたが,このようなユニークなアクションはほかにもあるのでしょうか?
中西氏:
本作のアクションですが,グレースは「バイオハザード RE:2」のスタイルを,レオンは「バイオハザード RE:4」のスタイルをベースにしています。そのため,レオンには体術や近接攻撃が存在しているんですね。
「バイオハザード レクイエム」を作るうえで大きなテーマになったのが,「2026年のレオンはどうなっているんだろう」という部分です。我々としても彼を登場させるのは2012年の「バイオハザード6」以来のことです。そのあいだにもレオンは数々の戦いで経験を積んでいて,精神的にも技術的にも変化しています。
「誰かを救いたい」というモチベーションで行動するなかでいろいろな悲劇を見てきたばかりか,バイオハザードはいつまでたってもなくならない。そんな戦いをずっと続けている人は,どんな心境に行きつくのだろう。そして,戦闘面でも「RE:2」では素人だったけれど,「RE:4」や「6」といった経験を経てどんどん巧みになっています。「レクイエム」のレオンは,戦闘技術がどれだけ熟練しているかを「RE:4」ベースで表現しているのです。
――グレースとレオンは一緒に行動するのでしょうか? 過去にはアシュリーのようにともに行動するキャラクターも出てきましたが。
中西氏:
過去の作品において,ふたりのキャラクターが一緒に行動することはありましたが,「レクイエム」のストーリーはあくまで1本で,進行に応じてグレースパートとレオンパートが切り替わります。
もちろん,ふたりが絡むこともあります。シリーズ史上最も怖がりのグレースと,超ベテランでレジェンドのレオンという,まったくタイプが違うふたりがどう絡んでいくか。そこも「レクイエム」の面白いポイントだと思っています。
――トレイラーには「エルピス」という意味深な単語も登場しました。
中西氏:
「パンドラの箱」の最後に残ったものがエルピスと呼ばれています。希望という解釈が多いですが,もっと悪い予兆という捉え方もされていますね。「レクイエム」のエルピスはストーリー上の重要な要素です。グレースのお母さんがなぜ殺されたのかといったところにも絡んできます。そして,レオンには現段階でお話しできない秘密があり,ここでもエルピスが重要な意味を持っているんです。プレイヤーに秘密を解き明かしてほしいと思います。
――「レクイエム」はグレースとレオンのダブル主人公という認識でいいのでしょうか。
中西氏:
ダブル主人公という認識で大丈夫です。グレースを操作するパートとレオンを操作するパートはほぼ半々で,グレースはこれまで動画でお見せしてきたような恐怖体験を,レオンは血沸き肉躍る激しいアクションシーンをフィーチャーしています。こういったテンションが明確に違ったふたつの体験を入れるというのは,我々としてもチャレンジでした。両者が上手くかみ合うのか,プレイヤーがついてきてくださるかという懸念もありました。
しかし実際に作ってみると,グレースとレオンのパートにおけるテンションの高低差が,感情をとにかく振り回すような独特の体験になっていたんです。熱いサウナのあとの水風呂とでも表現しますか,アドレナリンやドーパミンが出るような体験です。
ただ,このテンションの差が激しすぎてもプレイヤーは疲れてしまいますので,その塩梅をうまく落とし込んでいます。ぜひ早くみなさんに遊んでみてほしいですね。
グレースパート,レオンパートとはいいましたが,あくまで「レクイエム」のストーリーはひとつで,その中で操作キャラクターが変わっていく方式です。シリーズでいえば「バイオハザード リベレーションズ」に近い構成ですね。「6」では複数のストーリーと主人公があり,「RE:2」では表と裏のストーリーがありましたが,そうした方式とは異なっています。
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――レオンも一人称視点と三人称視点を選べるのでしょうか? レオンの戦いは「RE:4」ベースということですが,ダイナミックさは一人称視点だとどのように表現されているのでしょうか。
中西氏:
もちろんレオンもグレースと同様にどちらでもプレイできます。一人称視点でも問題なく遊べるよう,いろいろ工夫を施しましたので,プレイしていても違和感はないと思います。このあたりは,あらためて今後開催するショーケースなどで説明していきます。
――今回はレオンも年齢を重ねていますが,ビジュアルの方向性について聞かせてください。
中西氏:
背負ってきたものをテーマとしつつ,レオンはやはりイケオジであるべきというところを踏まえ,ものすごく時間をかけてデザインしました。発表後にはものすごい数のコメントをいただくことができたので,僕らも今日はおいしいお酒が飲めると思います(笑)。
熊澤雅登氏(以下,熊澤氏):
社内にもレオンのファンが結構いるんですよ。
中西氏:
特に女性ファンが多いから,たくさんの要望を受けつつデザインしていきました。そして,レオンで重要なのが,彼にとってラクーンシティを再訪することはとても意義があること,という部分です。警官になろうとしてバイオハザードに巻き込まれ,そこから戦いが始まったわけですから,ラクーンシティは彼の原点ともいえます。だから,年を経たレオンが振り返って何を感じ,どのような行動を取るかにも注目していただきたいです。
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――今回,ポルシェとのコラボについて公開されましたが,経緯について聞かせてください。
熊澤氏:
レオンの車に合うコラボ先を探しているなかで,ポルシェさんから快諾いただけたんです。そこで「ポルシェ カイエン ターボGT」をベースに,「レクイエム」の世界観に合った,世界で1台だけの車を作ることになりました。どこか良いタイミングでお見せできればと思います。
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――シリーズに初めて触れる人に向けて,レオンという人物の魅力をアピールしていただけますか?
熊澤氏:
まずお伝えしておきたいのは,過去作をプレイしてレオンの過去すべてを知っていなければいけないというわけではない,というところです。過去にラクーンシティで起きた事件に関わった彼が,年を重ねてどう立ち向かっていくか……という部分は過去作を知らなくても十分楽しんでいただけるようになっています。
中西氏:
ファンも多いんですが,見た目だけでなく性格的にもイケメンなんですよ。誰かを助けるためであれば,自分の犠牲は厭わない。それでいてウィットにも富んでいて,中身は熱い。しかも,体術も使えるし戦うと強い。いろいろな意味で隙がないヤツなんです。
――以前のインタビューや記事から総合すると,「レクイエム」はレオンを主人公として考えていて,グレースはあとから採用された主人公のようにも感じられますが,実際はどうなのでしょう?
中西氏:
企画が固まる前の段階ではおっしゃるとおりでした。しかし「レクイエム」の開発がスタートする段階で,ふたりの主人公で行こうと決まっています。グレースだけで最後まで作っても,すごく怖いゲームにはなったと思います。そこに加えて,レオンパートを緊張からの開放として使うことで,怖いけれど開放感や爽快感もある。今までのシリーズにはなかったような満足感を得られるようにしています。
熊澤氏:
グレース編とレオン編に分けず,ひとつの物語としたのは,すごく怖い思いをしたあとに,めちゃくちゃ気持ちいいアクションをしたら,怖さや気持ちよさが突き抜けたものになるんじゃないか,という発想からなんです。
――トレイラーではレオンがハンドガンやチェーンソーで敵を返り討ちにしていましたが,カウンター的なアクションはプレイヤーが自分から出せるものなのでしょうか?
中西氏:
成長したレオンの新しいアクション,激しく気持ちいいアクションをたくさん用意しています。このあたりの話は映像を交えてショーケースで紹介できればと思います。
――トレイラーの最後に出てきたビジュアルでは,レオンが斧を持っていますが,こちらも作中で使うのでしょうか?
中西氏:
あれは特殊部隊が使うトマホークで,レオンを表現する武器として持たせました。近接アクションとして,そういった武器も使うということですね。
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――最後に一言お願いします。
中西氏:
今回のレオンは,過去最大級に追い詰められることになります。ある意味,彼の限界に挑む戦いともいえるでしょう。来年のショーケースで詳しくお話しできればと思いますので,楽しみにしていてください。
――ありがとうございました。
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