
インタビュー
「Call of Duty: Black Ops 7」メディア合同開発者インタビュー。ロケハンを経て制作された,近未来の日本を舞台としたシリーズ最新作に迫る
2025年11月14日の発売に向け,TreyarchとRaven Softwearの共同で開発が進められている本作だが,発売前の10月3日〜9日には,全プラットフォームを対象としたオープンβテストが予定されており,いよいよその全貌が明らかになりつつある。
「Call of Duty: Black Ops 7」は2025年11月14日発売。エンドゲームありのキャンペーンCo-op,20人対20人のマルチプレイ,ラウンドベースのゾンビモードを実装

ActivisionとTreyarchは,「Call of Duty: Black Ops 7」の最新情報を公開した。2035年の世界を舞台に,エンドゲームもあるキャンペーンCo-opモード,20人対20人のスカーミッシュ,オリジナルキャラが登場するラウンドベースのゾンビモードなどを実装する。
登壇したのはTreyarchでAssociate Creative Directorを務めるMiles Leslie氏と,各プラットフォーム向けの最適化を担当するBeenoxのLead Designerm,Marc-Antoine Saindon氏だ。
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余談だが,本日(9月25日)に開幕した東京ゲームショウ2025のホール7・N12区画のハピネットブース内に「Call of Duty: Black Ops 7」コーナーが設けられている。早期アクセスβコードの配布や,缶バッジやオリジナルのTシャツが当たるガチャ企画などが行うとのことなので,ファンは足を運んでみてはいかがだろう。
「Call of Duty: Black Ops 7」,TGS 2025にてβテストの早期アクセスコードを配布。缶バッジやTシャツが当たるガチャ企画も

Activision Blizzard Japanは本日(2025年9月22日),千葉・幕張メッセで9月25日から9月28日まで開催される「東京ゲームショウ2025」に,11月14日発売予定の「Call of Duty: Black Ops 7」が出展することを発表した。会場では,10月上旬に開催されるβテストの早期アクセスコードが配布される予定だ。
「Call of Duty: Black Ops 7」公式サイト
近未来戦と新システムで「描きたかった」ものを実現する「BO7」
インタビューに入る前に,Leslie氏とSaindon氏によって改めて本作のプレゼンが行われたので,その模様をお届けしよう。
Leslie氏曰く,本作の根底にあるのは「BO6の未来を解き放つ」ことだという。BO6の勢いをそのままに,新たな要素を取り込む形で制作が進められており,そのうえで「狂気を受け入れる」ことを大きなコンセプトとしている。つまりは「Black Ops」シリーズならではの,マッドなプレイフィールを目指しているということなのだろう。
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本作には多くの武器,ガジェットといった,プレイに欠かせない新たな“おもちゃ”が導入され,2035年の戦闘を表現している。新たな移動システムである「壁ジャンプ」の導入はプレイに刺激をもたらし,次世代のコンバット経験を提供するとのこと。
また,ゲームをプレイするうえでのエクスペリエンス(経験値)にもメスが入れられている。単にレベルアップで報酬を得るのではなく,より多くの細かな部分にもリワードを設定し,ゲーム内の経験値ではなく,プレイヤーの経験値が上昇する感覚を得られるよう設計しているそうだ。
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続いてゲームモードでは,「ゾンビ」を解き放つと銘打ち,シリーズで最も広大なマップ,従来作を超越するストーリー,新たな形で復活する人気キャラクターを引っ提げた,ラウンドベース形式のゾンビモードが登場する予定だ。さらにゾンビモード以外にも,
- マルチプレイ 6vs.6
- マルチプレイスカーミッシュ 20vs.20
- CO-OPキャンペーン(最大4人でプレイ可能)
- CO-OPエンドゲーム(キャンペーンクリア後にプレイ可能なPvEモード)
- ラウンドベースゾンビ
- ゾンビサバイバル
- ゾンビ デッド オプス アーケード 4
- WAR ZONE
などが用意されており,これらがゲーム体験のコアになるとのことだった。
キャンペーンにはデイビッド・メイソン,ラウル・メネンデスといったキャラクターが再登場するそうで,前作「BO6」や往年の名作「BO2」の要素も取り入れられている。Leslie氏によれば,「もちろんシリーズ未経験者がプレイしても十分楽しいけど,この2つを経験したプレイヤーにはとくに喜んでもらえるはず」とのことである。
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なおローンチ時のマルチプレイでは,13の新マップに「BO2」から復活する「ハイジャック」「レイド」「エクスプレス」の3マップを加えた16のマップがプレイできるとのこと。これにスカーミッシュ用の新たな大規模マップ2種類が加わって,計18のマップがプレイできる。
中でも特徴的なのが,日本を舞台にしたマップが少なからず含まれることだ。その数は6種にもおよび,新マップだけではなく「BO2」から復活するマップも,日本の景観を再現すべくリメイクされている。
詳細は後述するが,これらの日本マップはかなり力を入れて制作されたようで,日本法人メンバーとのコミュニケーションのみならず,本国開発チームの一部を“ロケハン”として日本に送り込むことまで行ったという。
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今回のプレゼンテーションでは,うち「デン」と「トシン」の2つのマップの紹介が行われた。
そのままズバリな「トシン」はβでもプレイ可能なマップとのことで,クラッシュした電車のオブジェクトがマップ中央を縦断するように配置されている。繁華街,カラオケ,猫カフェといった日本らしいランドマークも配置されていて,細い裏路地は壁ジャンプを駆使した戦闘にも適しているという。
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一方の「デン」は日本の城が舞台だが,その内部は2035年の近未来をイメージした“任侠ファンタジージャパン”といった雰囲気で,そのギャップを味わいながら,さまざまなシチュエーションでの戦闘が楽しめるものとなっている(どうやら城を“ギルドの巣窟”に改装したという設定らしい)。
このほかデイビッド・メイソンが生まれ育ったアラスカのオーロラが美しい夜間マップや,地中海を舞台にしたマップ,デイビッド・メイソンの脳内(!?)マップなども登場するそうなので,こちらは続報に期待したい。
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“自主的に”テストプレイする社員が続出したほどの自信作
さて,ここからは2名への質疑応答をインタビュー形式でお届けしていく。
――日本を舞台にしたマップは3種類と聞いていましたが,かなり増えましたね。
Miles Leslie氏(以下,Leslie氏):
「Black Ops」として,日本を舞台とするのは初めてですからね。日本へ送り込んだチームから素晴らしいロケーションが次々に送られてきて,少ないマップではそれらのロケーションを生かしきれないと判断しました。なので結果として「増えてしまった」という感じです。今までにないビジュアルを実現する最高のチャンスなので(笑)。
――キャンペーンにも日本が登場すると聞いていますが,そもそも,なぜ日本を舞台に選んだのでしょうか。
Leslie氏:
「Black Ops」の開発チームとして,我々はずっと日本に興味を持っていました。ファンコミュニティの基盤もあるとうかがっていましたからね。そのうえで,今作にフィットするロケーションだったのが日本を選んだ理由です。
ただ,「そのままの日本を持ち込んで再現する」ことは避けています。実現したかったのは,あくまで「Black Ops」の表現としての日本ですからね。結果,描きたいものが多すぎて,マップが6種類に増えてしまったんです(笑)。
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――ロケハンはどのようにマップに生かされたのでしょうか。
Leslie氏:
ロケチームから送られてきた写真やアイデアを見ると,屋内のものも多かったんですよね。なので,彼らは純粋に日本を楽しんでいただけなのかもしれません(笑)。
それはさておき,例えば「トシン」では日本ならではのランドマークとしてカラオケや猫カフェを配置しています。チームからも「カラオケバーで銃撃戦したら面白いと思う」との意見がありましたし,建物の外観と中のイメージの違いを,作中でも表現したいと考えました。
――「デン」は外観こそ城ですが,室内は近未来という対比が面白いですね。
Marc-Antoine Saindon氏(以下,Saindon氏):
キャンペーンのストーリーに関わってくる部分ですが,内部はギルド(ゲーム内企業)の本拠地という設定になっています。あの特徴的なビジュアルは,こうした背景から生まれたものになります。戦闘スペースの都合上,最上階まで登ることはできませんが,壁ジャンプを駆使した立体的な戦闘を楽しめるスペースは確保しています。
Leslie氏:
ちなみに「デン」はネーミングに悩んだマップでして,“ギルドの巣窟”という意味が込められています。私のはお気に入りのマップの一つです。
――「デン」と「トシン」は,どの程度の広さががあるのでしょうか。
Saindon氏:
双方ともミディアムサイズです。本作には壁ジャンプという要素があるので,自然なプレイフィールが得られるよう,大部分のマップをミディアムサイズで制作しています。もちろん,大きめや小さめのマップも用意しているのでご安心ください。
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――最大4人のCo-opキャンペーンは久しぶりの復活になりますが,これにはどういう意図があるのでしょうか。
Leslie氏:
本作は,「プレイヤー同士のつながり」にかなり注力したタイトルであるのが一つ。またキャンペーンに4人のプレイアブルキャラクターが登場するので,彼らの背景をプレイヤーに体感してもらいたいというのもありますね。
――「BO6」のオムニムーブメントは,今作ではどのように進化したでしょうか。
Leslie氏:
「BO6」と「BO7」は,実は同時に開発が進行していました。「BO7」では壁ジャンプが導入されたことで,プレイヤーの機動力がさらに向上しています。この「どこにでも行ける」感覚――つまりは「プレイヤーがマップをプレイする」のではなく,「プレイヤーがマップを支配している」感覚を,本作では大事にしています。
Saindon氏:
とくに「トシン」は,壁ジャンプを多用するマップになっています。直接的な戦闘ではもちろんのこと,ランドマーク間の移動も壁ジャンプを使えばスムーズになるので,新しいシステムを積極的に使ってほしいもらいたいですね。
――「BO2」のキャラクターが再登場するそうですが,どういうきっかけがあったのでしょうか。
Leslie氏:
私はすべての「Black Ops」シリーズの開発に携わっているのですが,とくに「BO2」は思い入れのあるタイトルです。まだ語られていない部分が多くありますし,それらを再び呼び覚ます機会をずっと待っていました。本作では,メイソンの隠されたストーリーが描かれています。「BO2」から「BO7」までにゲーム内で10年の時間が経過しているのも,描きたかったものを実現する助けになりました。メネンデスについても,やっと語れるのですから(笑)。
――キャンペーンクリア後のエンドゲームについて教えてください。
マルチプレイやキャンペーンにも一部が登場する地中海マップ「アヴァロン」は,エンドゲームでこそ,その真の姿を現します。4人1組のチームを5つ束ねて挑むPvEモードなんですが,それまでに獲得したアイテムやスキルが持ち込めるんです。マップ内のミッションを達成しながらアイテムを強化していく要素があり,ボリュームも十分です。
またキャンペーンのエピローグとしての側面もあるので,それまでに語られなかったエピソードもここで語られます。クリア後のお楽しみコンテンツというより,その延長線上にあるものと認識してもらうのがいいでしょう。
――まるで5つのゲームをまとめたようなボリュームですね(笑)。
Leslie氏:
本作にはアウトブレイクやDMZ,MWZといった,過去にあったモードも組み込まれています。集大成と表現するには過剰かもしれませんが,こういったモードが好きだったプレイヤーには楽しんでいただけるものになっていると自負していますし,本作でしか味わえない興奮も用意しています。
社内でもエンドゲームまで含めたテストプレイを行っているのですが,皆仕事をしないでテストばかりしているんです(笑)。もちろん「そろそろ仕事に戻りなさい」と指令を出すわけですが,業務時間外まで“自主的に”テストしているようなケースが多発してまって。なので我々としては,もうヒット作品だと思っています(笑)。
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――先ほど日本のコミュニティについての言及がありましたが,どのような印象を抱いていますか。
Leslie氏:
非常に多くのファンが「CoD」を,そして「Black Ops」を愛してくださり,大変嬉しく思っています。細かいディテールに注目するファンが多いとも聞いているので,今回の日本マップはぜひ楽しんでいただけるものと期待しています。それこそディティールにこだわって制作しましたので,日本人から見ても現実に忠実と映るのではないでしょうか。
これは先日,我々の内部で話題になったエピソードですが,北米やヨーロッパのデベロッパが日本を舞台にしたゲームを作るときって,たいていが“桜”を置きたがるんですよね。我々からすると「桜に頼るのはアマチュア」という感覚なので,今作では日本の風景を再現する手段として“もみじ”を取り入れ,移り行く四季を感じられるような空気感を目指しました。日本チームとコミュニケーションを取りながら制作した恩恵だと思っています。
――最後に,日本のファンへのメッセージをお願いします。
Leslie氏:
まずは日本の皆さんに,「BO7」を存分に楽しんでもらえたらと思っています。そして,我々が力を入れて作った日本マップを見ていただきたいです。厳しい目で見られても大丈夫なほどの自信作ですので。皆さんのご意見や感想を楽しみにしています!
Saindon氏:
とてもいい仕上がりになったと自負しています。オープンβテストでは「トシン」がマッププールに入る予定なので,ぜひテストにも参加してみてください。
――ありがとうございました。
「Call of Duty: Black Ops 7」公式サイト
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