「少女と学園城」は，ライトユーザーでもメトロイドヴァニアの面白さが味わえる［WePlay 2025］

　Atomstring Gamesが開発する「少女と学園城」（PC）は，WePlay Expo 2025の会場で出展されたメトロイドヴァニア系アクションRPGだ。

　今回展示されたビルドは，すでにSteamストアで公開されている体験版と同内容とのことで，本稿ではゲームプレイを控えめにし，インタビューを交えながら本作の特徴を紹介していく。



　本作は，広大なマップを探索し，新たな能力の獲得によって行動範囲が広がる王道のメトロイドヴァニア構造を採用している。開発陣によれば，新たに取得した能力を用いて以前は踏み込めなかった場所を再訪すると，思わぬ発見やショートカットが見つかるという。能力は探索だけでなく戦闘面にも影響し，強敵との戦いにも寄与するとのことだ。

メトロイドヴァニアおなじみの隠し部屋

試遊版ではダッシュと二段ジャンプが開放される

　主人公タマが扱う武器「パラソルランス」は，傘を模した特徴的な武器で，状況に応じて形を変えられる。閉じた状態では斬撃や突きといった攻撃に使え，開くことで敵の攻撃を防いだり，滑空に利用したりと，探索と戦闘の双方で役立つバランス型の武器だ。


　なお，武器はパラソルランスに限らず，正式版では軽快なスピード型や，重厚なスマッシュ型など，多彩なスタイルに応じた武器が使い分けられるという。

Live2Dによるアニメーション

　キャラクターデザイン面では，タマをはじめ登場人物はすべて女性キャラクターで，華美かつ舞台劇を思わせるビジュアルが印象的だ。会話シーンではLive2Dによる演出が用いられ，物語に躍動感を与えている。

　デザインの方向性について尋ねたところ，多くのキャラクターは東欧地域の学生服を参考にしつつ，舞台劇に寄せた大胆なアレンジを加えているとのこと。学園と「城」を掛け合わせた世界観に，特有の華やかさを与える狙いがあるようだ。

主要キャラが演者のようで，モブキャラの“普通の生徒”感が際立つ

　ストーリーは，創立百周年を迎えるカーメル学園で開催される「カーメルスター選挙」から幕を開ける。カーメルスターとは学園最高の名誉であり，もっとも支持される生徒へ贈られる称号だ。タマは交換留学生として転入したが，彼女が選挙へ立候補したのは，前任のカーメルスターから招かれたためだという。つまり，タマの目的は最初から明確で，カーメルスターの座を手にすることにあったわけだ。

　カーメルスターを目指すには，支持率を高めていく必要がある。体験版では，メインストーリーの進行やサイドクエストの達成によって支持率が上昇する仕組みが確認できた。具体的な分岐条件は現時点で非公開だが，開発陣は複数のエンディングを用意しており，支持率以外にも分岐に影響する要素があると明かしている。


　2025年9月に体験版が公開されて以降，プレイヤーからはバトル，手触り，テンポなど多岐にわたるフィードバックが寄せられたという。開発陣はプレイヤーに感謝を述べつつ，寄せられた意見を反映しながら，より完成度の高い作品を目指して調整を続けていく姿勢を示していた。


　最後に，本作が数多くのメトロイドヴァニア作品の中で，どのような位置づけを目指しているのかを尋ねた。開発陣は，「より多くのプレイヤーがメトロイドヴァニアの楽しさに触れられるよう，同じジャンルの作品よりライトな遊び心地を意識している」と語る。

　ジャンルに不慣れなライト層にも手に取りやすくしつつ，探索や成長の醍醐味をしっかりと体験できる作品を目指しているようだ。本作は2026年1月に向けて発売予定となっている，現在Steamにて体験版が配信されているので，興味のある方は直接に触るとよいのだ。