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ウォーシミュレーション「タイニーメタル2」が,2026年内にリリース。これまでのシリーズでやりたかったこと,できなかったことを詰め込んだ1作に
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印刷2025/09/25 10:00

インタビュー

ウォーシミュレーション「タイニーメタル2」が,2026年内にリリース。これまでのシリーズでやりたかったこと,できなかったことを詰め込んだ1作に

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 AREA35は2025年9月25日,開発中の新作ゲーム「タイニーメタル2」を2026年内にリリースすると発表した。本作はウォーシミュレーションゲーム「タイニーメタル」シリーズの最新作で,特徴となる要素を強化した正統後継作だ。プラットフォームはPC(Steam),その他となっている。開催中の東京ゲームショウ2025に出展されているブースでは,約15分のプレイアブルバージョンを体験できる。

 本作はターン制を採用したシミュレーションゲームで,マップ上の敵を全滅させるか,HQ(司令部)を占領するなどの条件を満たせば勝利となる。歩兵ユニットで都市を占領して収入を増やしたり,工場や空港で各種ユニットを生産して戦力を増強したりしながら勝利を目指すというオーソドックスな内容である。

東京ゲームショウ2025には,TGSバージョンが出展されている
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 カジュアルなグラフィックスやシンプルで分かりやすい操作が入り口となる本作だが,基盤となるシステムは本格的だ。戦車はジープに強く,ジープは歩兵に強く……のようなユニット間の有利不利を筆頭に,地形効果や先制攻撃,与ダメージが大きくなる側面・背面攻撃などを意識して戦術を展開しないと勝利を掴むのは難しい。これは,シリーズを通しての大きな特徴となっている。

ネイサンやヴォルフラムなど,おなじみのキャラクターも引き続き登場する
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 そういったシリーズの特徴を継承しつつ,本作ではキャラクターを追加してストーリーに深みを持たせたり,新たに海戦の要素を加えたりと新たなチャレンジをしている。今回,プロデューサーを務める由良浩明氏に本作について話を聞いた。

由良浩明氏
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戦争が身近だった生い立ちと「戦争を忘れてはいけない」という思い


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。さっそくですが,「タイニーメタル」シリーズは,往年の「ファミコンウォーズ」の影響下にあると公言されていますよね。由良さん自身,「ファミコンウォーズ」を好きだということでしょうか。

由良浩明氏(以下,由良氏):
 大好きです。子どもの頃,ずっと遊んでいました。もちろん「カンパニー・オブ・ヒーローズ」のようなRTSもプレイしますけれども,ウォーシミュレーションの中ではダントツに「ファミコンウォーズ」が好きですね。何より見た目が可愛いですから。

4Gamer:
 「ファミコンウォーズ」へのオマージュはもちろんですが,由良さんがウォーシミュレーションを手がける理由を教えてください。

由良氏:
 日本の企業だと,実際に戦争が起きるとウォーシミュレーションを世に出しづらくなるという事情があるんですね。戦争の中では,兵士が怪我をしたり,最悪亡くなったりしますから。でも僕は海外育ちなので,オーストラリアやアメリカの知り合い,あるいは彼らの家族など誰かしら戦争に関わっている人が常に身近にいます。
 そういう状況では,やはり戦争というトピックから目を背けることはできない。とくに2025年は戦後80年ですから,日本人として第二次世界大戦を忘れてはいけないという気持ちでウォーシミュレーションを作っています。

 僕の描く「タイニーメタル」シリーズのストーリーには,かつて大きな戦争があって,その中で大量破壊兵器が使われたりしてテクノロジーが失われた状況で,また復興していくという背景があります。その復興の過程で,大量破壊兵器などのロストテクノロジーが発掘されたりもするのですが,それらを正しく処理できるのかを問うことがテーマとなっています。

4Gamer:
 少し「風の谷のナウシカ」を思わせますね。

由良氏:
 そうですね。ただ戦艦などを作れるので,「ナウシカ」よりもテクノロジーは損なわれていません。かつてのテクノロジーは,たとえば特定の民族を根絶やしにするような恐ろしい兵器も作り出していたので,それを発掘した主人公達がどうするのか……という展開になります。基本的には,反戦の立場です。

4Gamer:
 描き方が難しそうです。

由良氏:
 そのとおりですが,6歳からオーストラリアにいた僕の経験からすると,友達になったら分かり合えるんですよ。いろんな国があって,それぞれカルチャーが異なるから最初は小競り合いが生じたりするんですけれども,仲良くなることによって「カルチャーが違っても,それはそれでいいんだ」となっていく。その納得感をシリーズを通して盛り込んでいる半面,「お互いをリスペクトすることは,とても重要だが難しい」ということも表現しています。


シリーズの長所を継承しつつ,より遊びやすく。断念していた海軍も導入


4Gamer:
 前作「タイニーメタル 虚構の帝国」が2019年リリースですから,もう6年が経過しています。

由良氏:
 もっとも大きな要因は,我々が“一年戦争”に3年半携わっていたために,ゲーム開発に集中できなかったことです。すごく楽しかったし勉強になりましたけれども,やはり自分達のIPを作りたいという思いが強くあって,今回「タイニーメタル2」を発表する運びとなりました。

4Gamer:
 「タイニーメタル2」で進化した部分などを教えてもらえますか。

由良氏:
 まず「タイニーメタル」と比較すると,格段に挙動が軽くなっています。と言うのも,当時の我々は予算がまったくなくて,テクスチャを使えなかったんですよ。Unreal Engineで,全部シェーダーを使って描画したらものすごく負荷がかかってしまって。今回はしっかり予算を確保してテクスチャを使ったので,負荷も軽くなり,グラフィックスのクオリティも上がりました。

4Gamer:
 基本的には,シリーズの正統後継作と捉えていいのでしょうか。

由良氏:
 そのとおりです。我々は元Blizzardですから,「壊れていないものは変更する必要がない」という考え方を継承しています。その上で「タイニーメタル2」を作るにあたっては,「やりたかったこと,できなかったことをやる」と決めました。
 たとえばプレイのしやすさを追求したり,専門のデザイナーを設けてUIやUXを設計したりしています。海軍の導入もそうですね。まだリストのすべてを実現できてはいないのですが,大半は何とかなりそうです。それらの情報に関しては,リリースに向けて順次公開していきます。

4Gamer:
 新たに海戦を導入したのは,遊びの幅を広げるためでしょうか。

由良氏:
 実は海軍ユニットはバランス調整が難しいので,「タイニーメタル」では敢えて入れなかったんです。テストプレイで,「海軍,いらなくね?」ってなってしまったんですよね。「タイニーメタル2」では,海軍にきちんと意味があり,どんなプレイスタイルでも必要になる前提でバランスを調整しました。

TGSバージョンにも,海軍ユニットが登場
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4Gamer:
 マップによっては,海軍がすごく活躍することもあるのでしょうか。

由良氏:
 マップとコマンダーによって戦術が変わるので,勝つためにはバランスを考える必要があります。戦車ばかり作っていたら絶対負けます。「タイニーメタル」シリーズの考え方は極めてシンプルで,要はアメリカの「Combined arms」に沿っているんです。陸海空がきちんとコミュニケーションを取って,戦略や戦術を練ったほうが良い結果になる。戦車が強いコマンダーをメインで使うにしても,空軍や海軍がしっかりサポートしないと負ける。

 歩兵も重要な存在で,いないと占領できません。また難度がノーマルやハードになると,霧が出て来て敵の配置が分からなくなり攻撃できません。レーダーで探知できなければ,攻撃できない。でも歩兵が丘の上に登ったら,配置が見えるようになるんです。

4Gamer:
 見た目やプレイ感はカジュアルでも,ベースは本格的であると。

由良氏:
 これもBlizzardから継承している考え方ですが,ライトなプレイヤーにも楽しめる内容で,ヘビープレイヤーは掘れば掘るほどどんどん楽しみ方が増えるゲームを目指しています。

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4Gamer:
 ほかに,このタイミングで公開できる情報はありますか。

由良氏:
 キャストの豪華さですね。「タイニーメタル」のときはそれほどアピールしなかったのですが,実は津田健次郎さんや種﨑敦美さんといった実力派,かつ今,大人気の声優さんを起用していました。
 「タイニーメタル2」ではキャラクターが倍近く増えているんですけれども,津田さんや種﨑さん達と同じレベルの声優さんを揃えないとバランスが取れません。音響監督を兼任する僕としてこだわり抜いた部分です。具体的な声優さんのお名前などは,今後発表していきます。


ミリタリースクールの射撃部での経験も活かされている


4Gamer:
 「タイニーメタル」シリーズをプレイしていると,ミリタリー好きが開発に関わっているという印象を受けます。もちろん「タイニーメタル2」からも,それを感じました。

由良氏:
 お話ししたとおり,僕は6歳の頃,1987年からオーストラリアに住んでいたのですが,当時はまだインターネットが一般に普及していなかったんですよね。家にあったのは「大日本帝国海軍」と「大日本帝国陸軍」という2冊の本と日本の歴史漫画くらいで,それらを何回も繰り返し読んでいました。その頃の日本だと「ビックリマン」や「SDガンダム」がヒットしていましたから,同年代と比較するとかなり知識が偏っていると思います。

 あとはミリタリースクールに通っていたのも大きいですね。The Scots Collegeというイギリス系のミリタリースクールで,何かしらスポーツの部活に入らなければならなかったんですけれども,僕は射撃部だったんですよ。スポーツと言えば僕はずっとラグビーだったんですけれども,ヴァイオリンをやっていたから「指を折るかもしれないからダメ」って。

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4Gamer:
 そうなると,銃器にも詳しいわけですか。

由良氏:
 日本のミリタリー好きの皆さんにはおよびませんが,結構詳しいほうだとは思います。たとえば十数年前,僕は米海兵隊のMSDF(Marine Cecurity Detouchment Force)の隊員達とサバイバルゲームのチームを組んでいたんですけれども,そのきっかけは銃の扱いでした。「サバゲーなのに僕と同じことをやってるな」と思って声をかけてみたら米海兵隊の隊員で,仲間に入れてもらったんです。

4Gamer:
 そうなると,よりリアルなウォーシミュレーションの企画・開発に取り組みたくはなりませんか。

由良氏:
 僕自身は,新しいものを生み出すよりも,今あるものを今後に残していく年齢に差し掛かっています。また先人の方々に敬意を示す一番の手段は,彼らが作ったものを超えることだとも捉えています。
 それらを踏まえると,僕は「ファミコンウォーズ」や「大戦略」などリスペクトを抱いているタイトルを超えるゲームを作らなければなりません。だから,ストーリーをエンジョイできて,それがしっかりゲームプレイにも落とし込まれる「タイニーメタル」シリーズ,あるいは同じコンセプトのウォーシミュレーションを作っていくことになるでしょう。

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4Gamer:
 最後に「タイニーメタル」のファンに向けて,メッセージをお願いします。

由良氏:
 全体的にすごく頑張って作っているので,ぜひ注目してほしいです。TGS 2025にも出展しているので,ぜひブースでプレイアブルバージョンを触ってみてください。3年半の“一年戦争”で得たものを感じ取っていただけると思います。

4Gamer:
 ありがとうございました。

「Tiny Metal2」Steamストアページ

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