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印刷2025/08/20 20:13

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設立時の趣旨をみんなで継続すればいい評価を受けられる――BIC組織委員長に就任したチュ・ソンピル氏の共同記者会見をレポート[BIC2025]

 2025年8月15日〜17日に,韓国釜山で開催されたインディーゲームイベント「BIC Festival 2025」では,初日となる8月15日に,BIC組織委員長のチュ・ソンピル氏が就任して初となる,共同記者会見が行われた。

BIC組織委員長のチュ・ソンピル氏
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 11年前の初開催,その準備期間からBICに関わっていたチュ・ソンピル氏は,アワードや展示形態など,これからの方向性について,「ブランドと権威の強化」を掲げるとともに,既存のアワードや展示だけでは不足していたとして,インディー開発者に必要な機能を拡張したいとした。
 また,カンファレンスが不足しているとも判断しており,今後,開発者が必要とするカンファレンスを常設する予定だという。なお,イベント期間中にするか,今年のように前日に行うかは未定とのことだ。

 「2024年とは出展されるタイトルのトレンドが変わったようだが,主催者側の変化なのか」という質問に対して,チュ・ソンピル氏は,BIC選定のプラットフォームやジャンルが変わったわけではなく,開発トレンドが変化したのだと思うと回答した。
 会場にいたSmilegateのStove事業総括代表であるソ・ジョンスク氏は,AIによってトレンドが大きく変わると予想しており,サウンドおよびグラフィックスでのAI活用が高まっていると指摘。今後,インディーゲーム開発者が増加し,AIがインディーゲーム市場が大きくなることに役立つのではないか,とした。
 実際に今回の取材では,ローカライズにAIを利用したという開発者は,少なくなかった。細かな調整は必要になるだろうが,以前(の直訳のような機械翻訳)とは比べものにならないくらいに,自然な日本語に感じられるものが多く,これまで以上に,個人でグローバル展開を行う機会が増えるのではないか,とも思わされる。

Smilegate Stove事業総括代表 ソ・ジョンスク氏
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 なお,インディーゲームの出展を希望するときに,(BIC事務局に)応募しなければならないのだが,その理由として,市場トレンドが何かに集中すれば,市場成長の可能性が低いと判断しているからだという。一方,そうした選定の影響で,参加機会が不足しているのも事実だとし,パブリックブースを2024年の開催時よりも強化して,大学や機関(KOCCAなどだろう)に機会を与えることに,フォーカスを置いていくとした。
 なお,今回のBICでは,開発者やユーザーから最大限の意見を聞くために,随所に意見箱を設置していたという。その意見を統合して,今後のBICの方向性について,最善の方策を選択したいとのことだった。

 ところで,2024年の開催では,3日間の開催期間を,B2B(ビジネスデイ)1日とB2C(一般日)2日と分けていたが,今年は3日間すべてをB2Cとして開催している。その理由は「ユーザーからもっと多くのフィードバックを得たいが,2日間では短すぎる」といった開発者の声があったからだという。

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 また,「G-Starのように,鉄道の割引などユーザー側への利便性を提供できないか」という質問に対して,BICは事業的な展示会ではなく,ブースを用意し,宿泊を含め開発者を支援するイベントであるため,金銭的な余裕がない。そのため,不十分な部分がありえると回答した。一方,(BICへの)投資が増えるのであれば,補完は可能であるとしている。

 西欧圏での認知度を高める計画については,現時点で具体的な計画はないとのこと。東アジア圏は強固なネットワークが形成されているが,インディーゲームだけの展示を行うところが(西欧では)ない。
 ただ,gamescomなどではインディーゲームが出展されていることもあり,G-Star事務局との協業を通じて,インディーゲームの活性化のための計画は立てているという。

 さて,この手のゲームイベントでは,企業系やインディー,学校系など,出展者の属性に合わせて,ブースが配置されることが多い。一方,今回のBICでは,ジャンルでグループを分けて,ブースが配置されていた。
 チュ・ソンピル氏によれば,似たようなジャンルの開発者とユーザーが集まることで,コミュニケーションの機会になるのではないかと考えたからだという。
 実際に取材した感触としては,特定のジャンルを見て回ることに関しては,とても分かりやすい配置だと思うが,人気ジャンルのブース周辺に人が集まり過ぎないか,好きなジャンル周辺を中心だけを見て回って,こうした展示会の意義でもある(と思う),“思わぬ発見”につながりづらくなるのではないかという,個人的な懸念点も感じられた。

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 最後に,BICや組織委員会を長く存続させるために,設立時に作られた趣旨を守り続けることが大切だと述べた。BICの規模が拡大したとしても,その目的をみんながしっかりと継続していけば,この分野でいい評価を受けられると期待しているとして,記者会見を締めた。

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