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印刷2025/08/16 17:02

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悪夢から脱出するパズルADV「AION: A Girl Wondering through Nightmares」を紹介。3人の開発チームによる8度目の挑戦[BIC2025]

 韓国で開催中のインディーゲームイベント「Busan Indie Connect Festival 2025」BIC2025)に出展されていた「AION: A Girl Wondering through Nightmares」を紹介しよう。
 本作は2021年に設立されたWhale Game Studioが,3人という小規模チームで開発を進めるパズルアドベンチャーゲームだ。日本を含むグローバルでのリリースは,2026年が予定されている。

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 主人公は,家庭内暴力を受けて病院に入院している少女だ。プレイヤーは彼女の悪夢の中を探索し,暴力の記憶を象徴する怪物たちから逃げながら,パズルを解いて脱出を目指すことになる。

 作中にはテキストがほとんど登場せず,ストーリーはキャラクターの外見や,アイテムに書かれた短い文から推測する仕組みになっている。

 全体的な雰囲気は「リトルナイトメア」に似ている印象を受けたが,奥行きを使ったパズルが多く,プレイ感は少し異なっていた。

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 今回は,Whale Game StudioのCEOであるSung Hyeok Park氏にインタビューすることもできたので,その模様をお伝えしよう。


4Gamer
 お時間をとっていただき,ありがとうございます。まずはParkさんの経歴から教えてください。

Sung Hyeok Park氏(以下,Park氏)
 私はもともとサムスン重工業の責任研究員でした。その後,ゲームを作りたくて中小ゲーム会社を2社経験し,そこで幸運にも成功を収められました。それで想定より早く,自分のスタジオを設立できたんです。

4Gamer
 なぜ独立してスタジオを立ち上げようと思ったのですか。

Park氏
 最初は簡単だと思っていました(笑)。私はソウル大学で勉強していたので,FPSでもMMOでも作れると過信していたんです。でも実際にやってみると,最近のゲームのクオリティは非常に高く,ただ撃ち合うだけのゲームでは誰も面白いと感じてくれないことが分かりました。
 たくさんのプロジェクトがボツになっていて,今回の作品はスタジオとしては第1作ですが,ボツになったものを含めると8作目でもあるんです。

4Gamer
 これまでにボツになったプロジェクトは,どんなジャンルでしたか。

Park氏
 1作目はFPS,2作目はデッキ構築型ローグライク,3作目以降はアドベンチャーゲームでした。市場規模で言えばFPSが最も大きいのですが,3人のチームでは人材も技術も不足していました。
 本作のクラウドファンディングでは,一般的には300万から500万ウォンを集めるところ,私たちは広告なしで1500万ウォン(約160万円)を集めることができ,市場の良い反応だと判断しました。

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4Gamer
 今回の作品のコンセプトについて教えてください。

Park氏
 私と作家の友人で共同執筆した長編小説の一部をゲーム化したもので,ログライン(一言説明)は「恐ろしい怪物から,可愛い少女を助けてください」です。

4Gamer
 小説を原作としているのに,なぜゲーム内には文字が少ないのですか。

Park氏
 プレイヤーに推理してもらいたいからです。単純に「これはこういうストーリーです」と提示するより,想像の余地を残したい。リリース後のある時点で,別の手段で確かな情報を提供する予定です。

4Gamer
 影響を受けた作品はありますか。

Park氏
 「LIMBO」「INSIDE」「リトルナイトメア」など,同ジャンルの作品はすべてプレイしました。見た目は「リトルナイトメア」に似ていると言われることが多いです。
 しかし,横スクロールだけでなく奥行きを使った移動や,パズルの構成など,独自性を出すよう努力しました。実際にテストプレイをした方々からは,「こんな作り方もあるんだ」とオリジナリティを認めてもらっています。
 
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4Gamer
 開発で苦労した点を教えてください。

Park氏
 一番は最初に作ろうとしたFPSが作れなかったことですね。市場のゲームのクオリティが高すぎて,私たちの技術力では競争できませんでした。ハイパーFPS(「Quake」シリーズのような高機動FPSを表す韓国のゲーム用語)を実現するには高度な物理演算データが必要で,3人のチームでは限界がありました。
 今回の作品に関してだと,既存の有名作品との差別化に苦労しました。

4Gamer
 日本でのリリース予定はありますか。

Park氏
 はい,2026年にグローバルリリースを予定しており,当然日本も含まれます。現在,ソニーや任天堂とも連絡を取り合い,コンシューマ版のリリースに向けて作業を進めています。楽しみに待っていてください。

4Gamer
 最後に,読者へのメッセージをお願いします。

Park氏
 本当に楽しいゲームを作るために努力しています。リリースされたゲームを楽しんでいただければ幸いです。

Whale Game StudioのCEO Sung Hyeok Park氏(左)
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