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インディーゲーム展示会「ぶらり川越 GAME DIGG」レポート(後編)。作者の個性や人柄を感じさせる,楽しいゲームの数々を集めてみた
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印刷2025/04/25 10:29

イベント

インディーゲーム展示会「ぶらり川越 GAME DIGG」レポート(後編)。作者の個性や人柄を感じさせる,楽しいゲームの数々を集めてみた

 インディーゲーム展示会「ぶらり川越 GAME DIGG」(以下ゲームディグ)が,2025年4月13日に埼玉県川越市で開催された。先に掲載したレポートの前編では,川越観光の魅力を取り入れたイベントの様子や,主催者である斉藤敦士氏のインタビューなどをお伝えした。

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 初開催となるインディーゲーム展示会「ぶらり川越 GAME DIGG」をレポートする。2025年4月13日に埼玉県川越市で行われた本イベントは,ゲームの試遊だけでなく,川越の街の散策も一緒に楽しめた“オープンタウン型のゲームイベント”だ。

[2025/04/17 15:36]

 今回の後編では,当日に展示されていた50本以上の作品の中から,地元愛あふれるアクション,宅飲みで潰れないようがんばるノベルゲーム,異彩を放つダイス麻雀ゲームなど,プレイして印象に残った8本の作品を紹介しよう。
 なお会場の雰囲気が影響したのか,ほかのインディーゲームイベント記事とは一味違ったラインナップになった……気もする。

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「バイオハザード」のシナリオや設定,「アインハンダー」のプランニング,「FF11」の世界設定などを手掛けたことで知られる岩尾賢一氏「四のの目」を出展していた。大幅にパワーアップした「深 四のの目 -陰陽の巫女-」も今年リリース予定だ

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20年前の上野界隈を舞台にした一次元RPG「至れり尽くせリ」(PC / Switch / iOS / Android)は,4月26日に発売。イベント当日は試遊ができたほか,キーホルダーをカプセルトイの筐体で販売していた

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 東京ゲームショウ2024のKADOKAWA Game Linkageブースに,思考型ローグライクホラー「深 四のの目 -陰陽の巫女-」が試遊出展されていた。数分程度でクリアできる単独ステージ「禊」,試遊限定ステージ「江戸」の2モードをプレイし,和ホラーの作りこみや,並々ならぬこだわりを感じてきた。

[2024/09/30 12:23]
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[2024/11/01 14:33]

「ぶらり川越 GAME DIGG」公式サイト



打倒東京にはJimotoism

出展者:株式会社カナメクト

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 川越のイベントだからこのテーマを選んだ……というわけではないが,1本目は埼玉発の,地元あるあるTeeブランドJimotoism(@jimotoism)が監修する作品を紹介しておきたい。
 ゲーム制作は,動画配信などで人気のアクションアドベンチャー「Ichima-san」(いちまさん)を手がけた,せをはやみ氏@hayami_sewo)が担当。一見ジョークのように見えるが,本気の取り組みのようである。

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ブースでは,カナメクト氏(@KANAME_kohakura)本人がTシャツをアピール

 ゲームジャンルは横視点アクションで,キャラクターの動きには物理エンジンが使われている。操作感は,いわゆる「壺おじ」こと「Getting Over It with Bennett Foddy」や「ヒューマン フォール フラット」のような,もどかしくも納得感のある感じ。
 主人公は「埼玉」「千葉」「大阪」から選べ,選ばれなかった自治体は一緒についてきて,踏み台などとして利用できる(!)。

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 背景に書かれた“Jimotoあるあるネタ”を見てクスリと笑いつつ,深谷ねぎなど地域の名物を撃ってブロックを破壊したり,コインのようなものを集めたりして,ゴールを目指すという内容だ。
 近日中にアーリーアクセスが始まるそうなので,地元愛が強い人や,東京一極集中を打破したい人などはぜひ遊んでほしい。

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取材ではもちろん「川越ステージ」をプレイ。観光地化すると地元民はちょっと大変という,リアルなオーバーツーリズムあるあるも綴られていた




今日こそは_酔い潰れない_絶対に!

出展者:Yachiyo Games

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 飲みの席で酔い潰れないように,水を飲んで酔いを醒まし,会話を続けていく。そんなシンプルな遊びながら,なかなかに楽しめたノベルゲームが「今日こそは_酔い潰れない_絶対に!」だ。

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 シチュエーションとしては,友人との宅飲みで,友人が持ってきたお酒を8本飲み切れば,酔い潰れずに物語を最後まで進められる。
 強い酒を看破して,いっしょに水を飲めば酔いが軽減されるのだが,水を飲める回数は3回まで。出てくるお酒はある程度ランダムのようで,どうやってもクリアが無理そうな場合もある(笑)。

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 登場するお酒のグラフィックスは凝っていて,「このパステルな色の缶はたぶんアルコール度数が低そう」「サイケデリックな動物の絵柄……たぶん強いヤツだ」とお酒としての強さもイメージできる。いっしょに水を飲むかの判断にも活用できるので,プレイは実に楽しい。

 作者の街八ちよ氏@Yachiyo_Games)にお話を聞くと,主人公と同様にご本人もお酒に弱いそう。作中の酔いつぶれる描写が,とても自然だったことにも納得できた。

一度飲んだお酒は,強さを確認できる親切設計
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 一応BLが描かれた作品ではあるのだが,登場する辰巳と有馬はなかなかかわいらしく,BLファンでなくとも「淡い恋愛もの」として楽しめるかと思う。ノベルゲームコレクションで無料公開されているので,軽率に遊んでみてほしい。

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ノベルゲームコレクション「今日こそは_酔い潰れない_絶対に!」



欲望☆正月フォーエバー!!

出展者:あぐろ

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 お酒がテーマにからむゲームをもう1本。正月休みでいい具合に酔っぱらったOLの餅月みかん(30歳)は,お正月が永遠に続かないものかと夢想していた(即タイトル回収)。
 そんな彼女は近所の神社の神様に,永遠に続くお正月を要求。もちろん神はそれをよしとせず,壮絶なバトルが始まった……。

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 本作は,あぐろ氏@aguroshou)ら4人のチームが,「Unity1週間ゲームジャム」向けに制作したもの。シューティングを遊びながら武装でポーカーをするようなプレイ感で,グラフィックスにライブ感があるのはいかにもゲームジャムの作品っぽい。

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 シューティングパートは,固定された画面内を動きつつ敵をマウスで狙って撃つという内容だが,画面はすぐに敵弾で溢れかえってしまう。素早く敵を倒すか,回避アクションを使って弾幕を抜けることが攻略のコツとなる。

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ローグライト的なパワーアップ要素も

 ポーカー要素は,武装の選択にある。かまぼこ,れんこん,だてまきなど,おせち料理をモチーフにしたさまざまな武装は手元に5つまで残せる。武装は単独で使えるもの,ペアで使用可能になるもの,スリーカードで使用可能になるものがあり,同時に条件を達成していれば複数の武装を使うことも可能だ。

 例えば,だてまきで長距離を攻撃しながら,かまぼこで扇状のエリアを制圧,といった具合。単独でも使える武装は性能もそれなりだが,条件の厳しい武装ほど強力で,一瞬で敵が溶けていく。

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れんこん,くろまめ,かまぼこの3種が成立。これで勝ったも同然だ!?

 武装の引きが悪くても諦めるのはまだ早い。20秒ごとに武装は引き直しになるので,生き延びればチャンスはやってくる。ゲームの進め方によってエンディングも変化するので,つい繰り返し遊んでしまうのだ。

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unityroom「欲望☆正月フォーエバー!! 」



びはんとマルの森

出展者:RirCreate

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 会場を歩いていると,明るい森の中で過ごしているような,なんとも雰囲気のいい曲が流れているブースがあった。そこで展示されていた作品が「びはんとマルの森」だ。
 本作は開拓系のゲームで,時間経過によってもらえる「どんぐり」をデコレーション用のアイテムと交換し,森の集落を飾っていく。また,集落が発展するたびにお話が進展していく要素もある。ちょこちょこと動くドット絵のキャラクターたちは,温かみがあってかわいらしい。

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 作者のりるを氏@Riruwo_)によると,2019年頃にイベントなどへ出展していたものの,諸事情により開発を中断していたとのこと。これから,改めて正式リリースを目指していくそうだ。

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 足を止めるきっかけとなった楽曲は,「トモダチコレクション」「いつの間に交換日記」「OU」などの曲を手掛けた椎葉大翼氏@shiibadaisuke)の手によるもの。
 世界観をしっかり反映したものとなっていたからこそ,筆者はごく自然に「びはんとマルの森」に“足を踏み入れる”ことができたのだと思う。

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 なおブースでは,アクリルキーホルダーならぬ「ウッドキーホルダー」なども販売されていた。作品のナチュラルな雰囲気にぴったりで面白い。

「RirCreate」公式サイト




大陸特急スチームライナー

出展者:尚美学園大学

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 埼玉にキャンパスを構える尚美学園大学はいくつかの学生作品を紹介していたが,その中で目に止まった「大陸特急スチームライナー」を紹介しよう。

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 本作は,列車を操作する横視点のシューティングだ。スピードのコントロールとポイント切り替えによる路線間の移動で位置取りし,同じく線路を走る敵対する機関車と砲撃戦を繰り広げる。

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 なかなか斬新な感じではあるが,ゲーム歴が長い人であれば,セガのアーケードゲーム「スーパーロコモーティブ」を思い出すかもしれない。ただ作者は同作のことは知らなかったらしく,あくまでも偶然とのこと。

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「スーパーロコモーティブ」は,メガドライブミニ2に収録されている

 雰囲気は似ているかもしれないが,内容は別物だ。主に機関車が側面から描かれている画面を見て遊ぶ点でも,大きく異なる。
 プレイは,敵列車に砲撃を当てやすいように速度調整や路線変更を行い,うまく位置取りすることがコツだ。駅では車両を修理して耐久力を回復したり,新たな車両を追加して戦力アップを図ったりと,コツコツ積み重ねて強化していく楽しさもあった。

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 ゲームデザインの意図を聞いてみると,路線間を移動して撃ち合うゲームにすることで,操作感を分かりやすくすることを狙ったらしい。
 先にゲームデザインがありきで,それに合ったビジュアルを考えたという順番だったためか,遊んだときにまとまりが感じられる作品となっていた。

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「尚美学園大学」芸術情報学部 情報表現学科ページ



PACTON & BEOWULF R

出展者:おふじ

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 シャープが1987年に発売したPC「X68000」。それをミニサイズで再現した「X68000 Z」が,2023年に発売されているのだが,その実機で動いていた2本の作品を紹介しよう。

 「PACTON」は,一画面内で敵を回避しつつゴールを目指すゲームだ。シンプルだからこそ,没頭してしまうタイプの作品となっていた。
 敵を攻撃することもできるが,かえってしっぺ返しを食らったりもするので,平和に進んでいくのもひとつの手。敵の動きをよく見て,タイミングよくかわしながら進んでいく感覚が懐かしくも楽しい。

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 「BEOWULF R」は,「BattleArts 199X コレクション」に収録されているもの。本作のビジュアルと操作感,BGMは,名作アーケードゲーム「ラスタンサーガ」……ではなくその続編で,ファンの間で物議をかもした「ラスタンサーガII」を思い出させる(笑)。

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 しかしながらゲームとしてはしっかり調整されており,敵の進路を予測して「置き撃ち」ならぬ,剣を「置き振り」しておくことで,気持ちよく敵を倒せるアクションゲームに仕上がっていた。
 さらに無敵時間のあるスライディングの使い方もポイントで,元ネタよりも激しい敵の攻撃をしのぐことができる(ここは「ヴァリスIII」の影響か)。

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写真では失敗しているが,こんな炎のブレスもスライディングで回避可能

 道中はスリルを感じつつもサクサク進め,ボス戦ではちょっと苦戦するメリハリの効いたプレイ感が心地いい。ついつい先のステージまで遊びこんでしまった次第だ。

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 作者のおふじ氏@a_ofuji)によれば,両作品とも,かつて作ったゲームをベースにX68000 Z発売のタイミングに合わせて手直したものとのこと。ただあまり手を入れすぎずに,あえて懐かしさを残してあるところが絶妙だと感じた。

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ドラゴンの立てる地響きにより,上からは岩まで落ちてくる。無敵スライディングの使いどころだ

BOOTH「STAY@GAME自作ショップ」

「BattleArts 199X コレクション」公式サイト



キングスレイヤー

出展者:踊るイッセー

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 ゲームディグには,アナログゲームも出展できる。

 「キングスレイヤー」は,「ドミニオン」などの流れを汲む“トレーディングカードゲームっぽいけどトレーディングしない”対戦型カードゲームだ。
 作者の踊るイッセー氏@ODORU_ISSEI)は,2021年頃に本作のクラウドファンディングを行い話題を集めていたので,ご存じの方もいるかもしれない。

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 本作には移動や射程の概念があり,将棋や「ファイアーエムブレム」シリーズの高難度ステージのように,盤面に「駒が効いている」感覚をしっかり意識してプレイすることがポイントとなる。
 ただし,読みに勝った側が必ずしも有利にならないのも大きな特徴。ひとつの山から互いに援軍カードを引き合うことになるので,カードの引きで戦局がひっくり返ることもある。思考と運のバランスが程よい緊張感を生むわけだ。

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 ゲームについて熱く説明してくれた踊るイッセー氏だが,数年ぶりに新展開があるのかと聞いてみたところ「今となってはいい思い出です……」との返答が,何かがあったのだろうか……。
 それでも,氏のクリエイティブへの情熱は健在のようである。漫画家が本業である氏,いや,踊るイッセー先生の次なる作品にご期待ください!

「キングスレイヤー」のボックスには仕掛けがあり,隠しカードが入っている。おそらく気づいていないプレイヤーはいないと思うが,念の為ここでフォローしておこう
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「キングスレイヤー」公式Xアカウント



東一局53本場

出展者:マインドウェア

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 さてオーラスを飾るのはこの「東一局53本場」。いや,オーラスなのに東一局はおかしいだろう! てか53本場? というツッコミはもっともだが,麻雀牌を使わない麻雀ゲームである本作も,なかなかにツッコミがいがあるのではないだろうか。

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 ヨット(ダイスを使ったポーカーのようなゲーム)の要領で,文字の書かれたダイスを振り,「断么九」や「清一色」といった麻雀の役名が完成すればアガリが成立する。

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ダイスの展開図も確認できる

 役名は画面に表示されており,また盤面に出た文字は強調表示されるので,麻雀の役を覚えていない人でも楽しく(?)遊べるはず。
 シンプルながら,どの役を狙うかの判断が熱い。もちろん往年のアーケード用麻雀ゲームのような,強力な必殺技も存在する。

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 麻雀ファンの基礎教養とも言える,阿佐田哲也氏の小説「東一局五十二本場」をもじったタイトルといい,作者である市川幹人氏@MickyAlbert)の人柄が伝わってくるような愉快なゲームとなっている。
 当初は連荘しすぎてしまうため,2年くらい寝かしていたアイデアだそうだが,「逆手にとって連荘を目的にしたら,急激にまとまった」らしい。

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 レポートの後編は,アクション,ノベル,シューティング,レトロ調(というか実際に90年代に制作された作品)など,なんとも多彩なラインナップになってしまった。
 どんなイベントも,会場をぶらり歩きつつ,ゲームを遊んだり,開発者と話をする楽しさは変わらないものだが,今回は川越という場が持つ力に影響されてか,ふだんにも増して自由にセレクトしたからだろう。

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紹介した以外にも人気作や話題作が多数出展されていた


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子どもたちがCAP GAMESのワークショップで作った,かくれんぼするゲームや,手から天かすを発射して宇宙生物(?)と戦うお話もじつに楽しかった
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 「ぶらり川越 GAME DIGG」だが,次回の開催は2026年春に予定しているそうだ。本稿を読んだ人にも足を運んでもらいたいのはもちろん,次こそは晴れた日の川越を散策したい……いや取材に訪れたい。

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「Traditional Story」は,開発期間6年,アトリエミミナの斉藤敦士氏のクリエイティブの原点とも言える作品だ。今回は,iMac上のエミュレータではなく,Windowsで動いているものが展示されていた

「ぶらり川越 GAME DIGG」公式サイト

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