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だが,明らかに日本人好みな“カードバトル”が大きなシェアを占める「GREE」のコンテンツは,果たして海外でも通用するものなのだろうか? 具体的にどのようなグローバル展開が行われているのか,日本国内からは分かりにくいものだ。
今回,海外大手ゲームメーカーの日本法人であるユービーアイソフト,ゲームロフト,エレクトロニック・アーツの3社,さらに海外進出を目指す日本の開発会社オルトプラスに,それぞれグリーとの協業に関するインタビューを実施する機会を得た。各社の最新タイトルや,グリーを通じた海外展開の話題を中心に話を聞いてきたので,お届けしよう。
シミュレーション+ソーシャルゲームとして開発中の
「Assassin's Creed Utopia」
日本展開を手がけるユービーアイソフトに話を聞いた
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ゲームコンテンツは“バトル”と“拠点育成”の二つに大別され,前者はフル3Dグラフィックスでの奥深い戦術を,後者は時間のないときでもサクサク遊べる手軽さをウリとしている。世界観が「アサシン クリードIII」(PS3 / Xbox 360は2012年11月15日発売予定。Wii Uは12月8日発売予定)と連動している点も,シリーズのファンにとって見逃せないポイントだ。
●Ubisoftとグリーがタッグを組んで開発中の「Assassin's Creed Utopia」
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
まずは簡単に自己紹介をお願いします。
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フランスのゲームメーカーUbisoftの日本支社であるユービーアイソフトで,マーケティング全般を統括しています。「アサシンクリード」のシリーズに関しては,2007年にシリーズ第一作を立ち上げたときから関わっています。
パトリック氏:
グリーのマーケティング事業本部でマネージャーを務めているパトリック・チェンです。
4Gamer:
今回,「Assassin's Creed Utopia」(以下,ユートピア)を開発するに至った経緯についてお聞かせください。
辻氏:
以前からグリーさんのことは存じています。日本のソーシャルゲーム業界のトップランナーという認識ですね。彼らの成功はメディアを通じて海外にも知れ渡っていましたし,ソーシャルゲームに関心を持つUbisoft本社の幹部にとっても,プラットフォーマーとして気になる存在でした。
そんななか,昨年のTGS 2011のブース出展を通じて,グリーさんとお会いする機会があったんです。そこでお互いに話し合った結果,ゲーム作りに対する考え方に納得がいったので,ソーシャルゲームへの参入を決意した次第です。
4Gamer:
Ubisoftはワールドワイドで展開しているタイトルが多いですが,ユートピアに関しては,いかがでしょうか。
辻氏:
このユートピアは,最初からグローバル展開を前提に開発しています。ゲーム内容に関しても日本で流行しているカードバトルではなく,シミュレーションゲームの要素が強くなっています。
4Gamer:
なるほど。Ubisoftが「アサシンクリード」のIPを選んだ理由も,最初からグローバル展開するつもりだったからということでしょうか。
辻氏:
ええ,アサシンクリードの人気は北米・ヨーロッパでとくに高いですからね。売上に関しても北米が一番で,イギリス・ドイツ・フランスと続きます。これらの地域でソーシャルゲームを成功させたい,という強い思いがあります。
パトリック氏:
Ubisoftさんは,もともとグローバル展開を行っているゲームメーカーで,ゲーム作りのノウハウは信頼しています。そのノウハウに,弊社が持つソーシャルゲームの知見や実績を加えることで,“新しいアサシンクリード”が生み出せるのではないかと期待しています。
4Gamer:
サービススケジュールに関しても,海外を重視しているのでしょうか。
パトリック氏:
まず2012年の冬に,日本語ならびに英語版で世界主要地域で同時にリリースする予定です。その次にヨーロッパ言語版へと広げていき,最終的には「GREE Platform」を通じて各国にグローバル展開させていきます。
●北米・ヨーロッパ展開を踏まえゲーム性を重視
4Gamer:
続いて,ゲームの流れをあらためてお聞かせください。
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ユートピアではプレイヤーがアサシン軍団のマスターとなり,配下のアサシン達を育成していくというゲームになります。
ゲーム内は大きく分けて,“街造り”のパートと,“バトル”のパートに分かれています。プレイヤーにとっての経済的な基盤となる街を発展させ,新たなアサシンを加入させたりします。そうしてバトルに赴き,アサシンのキャラクターのレベルを上げていく,といった流れです。もちろん,ほかのプレイヤーのアサシン軍団と戦いを繰り広げることも可能です。
4Gamer:
アサシンの種類はどれくらいあるのでしょうか。
辻氏:
ゲーム内では“兵種”と呼ばれていますが,今のところ,少し離れた相手にも攻撃ができる“槍兵”と“斧野兵”の2種類があります。今後は弓などの遠距離攻撃タイプや,シリーズでお馴染みの“アサシンブレード”を持った近接攻撃タイプの兵種も検討しており,ローンチ時には10種類前後の実装を予定しています。
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ユートピアのバトルは従来のアクションではなく,ターンベースのシミュレーション形式となっていますが,ゲームジャンルを大きく変えた理由についてお聞かせください。
辻氏:
ソーシャルゲームという環境で“アサシンクリード”を実現させるために,何が最も適しているかを考えた結果,このような形になりました。
たとえば従来のシリーズ作は,ゲームパッドのレバーやキーの大半を使うインタフェースで,これをソーシャルゲームにそのまま持ってくるのは不可能です。そういったプレイ環境で従来のアクションゲームを再現しようとしても,インタフェース上で不自由さやストレスを感じてしまうでしょう。
4Gamer:
スマートフォン用のゲームで,ターン制のシミュレーションバトルを採用したタイトルは,まだまだ珍しいですよね。
辻氏:
日本で現在流行している,いわゆるカードバトル形式とは,見た目的にもだいぶ違った雰囲気ですね。プレイヤーの裁量に委ねられる部分が多く,言い換えるとゲーム性が強いのが特徴だと思います。ここも,海外展開を重視したことの表れの一つです。
パトリック氏:
アサシンクリードの人気が高い北米やヨーロッパでは,ストラテジーやシミュレーションゲームの人気が高いです。カジュアルゲームに慣れた我々からすると,びっくりするような骨のあるゲーム内容が求められるんですよ。
4Gamer:
田中良和社長はTGS 2012の基調講演で,今後のソーシャルにはグローバル展開に伴い,ゲーム性やストーリー性に対するニーズが増えてくると述べていました。ユートピアはその考えを実現したタイトル,という見方もできそうです。
パトリック氏:
はい。弊社がグローバル展開を行うにあたり,タイトルを成功させるためには大きく分けて2つの方法論があると考えています。一つは,日本での成功法則をそのまま海外に持っていき,真正面から勝負をかけること。そしてもう一つは,海外で求められるニーズを積極的に取り入れたゲームを作ることです。
今回のユートピアは後者の考えをベースに,前者の要素を取り入れたソーシャルゲームになります。新しい形のソーシャルゲームとして,弊社としても期待を寄せています。
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4Gamer:
日本のソーシャルゲームと聞いたとき,ある意味シンプルすぎるゲーム内容を連想する人も多いと思います。そのあたりの認識も,今後変わっていくとお考えですか。
パトリック氏:
グローバル展開を踏まえたリッチコンテンツの提供というのを,テーマの一つに掲げており,今後さらに注力していきます。プレイヤーの皆さんは,ぜひこういった動きにも注目していただければと思います。
4Gamer:
なるほど。ゲームの話に戻りますが,“街作り”を通じて新たなユニットを入手するプロセスについて,もう少し詳しくお願いします。
辻氏:
街に建造可能な建物のうち,“リクルート施設”というものがあります。これを建てることでユニットを募集できるというのが基本的な流れですね。街をさらに発展させることで,より強力なアサシンが募集できたり,ユニットのランクが異なってきたりします。
4Gamer:
ユートピアにおける“アサシンクリードらしさ”は,具体的にどのあたりに現れているのでしょうか。
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ユートピアの世界観やストーリー,グラフィックスのテイスト調整などは,アサシンクリードシリーズの開発を手がけるUbisoft Montreal Studioが主導で行っています。ゲームジャンルこそ大きく変わっていますが,シリーズのファンの方なら,直接触っていただければ「あぁ,これはアサシンクリードだ!」と実感していただけると思いますよ。
たとえば,ユートピアの舞台は17世紀のアメリカ植民地時代ですが,これは「アサシンクリードIII」の世界の一部分でもあります。ユートピアをプレイすることで,アサシンクリードIIIをより深く楽しめるようになる,あるいはその逆を実現するというのも目標の一つです。
4Gamer:
このタイトルで結果を出せば,Ubisoftが展開するほかの人気シリーズのソーシャルゲーム化もありえるでしょうか。
辻氏:
ええ。今回ソーシャルゲームに参入するにあたり,「アサシンクリード」という弊社が持ってる中での切り札を出しました。北米やヨーロッパ,そして日本でどのように受け入れられるかは大きな試金石になりますが,その結果次第では,弊社が展開するシリーズ,たとえば「トム・クランシー」シリーズなどのソーシャルゲーム化も決して不可能ではないと思います。
4Gamer:
期待しています。本日はありがとうございました。
あのモバイルゲームの雄が「ギャングドミネーション」で
GREE Platformに参入。ゲームロフトへのインタビュー
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もともと,モバイルゲーム市場における最大手ともいえるゲームロフトが,どういった経緯でグリーと手を組み,日本型のソーシャルゲームに進出することになったのだろうか。
●ワールドワイドで展開するゲームロフト。世界中に通じる“ギャング”を目指す
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずはゲームロフトがどういった会社なのか,経歴をお聞かせください。
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ゲームロフトは2000年にフランスで設立されたゲームメーカーで,日本法人を2004年に設立しています。近年は主に,スマートフォン・タブレット向けにタイトルを展開しており,レーシングゲームの「アスファルト」シリーズ,ゴルフゲームの「レッツ!ゴルフ」シリーズ,FPSの「モダンコンバット」シリーズ,クライムアクションゲームの「ギャングスター」シリーズなど,多くのジャンルにわたってタイトルを展開しております。
私自身は日本のゲームロフトで,どのように日本でビジネスを展開できるかを調査し,実際に運営する部署に所属しています。
4Gamer:
ゲームロフトといえば,以前からモバイルゲームメーカーの最大手として,独自にコンテンツをリリースしてきたメーカーです。それがどういった経緯で,グリーと協業することになったのでしょうか。
藤川氏:
ゲームロフトの主要なミッションの一つに,業界のトレンドを予測しながら,より多くのプラットフォームにゲームを対応させることで,より多くの人達の手にゲームをお届けする,というものがあります。この考え方から,GREE Platformにも対応することとしました。
4Gamer:
実際に協業をスタートさせたのはいつごろですか?
藤川氏:
今年の初め頃です。そしてGREE第1弾タイトルとなるソーシャルゲーム「ギャングドミネーション」を,2012年6月29日に全世界同時でサービス開始させていただきました。
4Gamer:
サービス開始から4か月ほど経ちますが,状況はいかほどですか。
藤川氏:
数値的な面は非公開とさせていただいてますが,多くのノウハウを吸収できていると実感しています。
4Gamer:
ギャングドミネーションの大きな特徴として,世界150か国以上,6言語に対応という部分があります。これを実現するための,翻訳をはじめとした作業が大変だったのではないかと思いますが。
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そこはよく言われる部分ですが,ゲームロフトのタイトルは,以前からワールドワイド展開がデフォルトです。過去のタイトルも今作と同等以上の規模で展開しており,ローカライズ作業に限ればスムーズに進められました。
具体的には,ゲーム仕様の設計段階からワールドワイドを前提で動いています。例えばテキストに関しては,ゲームの完成後に翻訳を始めると,どうしてもタイムラグが生じてしまいます。その点,弊社では,プロジェクト内に翻訳専門チームがいて,開発と並行してローカライズを行える環境が構築されています。
4Gamer:
「世界中のギャングチームと抗争を繰り広げる」とのことですが,プレイヤーが接続するサーバーは全世界共通なんですか?
藤川氏:
ええ。そこも大きな強みの一つで,もしかするとソーシャルカードゲームでこれを実現しているのは,今のところギャングドミネーションだけかもしれませんね。同じカードでも,プレイヤーの言語環境によって,それぞれ違った文字が表示されるんですよ。
4Gamer:
一方,カルチャライゼーションに関してはどうでしょう。“ギャング”の文化や定義は,世界各国によってそれぞれ違ったりしませんでしたか。
藤川氏:
ギャングドミネーションはワールドワイドに配信されるため,世界中のオーディエンスに受け入れられるテーマを選ぶ必要がありました。魅力的なマフィアやギャングという世界観は,たとえば映画,音楽,文学,ゲームなど,あらゆる分野において用いられてきていますが,いずれも世界中の文化に溶け込んでいます。「ギャング」というテーマは世界中で受け入れられやすく,カルチャライゼーションという側面から見ても良い選択だと思います。
4Gamer:
せっかくワールドワイド展開しているのですから,リージョンごとのギャング文化の違いをコンテンツとして取り入れるのも悪くなさそうですよね。たとえば日本のギャングだと,映画「アウトレイジ ビヨンド」がベネチア国際映画祭で上映されるなど,「ヤクザ」の知名度は海外でも結構あるのではないでしょうか。
藤川氏:
おっしゃるとおり,最初はリージョンごとに勢力を分けて,「アメリカンギャング」「ヨーロピアンギャング」「アジアンギャングの抗争」といったことも検討していたのですが,最終的には断念しました。理由の一つは,リージョンによってプレイヤーの参加数が異なるため,国別リーグのような対立構造を取り込むにあたって,ゲームバランスの調整が難しいという点です。
ですので,現状ではゲーム内ランキングが世界共通となっているほか,今後実装予定のギルド機能も,ワールドワイドで編成できるようになっています。
4Gamer:
テーマとなっている“ギャング”のほかにも,ワールドワイドで違和感なく受け入れられるゲーム仕様というのは,作るのが大変そうです。
藤川氏:
カードバトルというジャンルは現在,日本のソーシャルゲームにおいて最も人気があります。ギャングドミネーションを通じて世界のプレイヤーにこの種のゲームを知っていただき,世界中でこのジャンルが受け入れられるようになればと思います。
4Gamer:
TGS 2012の来場客の反応を見たときは,どういった感想をお持ちになりましたか?
藤川氏:
これまで,実際に遊ぶ一般のお客様の様子を直接見る機会があまりなかったので,とても興味深かったです。扱っているテーマは“ギャング”ですが,意外にも普通の人が手にしてくださるのを見て,思っていたよりも間口が広かったのかとほっとしています。
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●互いにノウハウを提供し合う関係のグリーとゲームロフト
4Gamer:
「ギャングドミネーション」のサービスが無事に始まったわけですが,グリーとの協業を振り返って,手ごたえはいかがですか。
藤川氏:
グリーさんからは,日本式のソーシャルゲーム作りのノウハウを数多く提供してもらっており,非常に参考になりますね。一方,現在グリーさんがグローバル展開のチャレンジをする際,弊社のノウハウを提供できていると思います。お互いがノウハウを補える,ポジティブな関係を築けているのではないでしょうか。
4Gamer:
ソーシャルゲーム作りのノウハウは独特ですからね。次回作に関して,現在お話しいただける情報はありますか。
藤川氏:
現在,新作「ドラゴンサマナー」を開発中です。こちらもGREE Platformを通じて,ワールドワイドで配信する予定です。Gamescomで公開したティザームービー以降の情報は,まだお出しできる段階ではないのですが,こちらもご期待ください。
4Gamer:
ゲームロフトにとって,スマートフォンが占める割合は今後さらに広がりそうですか。
藤川氏:
以前はコンシューマゲームの開発も行っていましたが,近年はスマートフォンのシェアがたいへん大きくなっています。ゲームロフトの2012年第2四半期の連結売上では,スマートフォンとタブレットの売上が,全体の5割以上を占めています。今後さらに伸びると期待しています。
4Gamer:
それでは,最後に読者へのメッセージをお願いします。
藤川氏:
繰り返しになりますが,「ギャングドミネーション」は,同じサーバーで世界中のプレイヤーと戦える唯一のソーシャルカードゲームです。現在すでにサービス中ですので,もし興味を持った方はぜひ一度プレイしてみてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。







































