本稿では,その模様を写真と共にレポートしていこう。
■関連記事:
![]() |
読者からの鋭い質問も飛びだしたトークショー
冒頭でも紹介したとおり,本イベントは,インターネット通販サイト,Amazon.co.jpを運営する,アマゾン ジャパンの本社ビルにある社員食堂にて開催された。会場を訪れるまでは,「何故社員食堂でトークショー?」と思っていた筆者だったが,そこはさすがはアマゾンというべきか,想像以上にオシャレで,イベントに相応しい空間となっていた。
集まった観客達は,ウメハラ氏のスポンサーであるMad CatzのTシャツを着込んだ熱心なファンから,一見ゲームには縁がなさそうなビジネスマンまでと,かなり幅広い印象で,男女比は,8:2といったところだった。
![]() |
トークショーは,イベントへの参加応募と合わせて募集された読者からの質問に対し,ウメハラ氏が一つ一つ答えていくという形式での進行となった。トークショー自体は40分程度と比較的短時間だったが,思わず笑ってしまうような珍問から,意外に深い質問まで,興味深い話題が尽きなかった。ここでは,その質問の中から,いくつか印象深かったものをピックアップしてお伝えしていこう。
![]() |
まずは「絶対に勝たなければならない勝負には,どんな気持ちで臨みますか?」というもの。著書の中で“目標に頼らず,日々の成長を実感することを重視しよう“と説くウメハラ氏が,目標を設定しなければならなくなったとき,何を考えて事に臨むのかという,なかなかに鋭い質問だ。
これに対するウメハラ氏の回答は,「とにかくリラックスする」とのこと。そのためにも,自分にできることをすべてやったと言えるくらい努力をすることが重要だといい,それで失敗したとしても,自分にとって必ず新しい発見があると語った。「結果的にプラスになると分かっていれば,リラックスできる」とのことである。
ちなみに9月に開催されたMad Catz Unveiled JAPANでのInfiltration選手とのエキシビションマッチに当たっては,まさしくそんな心持ちで臨んだという。エキシビションマッチの直前,ウメハラ氏は「これだけ(練習を)やって負けたら,むしろ格闘ゲームの奥深さに驚くよ」といった発言をしており,筆者はその時,やけに強気だなと思ったりしたものだが,あれはまさしく,言葉どおりの意味だったのだろう。
![]() |
![]() |
ウメハラ氏はまず,「無理に発展させようとすると,必ずしっぺ返しが来るから,そういう考えはあまりない」と前置きしたのち,それよりも格闘ゲーマーが置かれている状況――ゲームセンターの楽しさや,そこに居る人達の魅力を正しく理解してもらいたいという点を強調。プロゲーマーという仕組みや自著の存在が,そうした正しい理解の手助けになればと語った。
“無理な発展とそのしっぺ返し”については色々な解釈ができるが,例えば海外では,高額賞金付きのトーナメントがプロゲーマー達の活躍の場となる一方で,談合問題などが囁かれていることが挙げられるだろう。
またウメハラ氏は,回答の終わりに「偏見さえなくなれば,人気が上がったり下がったりするような状況のほうが,(格闘ゲームは)長続きするんじゃないか」とも語り,筆者としてはそこが強く印象に残っている。
格闘ゲームには,やはり対戦相手あってこそ,という側面がある。仮に格闘ゲームの人気が下火になったとしても,近い腕前の対戦相手が見つかる環境さえあればそれでいい。事実2D格闘ゲーム冬の時代に,同格の対戦相手を見つける難しさを味わったウメハラ氏ならではの言葉といえるのではないだろうか。
![]() |
「ウルIV」の新システムをどう思う?――ウメハラ氏 ミニインタビュー
イベント終了後のウメハラ氏に話を聞いてみたので,その模様をミニインタビューとしてお届けしよう。今後の活動についてや,「ウルトラストリートファイターIV」(以下,ウルIV)への期待なども聞いているので,ウメハラ氏のファンはぜひチェックしてみてほしい。
4Gamer:
本日はお疲れさまでした。今回のイベントでは,格闘ゲームと縁がなさそうな人も多数参加されていたみたいで,ちょっと新鮮でした。
![]() |
やっぱり,本を出した影響でしょうね。ただプロゲーマーというだけは,こういうイベントをやってもゲームをしない人は来ないでしょうし。
4Gamer:
「勝ち続ける意志力」「ウメハラコラム 拳の巻」,漫画の「ウメハラ To live is to game」,そして本書を合わせて,ウメハラさんの本はこれで4冊になりました。どの本も評価は高いようですが,次はどういった活動を考えているでしょうか。
ウメハラ氏:
うーん,自分から積極的に動こうというつもりは,今のところないです。ただ,漫画に関してはまだまだ語れることが残っているので,今後も丁寧にやっていきたいと思ってます。
4Gamer:
例えば,地上波のテレビ出演とか,どうですか?
ウメハラ氏:
いいね(笑)。でも,バラエティなんか辛いかな。「はい,じゃあプロの技を見せてもらいましょう!」とか言われても……。
4Gamer:
確かに(笑)。たまにそういう番組がありますが,それでは格闘ゲームの魅力を正しく伝えるのは難しいですね。
ウメハラ氏:
インタビューみたいなものなら,いいかもしれませんけど。
4Gamer:
「笑っていいとも」とか,「徹子の部屋」みたいな?
ウメハラ氏:
「笑っていいとも」はタイムリミットが近いみたいだけど(笑)。でも話があれば,真面目に考えたいですね。
4Gamer:
では格闘ゲーマーとしての今後の予定はいかがでしょうか。
ウメハラ氏:
やっぱり,本を出そうが何をしようが,自分はプレイヤーなんですよ。その意識だけは変えないつもりです。……ただ,飛行機が苦手なんですよね。だから,余程でなければ日本にいたいのが正直なところなんだけど(笑)。
とりあえずこの冬は,11月30日にスウェーデンで行われる「DREAMHACK Winter 2013」に参加します。久しぶりのトーナメント形式の大会なので,頑張りたいですね。
4Gamer:
12月14日に「CapcomCup 2013」も開催されますが,こちらは?
ウメハラ氏:
Capcom Cupは予選どうしようと思っているうちに,「TOPANGA LEAGUE」が始まってしまって,日程的にもう難しいですね。
4Gamer:
そうなんですか……それは残念です。ではウルIVについて,新システムの情報が少しづつ出てきました(関連記事)。どう思われますか。
ウメハラ氏:
ウルトラコンボダブルは,威力が大きく落ちるという話なので,それだと意味があるのかなって思ってます。リュウだったら,両方使えるよりも,威力の高い「滅・波動拳」の方が絶対いい。ほかのキャラも,だいたいそうじゃないかな。
4Gamer:
うーん。確かに,その可能性はありますね。
ウメハラ氏:
レッドセービングアタック(以下,赤セビ)に関しては,すごくいいですね。今までは,セービングを割りやすいキャラと,そうでないキャラの差が激しいと感じていたので。赤セビで多段が取れたら,そういう不公平さが少なくなるんじゃないかな。個人的には,アーマーブレイク技も取れたら面白いと思うんだけど……。
4Gamer:
現状では,どうやらアーマーブレイク技には無力のようですね。あと,ディレイスタンディングも追加されるようですが。
ウメハラ氏:
今は起き攻めの比重が大き過ぎるから,いいんじゃないですか。全キャラ共通で起き攻め重視ならいいんですけど,ストIVは起き攻めが強いキャラと弱いキャラにかなり差があるし,弱いキャラだけ一方的にストレスが溜まるから。それが解消されるならいいですね。
4Gamer:
そういえば,ウメハラさんはウルIVでもリュウを使うんでしょうか。
![]() |
……いやあ,漫画の帯を見るとさ,リュウがこんなこと(※昇龍拳のポーズ)やっちゃってて,どうしてもリュウのイメージが付いてるじゃないですか。
4Gamer:
そうですね(笑)。
ウメハラ氏:
もちろんリュウは好きですけど。ただリュウしか使えないわけじゃないし,あまりにも性能が悪かったら,さすがにね。リュウじゃないんだったら,もう中途半端なキャラじゃなく……。
4Gamer:
最強キャラでいくよ,と。
ウメハラ氏:
で,いいんじゃないのって,ふてくされる可能性はある(笑)。
4Gamer:
ユンのときみたいに,「カプコンさん,分かってますよね?」と(笑)。
ウメハラ氏:
そうそう(笑)。まあこれは冗談としても,面白いゲームになるといいですね。
4Gamer:
ウルIV以外の格闘ゲームはいかがですか? 「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」(以下,GGXrd)など,これから新しい格闘ゲームが何タイトルか予定されていますが。
ウメハラ氏:
ああ,GUILTY GEAR。「GUILTY GEAR XX」の頃はすごい楽しかったから,あの新鮮さやシステムが残っているなら,またやりたいですね。でもウルIVをやらないでGGXrdをやるってのは……やっぱり許されないかな。
![]() |
4Gamer:
それは……そうでしょうね。
ウメハラ氏:
優先順位を考えると,ウルIVを選ばざるを得ない。ゲームセンターって,対戦が盛り上がるのは決まって夕方以降じゃないですか。昼も夜も対戦できるなら,昼にGGXrdやって,夜にウルIVということもできるんだけど。
4Gamer:
ウメハラさんも,昔は複数タイトルを同時にプレイしていましたよね。例えば闘劇'03では,4タイトルに出場して,そのいずれも好成績だったように記憶しています。
ウメハラ氏:
うん。複数タイトルをプレイするのが苦手というわけじゃないんです。今それが難しい一番の理由は……多分ストIVの人口が多すぎるから。それがあるので,ウルIVを疎かにすることのリスクが大きいんだよね。
4Gamer:
分かりました。これからの活躍にも期待しています。本日はありがとうございました。
![]() |































