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  • Bethesda Softworks
  • 発売日:2023/09/06
  • 価格:通常版:9680円(税込)
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Starfield
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リリースから2年半を経て,「Starfield」はどこに辿り着いたのか。大型アップデートとDLCが変えた,2026年の現在地
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印刷2026/04/23 11:00

プレイレポート

リリースから2年半を経て,「Starfield」はどこに辿り着いたのか。大型アップデートとDLCが変えた,2026年の現在地

 カスタマイズした宇宙船を駆り,敵艦を撃沈。ときには横付けして船内に切り込み,金品や装備を奪う。「船」そのものをぶん取ったり,売り飛ばしたりすることもしばしば……。だいぶ物騒というか,ほぼ宇宙海賊といえるが,筆者は宇宙の無法者や略奪者から,さらに上前をハネていることが多い。
 だが,これもまた「Starfield」PC / Xbox Series X|S / PS5)の遊び方の1つだろう。

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 2023年のリリース当初,本作は少しちぐはぐ……いや,未完成にも見えるゲームだった。広大な宇宙を舞台に,自由な旅に出るはずなのに,移動はほぼメニュー操作のファストトラベルで終わる。惑星探索もどこかで見た施設が繰り返されがち。そもそも動植物すら存在せず,たまに洞窟が見つかる程度なんてことも多かった。

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 それも宇宙のスケール感を考えればリアルだし,筆者は「恒星から遠い星には氷と岩石しかないのか,最高に宇宙だな!」などと喜んでいたものだが(もしシルクロードの旅がテーマの作品に,こぢんまりとした砂漠しかなかったら興ざめだ),世界中のベセスダファンが期待していた「広大な宇宙を舞台にしたオープンワールド」とは,いささかズレていたことは否めない。

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 あれから約2年半。2026年4月の大型アップデート「フリーレーン」と最新DLC「Terran Armada」によって,本作は何が変わったのか。
 結論から言えば,「その遊び方,合ってますよ」と,ようやくゲームシステムがプレイヤーに「応答」してくれた印象がある。2年半の歳月を経て,「自由に遊ぶための土台」が整ったともいえる。

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 PC版とXbox版のローンチ以降,この宇宙で累計1000時間前後を過ごし,全実績を解除している筆者の視点から,現在の「Starfield」を紹介したい。

 なお,4月8日に登場したPS5版はクラッシュなどの不具合が報告されており,現在もアップデートによる修正対応が行われている。プレイヤーの環境によって安定性に差があるため,最新の状況については公式発表情報を確認してほしい。



宇宙船は「動くダンジョン」

これに気づいた者はどれだけいたのか


 2023年のリリース当時,本作の評価を難しくしていたのは「結局,このゲームは何をする時間が一番楽しいのか」という核心が見えにくかったためだろう。

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 あくまで筆者の所感だが,その答えはちゃんとゲームの中にあった。多くのプレイヤーが見落としがちな,しかし中毒性が高い要素──「宇宙船同士のドッグファイトから白兵戦への移行」だ。これは単なる戦闘のバリエーションというだけでなく,一般的なRPGにおける「ダンジョン攻略」「装備の発見と更新」に相当する,いわゆるハック&スラッシュ的な遊びの核だった。

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 敵船のシールドを剥がし,精密射撃でエンジンを停止させる。そしてドッキング可能な距離まで接近したあと,戦いは宇宙空間から艦内の白兵戦に切り替わる。敵船はターゲットであると同時に,お宝が詰まったダンジョンでもある。

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 入り組んだ通路やキャビンを制圧し,コンテナを漁りながら最深部のコクピットを目指す。そこに待つ船長(ボス)が隠し持っているかもしれないレジェンダリー装備を奪い取る高揚感は,まさにハクスラの醍醐味そのものだ。

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 さらに制圧した船をそのまま自分のコレクションに加え,宇宙港で「さて,どう改造してやろうか」と悦に入るひと時。ここまでが本作の遊びのサイクルであり,ほかでは味わえない贅沢な時間だった。

シップビルドも大きな魅力。ブロック遊びの感覚で,かなり自由に形を作れる
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MODを使用すれば,大量の船をコレクション可能。眺めているだけでも時間が過ぎていく
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 こうしたサイクルを支えているのが,ベセスダ作品らしい「ルーズさを許容するゲーム設計」だ。
 本作には多彩なスキルやパワー(超能力)が存在するが,それらは完璧に理解しなくてもどうにかなる。なんとなく拾った銃が手に馴染めば,スキルなど気にせずにそのまま使い続ければいい。もしどうしても困ったら,「最強の超能力」(クイックセーブのことだ)で強引に突破したって構わない。

「最強の超能力」はあながち冗談でもない。メインのストーリーラインにも,プレイヤーはこの世界の住人にとって「高次の存在」であるというメタ視点が含まれている
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 「こう遊ばなければならない」という強制がなく,プレイヤーの適当さや気まぐれをシステムが寛容に受け入れてくれる。このルーズさがあるからこそ,何十回,何百回という海賊行為が作業に成り下がらない。「次は狙撃メインでいこう」「新しく手に入った近接武器は実用的なのか」など,さまざまなアプローチを試しながら遊び続けられる。

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 「社会の鏡」のような数々のドラマも忘れてはならない。最大勢力である「コロニー連合」(UC),自主独立を謳う辺境星系の共同体「自由恒星同盟」,麻薬都市ネオンを拠点に暗躍する巨大企業「リュウジン」,そして宇宙海賊「紅の艦隊」。それぞれの勢力に深く関わるクエストラインは,重厚な連続ドラマのような落ち着いたトーンで描かれている。

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 サイドストーリー(そのほかのミッション)にしても,チュートリアル的なお遣いから,気がつけば星系の運命を左右する大冒険に発展するものまで,バリエーションは極めて豊かだ。

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 いわゆる「スター・ウォーズ」のようなアクション大作のノリではない。そこにあるのは格差や汚職,思想的対立といった現代社会が抱える問題を思わせる「地に足のついたSF」である。だが,決して堅苦しいお説教にならないのは,ベセスダ作品らしいジョークがスパイスとして効いているからだろう。

イカンデ司令官。その名前のおかげか,日本では妙に存在感のあるキャラクターになっている
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筆者もこんな写真を撮っては参加していた
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 ゲームの外側で起きていたことも,また楽しかった。本作はシングルプレイ専用だが,そのコミュニティは「Fallout 76」や「The Elder Scrolls Online」といったオンラインゲームのそれに近い熱量がある。
 SNSを覗けば,誰に頼まれたわけでもないのに,自慢の宇宙船や丹精込めて建設された拠点,星々を撮影した絶景がシェアされ続けている。意外(?)にも日本国内のファンも活発だ。有志によるバーチャルフォトイベント「#SpaceFrogTuesday」には,ベセスダ・ソフトワークスやXbox Japanの公式アカウントが反応するという一幕まであった。「Starfield」は「拠り所」としても親しまれていたのだ。

 こうした個々に光る要素があった一方で,初期にはそれらを繋ぐ「回路」がうまく機能していないもどかしさがあった。「何をしてもいい自由」が,皮肉にも「何から手をつければいいのか分からない感覚」の要因になっていたのだ。
 宇宙での戦闘,シップビルド,拠点作り。個々のサイクルやメカニクスの面白さに,プレイヤーがたどり着くまでの導線が少し足りなかった。それをプレイヤーの自主性やコミュニティに委ねることは,ベセスダ・ソフトワークスなりの「信頼」だったのかもしれないが。

星々の調査も意外に楽しいし,初期のレベル上げや資金稼ぎに使えるが,筆者は写真を撮って満足してしまい,なかなか気が付かなかった
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 とくに宇宙船の貨物まわりのシステムは良くも悪くもハードSF的,いわば「冷たい方程式」を意識させるシビアさがあった。重量制限やロジスティクスの不便さは,宇宙の過酷な環境を表現するフレーバーとしては正解だろう。
 だが,それらが拠点作りや運び屋といった遊び方の手間を膨らませ,プレイヤーの意欲を削いでいたことも否めない。

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 「自由」と「宇宙感」を追求した結果,実際の遊びのテンポが損なわれている。リリース直後,多くのプレイヤーが抱えていた不満を代弁するなら,これに尽きるのではないだろうか。

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大型アップデート「フリーレーン」が変えた

冒険の密度と温度


 「自由だが,どこか冷たい」手触りに亀裂を入れたのが,2026年4月の大型アップデート「フリーレーン」だ。その意義は,単に便利な機能が増えたことではない。前述した「楽しさの断片」を繋ぎ合わせ,宇宙を点の集合から,1つの体験に近づけたことにある。

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 最大のトピックは,星系内をリアルタイムで航行できる「クルーズ」モードの実装だ。これまでは場所を指定してファストトラベルするしかなかった星系内の移動が,ついにプレイヤーの操作でも行えるようになった。
 地球から月まで約2秒,火星まで約30秒。光速以上のスピードで空間を切り裂き,巨大な天体が目の前に迫り,猛烈な勢いで過ぎ去っていく。途方もない距離を実感へ近づけてくれる視覚体験である。

惑星の脇を通り抜けて……
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目的の衛星へ接近
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 実際の距離や軌道を計算すればおかしいはずだが,そのあたりを気にしても仕方がない。一見,ハードSFっぽい顔をしているのに,都合のいいようにフィクションで押し切るのが「Starfield」の流儀なのだから。

そもそも広大な宇宙の辺境を「西部の保安官」さながらのスタイルで取り締まる,自由恒星同盟レンジャーが存在する世界なので……
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 もっとも,新たな超光速航法がすべてに置き換わるわけでもない。別の恒星系への移動はジャンプが必須であり,効率を重視するなら依然としてファストトラベルを選びたくなる。クルーズそのものを冗長に感じる人もいるだろう。
 だが,多くのプレイヤーが求めていた「戦闘以外でも船を操縦したい」という声に,ベセスダ・ソフトワークスが応えてくれた事実がとても重要だ。

 オートパイロットで目的地へ向かうあいだ,貨物室に降りて戦利品を整理したり,作業台で装備をいじったり,クルーと談笑したり。ジャンプ移動だけでなく,「冒険の準備と生活の時間」にもなるクルーズが加わったことで,宇宙船は本当の意味で「家」になった。「『スタートレック』のような雰囲気を味わえる」と喜ぶファンの声もあるが,とくにロールプレイ派にはたまらないだろう。

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 惑星探索の単調さにも,しっかりテコ入れがされている。
 パッチノートによれば,惑星上のPOI(興味深い場所。基地や研究所,鉱山など)の種類と多様性が大幅に増加し,出現のクールダウンタイマーと分布ロジックが調整されている。

見知らぬタワー状の建物を発見
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 これにより,「またこの施設か」と既視感を覚えることがかなり少なくなっている。施設も宇宙船の近くに配置されやすくなった感があり,ファンの反応も概ねポジティブだ。
 
こちらは補給用車列。近くに商人がいたので,キャラバンのようなものだろうか
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 すでに大半のPOIを探索し終えた(筆者のような)プレイヤーにとっては,「たまに新しい施設に出会える」程度の実感に留まるのも確かだ。しかし,かつて単調さに挫けた人や新規プレイヤーにとっては,かなり嬉しい改善だろう。

各ポイントでは特殊な形状のクレート(コンテナ)を探してみるといい。貴重な物が入っていることが多く,建物全体を丹念に漁らなくても済む
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 武器まわりや周回プレイも改善されている。新資源「X-テック」の導入により,お気に入りの武器や宇宙服の品質を上げたり,レジェンダリー効果をリロール(付け直し)したりすることが可能になった。これまで「性能はいいのに,効果が噛み合わない」と泣く泣くお蔵入りしていた装備が,新たな相棒に生まれ変わるかもしれない。
 また,発射速度の向上など武器性能を上げる「アップグレードモジュール」も入手できるようになっている。

DLC「Terran Armada」に登場するBUCK-E。ナリオン星系・ニーラで出会い,リロールを安価で請け負ってくれる
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 なお,X-テックはエンドコンテンツとしての側面が強い。ゲームを始めてから数十時間程度は費用対効果が良くないので,まずはレアリティ「エピック」「レジェンダリー」の装備を掘る楽しさを味わうのが現実的だろう。
 やがて武器が物足りなくなってきたら,X-テックと膨大なクレジットを引き換えに「ランダムの沼」から脱出する……といった位置付けだ。

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 拠点作りにしても,拠点間で「共有コンテナ」が使えるようになり,煩雑だった資源管理が緩和されている。
 ただ,こちらは「拠点管理」「拠点エンジニアリング」のスキルを最大まで上げてから利用できるので,誰もがすぐに恩恵を受けられるわけではない(本作はスキル次第で可能になるパターンが多い)。筆者も実際に試してみたくて,スキルを上げている最中だ。

 さらに周回プレイのハードルを劇的に下げたのが,「量子もつれデバイス」の追加だ。これにより,周回プレイ時にアイテムの一部を持ち越せるようになっている。多くのプレイヤーが抱いていた「周回したいが,装備を失いたくない」というジレンマを解消する緩和措置である。

初期の容量は少ないが,大量の量子エッセンスを使うと実用的になる
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 そのほかにも,上下移動に強い新車両「ムーンジャンパー」や着陸カメラの改善など,かゆいところに手が届くアップデートがたくさん見られる。

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 今回のアップデートは「宇宙を狭くした」のではない。クルーズによって,移動そのものを体験できるようにしたように,これまでプレイヤーの補完に委ねていた部分を,確かな手触りのある形に拡張している。

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 2023年のリリース時点から,本作の宇宙船は「装備の研究や製作,さらには料理まで可能な移動拠点」として活用できるものだった。船内の生活自体がなかったわけではない。ただ,旅の途中ではなく,軌道上のステーションや惑星地表での活動といった趣ではあった。
 見せ方を少し変えることで,プレイヤーに認識しやすくしたのが,今回のアップデートの本質なのかもしれない。

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 ともあれ,「宇宙」と「遊び」のあいだにあった溝は埋まり始めた。「フリーレーン」が見せてくれたのは,ベセスダ・ソフトワークスが描きたかった理想の宇宙とプレイヤーが求めた宇宙が,2年半を経てようやく歩み寄った姿であり,これからも続くアップデートへの展望でもあるのだ。


DLC「Terran Armada」によって深まる

「王道の遊び」と「沼」


 「フリーレーン」がシステム面の回路を繋いだのだとすれば,最新DLC「Terran Armada」は回路に電流を流して機能させたような,高レベル帯の遊びの入口となる存在だ。

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 「地球の真の後継者」を自称する謎の軍事組織,テラン・アルマダとの対決が描かれる。日本人には少々イメージしにくい名称だが,ラテン語の大仰なニュアンスを遊び心をもって解釈するなら「正統地球軍・究極無敵艦隊」といったところだろうか。新たな脅威は有人星系全体を巻き込み,プレイヤーを新たなクエストラインに導く。

テラン・アルマダに対処するのは,各勢力から集った「VOID」の面々
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 新たに加わる同行者・デルタも,またいい味を出している。自意識の芽生えた軍用ロボットである彼(?)は,とにかく物騒で倫理観が偏り気味……というか倫理が存在しない。人間だったらコンプラ的にアウトな不適切な言動も,そもそも知識や人権意識がないのだからしょうがない。
 そんなベセスダ・ソフトワークスらしいブラックユーモアを,新キャラクターの個性というテイで遠慮なく発揮している印象だ。

「絆を深める試みを却下。親密度が十分なレベルに達していない」なんてメタ発言も飛び出す。やりたい放題だ
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 また,前述のクルーズモードやレジェンダリー効果のリロールがチュートリアル的ではなく,物語の流れに組み込まれているのも手堅い。星系内を航行しながら索敵し,途中で見つけた怪しげな信号に寄り道する――。この流れが押し付けがましくなく,自然な冒険のサイクルとなっている。
 ジャンプ移動やファストトラベルでは味わえなかった「自らの手で,広大な宇宙を探索している」実感。それがテランとの戦いの最中で味わえる。

テランはジャンプ移動に干渉する技術を持つため,クルーズで居場所を探る必要がある
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 そして,エンドゲームコンテンツ「侵攻」の存在も付け加えておきたい。
 各地で発生する侵攻イベントは意外にバリエーションがあり,それ自体を探すのも楽しみの1つだ。そこで手に入れたX-テックを使い,装備のレア効果を自分好みに付け直す。「良いものを拾う」だけでなく「拾ったものを改良する」工程が加わったため,隙間時間にも遊んでしまう。

テラン側のスペースコロニーに潜入し,リアクターを破壊するミッション
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侵攻を受けた惑星の軌道には,機雷が散布されていることも。もちろん接触すればダメージを受ける
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 「Terran Armada」のクエストは,数時間でサクッと終わるおまけではない。筆者は日々の仕事を終えてから,数夜にかけて進めることになった。登場人物の会話を聞き,メモをしっかり読むようにすれば,パルプ雑誌のSF的なノリや笑いがより楽しめるだろう。

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2026年宇宙の旅

終わりのない航路は続いていく


 2024年の大型DLC「Shattered Space」は,謎多き宗教勢力・ヴァルーン家を深掘りする,いわば世界観を「横方向」に広げる内容だった。対して,「フリーレーン」と「Terran Armada」は本作の軸である戦闘,装備や宇宙船のビルド,そして果てなき探索を「縦方向」に強化するものだ。

武器改造やシップビルドに関わる,新たなパーツも手に入る。コンテナや船長のロッカーだけでなく,沈めた船の残骸なども念入りにチェックしよう
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脱力気味な造形のアクションフィギュアのシリーズ(笑)。能力強化につながるので,こちらも入手しておこう
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お掃除ロボを思わせる「モデルG」をはじめ,新しい同行者も増えた
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 そして「フリーレーン」と「Terran Armada」は,「結局,このゲームは何をする時間が一番楽しいのか」という冒頭の問いに答えているように思う。理想の宇宙と現実の遊びが歩み寄った先に,終わりのない旅が続いていくのだろう。

 なお,大型アップデートに伴い,残念ながら新たなバグも散見されている。筆者の環境ではオートセーブのデータがどんどん増えたり,クルーが船内の1か所に集まったりと軽微なバグを確認している。ベセスダ作品ではよくあることではあるものの,今後の対応に期待したいところだ。

なぜかコクピット周辺に集まっているクルーたち。反乱の相談だろうか
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 もちろん,筆者はテランの戦闘艦を鹵獲して眺めたり,改造したり,絵になる光景を写真に収めたりなどして遊び続けるつもりだ。その過程では,まだ見ぬ場所やイベントにも出会えるだろう。
 さまざまなシステムやアイテムまわりが便利になったにもかかわらず,今後も筆者の船の倉庫は余裕のない状態が続きそうだ。

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