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本作は,イギリス王室の属領であるマン島で,1907年から開催されている「マン島 Tourist Trophy」(以下,マン島TT)を再現した,公式ライセンスゲームシリーズの最新作だ。2022年に開催された際に参加したオフィシャルチームやライダー,ペイント,スポンサーロゴなどが多数登場する。
島の公道をそのままサーキットコースに見立て,時速300km以上の爆速でバイクをカッ飛ばすマン島TTは“世界一危険なレース”としても知られる。日本のテレビ番組で取り上げられることもあり「ブッ飛んだ危険なレース」としてその名を覚えている人もいるかもしれない。
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そんなヤバいバイクレースに,お家にいながら参加できるのが,本作最大のウリである。要するに,かなりコアなバイクレースゲームというわけだ。
一方,筆者の車の経験は「ゴーカートとチョロQだけ」という具合で,バイクに関してはほぼ一切の知識を持ち合わせていない。本稿では,そんなバイク初心者が,いきなり世界一危険なレースのシミュレーションに挑戦したらどうなってしまうのか! という趣旨のプレイレポートをお届けしてみたい。
難しい基本操作の先に広がる,マン島の美しい世界。入り口に立つまでが勝負だ
ゲームが始まると,操作するマシンとチームを選択することになる。いろいろなステータスが設定されているが,よく分からないのでとりあえずハンドリングやブレーキングが高めで,少しでも簡単に使えそうなものを選ぶことにした。
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設定が終了すると,突然マップに放り出される。本作はシリーズ初のオープンワールド形式が採用されており,自分でマン島を走り回ることができる。レースの舞台となるマン島をツーリングしつつ,各所に配置されたイベントやチャレンジに挑戦することで,タイムアタックやレースを楽しめるという趣向だ。
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筆者はまだレースどうこうの段階ではないので,まずチュートリアルを確認することに。
それによると,[R2]で加速し,左スティックの左右で方向転換,[L2]でフロントブレーキと,操作は意外とシンプルだ。ギア切り替えはデフォルトでセミオートに設定されていて,物理シミュレーションレベルを“初級”に落としておけば,ちょっと足元がもたついても自動でバランスをとってくれる。
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これだけお膳立てが整っているのだから「普通に走るくらいはできるだろう」と運転してみると,ビックリするくらい簡単にコケてしまった。とにかくコケる。あまりにコケまくるので,なかなか先に進めない。
カーブを曲がりきれないのはもちろん,すこし道がうねっているだけでもコケてしまう。車道のちょっとした段差もきちんと再現されているため,コース的にはほぼ直線なのにステーン! と勢いよくずっこけてしまうこともあった。
これはもう,バイクの持つ独特な操作性に慣れなければレースどころではない。しかし,チュートリアルは基本操作部分しか用意されていないようで,テクニックの補足はしてくれないらしい。
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オープンワールドを慣れるまで走り回るのもひとつの手だが,今回はマップ上のイベントからオフラインレースに参加することにした。NPCの挙動から基本的な動きを学ぼうという作戦だ。
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じっくり観察していると,初心者の目線でもいろいろなことが分かってくる。まず,NPCは(よく考えれば当たり前なのだが)全力でアクセルを踏み込んでいない。よほどまっすぐな道でなければ200km以上でかっ飛ばすような操作はするべきではないのだろう。
さらに,加速したバイクはカーブを曲がる能力が著しく低下するため,減速はかなり早い段階から行う必要がある。急カーブであれば,自分でも「ちょっと速度下げ過ぎじゃない?」と思うくらいブレーキをきかせたうえで,アウトコースからカーブに入らなければキレイに曲がれない。
加えて,カーブ中だからといって速度を落としっぱなしでいると,速度が低すぎてカーブを曲がれないこともある。減速状態でカーブに侵入し,適切なタイミングで加速することで,はじめてキレイに曲がれるのだ。
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練習に選んだコースでは,90度の急カーブが2連続で出現するのだが,これをクラッシュせず曲がれるようになるまで20回以上のリトライを要した。
しかし不思議と苦痛ではなく,少しずつ感覚を慣らしていくのは結構楽しかった。イメージとしては,格闘ゲームのトレーニングモードで,コンボや連係を手に覚えさせていく作業に近い。
ようやくカーブを上手に曲がれるようになり,NPCと同列にコースを走れるようになると,なんだか自転車に初めて乗れたときのような感動を味わうことができた。もちろん,すべてのコーナーを完璧に曲がれるわけではないが,完成形がイメージできるようになるとレース自体も俄然楽しくなってくる。
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レースを完走すると「経験レベル」を入手できるほか,設定されているタスクを達成すれば,マシンのカスタマイズに使える「アップグレードポイント」も手に入る。最初から長いコースで勝つのは難しいので,まずは短めのレースを探して挑むのが良さそうだ。
NPCとのレースは“チャレンジ”と呼ばれ,オープンワールドマップの各所で挑むことができる。マン島を自由に走り回り,これらを見つけていくのもゲームのうちである。
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マップは単にチャレンジが用意されているだけでなく,ツーリングを楽しませてくれる要素もある。それが,さまざまな情報が収録された「ディスカバリー・チャレンジ」だ。レースの歴史を垣間見られる小ネタ程度かと思ったのだが,いざ探してみるとなかなかのボリュームだ。
また,各種チャレンジを探すためにマップを走り回っているうち,最初は走るのが精一杯で意識していなかったグラフィックスにも目が向くようになってきた。
バイクやライダーの造形はもちろんのこと,雄大な自然が残るマン島の景色は非常に美しい。いろいろな場所を走り回り「フォトモード」で記念撮影をしていると,あっという間に時間が過ぎていく。
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本作はレースゲームの中でもコア向けの作品ということもあって,正直なところ,初心者にはなかなか難しい部分が多い。しかし,厳しい基本操作の壁を乗り越え,入り口にたどり着くことができれば,広大なマン島を満喫できる。
マン島でのレースを楽しめるようになれば,今後目にするマン島TTに関するニュースや映像における情報の理解度が爆発的に上がるのは間違いないだろう。
なお,本作にはオンラインのマッチングシステムも用意されているが,今回は先行プレイということで残念ながら参加できなかった。恐らくオンラインでも何度かクラッシュして吹っ飛ぶことになると思うが,本作がリリースを迎えたあかつきには挑戦してみたい。
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