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[インタビュー]目指すのはおバカでクレイジーなゲーム。「LET IT DIE: INFERNO」には,ユーモラスな武器とバイオレンス描写,そして“思わず誰かに話したくなる理不尽さ”がある
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印刷2025/09/25 12:00

インタビュー

[インタビュー]目指すのはおバカでクレイジーなゲーム。「LET IT DIE: INFERNO」には,ユーモラスな武器とバイオレンス描写,そして“思わず誰かに話したくなる理不尽さ”がある

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 ガンホー・オンライン・エンターテイメントは,サバイバルアクションゲーム「LET IT DIE」シリーズの最新作「LET IT DIE: INFERNO」PS5 / PC)を2025年12月4日に発売する。

 2017年に発売された「LET IT DIE」,2022年に配信された「DEATHVERSE: LET IT DIE」に次ぐシリーズ最新作となる本作は,ローグライトとPvEvPの要素をこれまで以上にフィーチャーしているのが大きな特徴だ。

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 ガンホー・オンライン・エンターテイメントは,2025年9月25日から9月28日まで開催される東京ゲームショウ2025に新作「LET IT DIE: INFERNO」をプレイアブル出展している。「LET IT DIE」と世界設定を同じくする本作のTGS出展バージョンをプレイできたので,本稿で紹介しよう。

[2025/09/25 12:00]

 舞台は毎回構造が変化するダンジョン「地獄門」だ。プレイヤーはここを探索する「レイダー」となり,個性的な「ボディ」から1つを選んで突入し,武器や防具,素材を回収してパワーアップしていく。

 地獄門にはほかのプレイヤーも徘徊しており,たとえエネミーとの戦闘中であったとしても,プレイヤー操作によるリアルタイムのPvPが勃発する。ほかのプレイヤーを倒せれば持ち物を奪えるが,負ければ逆に奪われてしまうのだ。

 本稿では,本作のエキセントリックプロデューサーであるアンクル・デス氏とディレクターの新 英幸氏に,サバイバルアクション+PvEvPとして進化したシリーズ最新作について,話を聞いた。

左からアンクル・デス氏,新 英幸
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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まず新作「LET IT DIE: INFERNO」についていろいろと聞かせてください。

新 英幸氏(以下,新氏):
 「LET IT DIE」「DEATHVERSE: LET IT DIE」から続けてディレクターをしています,新です。

アンクル・デス氏:
 アンクル・デス蔵です。開発チームがいいゲームを作れるよう,後ろから祈る仕事をしてます。

4Gamer:
 祈るだけということはないと思うんですが(笑)。「LET IT DIE: INFERNO」は,シリーズの新作として,アンクル・デスさんのYouTubeチャンネルで公開された「DEV DIARY #11」でチラ見せされていましたが,改めて制作の経緯について教えてください。

 前作「DEATHVERSE: LET IT DIE」が新たなゲームとして生まれ変わるとしてサービスを一時停止していますが,「LET IT DIE: INFERNO」はその生まれ変わった姿なのでしょうか。

新氏:
 DEATHVERSEの「デ」の字もないような新作というのが正しいですね。
 「DEATHVERSE: LET IT DIE」についてはサーバートラブルなどいろいろあってサービスを一時停止することになりました。作り直すなかで,やるのであれば徹底的に見直そうということになり,シリーズ3作目として完成したのが「LET IT DIE: INFERNO」なんです。

アンクル・デス氏:
 「DEATHVERSE: LET IT DIE」を歴史から抹消しようというくらいの意気込みです!

新氏:
 「LET IT DIE」や「DEATHVERSE: LET IT DIE」で好評だった近接のバトルを引き継いではいますが,同じようなゲームを作っても仕方ありませんので,今回はローグライトアクションという新しいジャンルに挑戦しています。

4Gamer:
 ターゲットはどういった層を想定していますか。

新氏:
 全世界900万人の「LET IT DIE」ファンですね。加えて,「LET IT DIE」をプレイしていなかった方々にも広げていきたいです。

アンクル・デス氏:
 今回はCEROも「Z」じゃなくて「D」だからね。あのときにZでリリースしたのは大いなる間違いだったと思っています(笑)。

4Gamer:
 大いなる間違いとは,またバッサリといきますね。

アンクル・デス氏:
 日本だとZ指定のゲームを買うのにクレジットカード認証が必要なのが大きかったんですよ。配信者が遊んでるのを見て,自分でプレイしたくなっても,クレジットカードの情報を入れなきゃならないんです。

 その結果,「LET IT DIE」が達成した900万DLの内訳はほとんどがアメリカからのダウンロードでした。あちらはレーティングの高いゲームでも認証が必要ないので。
 今回は,日本の皆さんに遊んでもらえるよう,クレジットカード認証が要らないCERO:D相当にしています。まあ,「LET IT DIE」の日本初上陸みたいなもんだね(笑)。

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新氏:
 日本で「LET IT DIE」をプレイするには,100円で購入してもらう必要があったのですが,あれはクレジットカード認証が目的だったんです。

4Gamer:
 これまでのシリーズは基本プレイ無料でしたが,今回はどうなるのでしょうか。

アンクル・デス氏:
 今回はソフト本体が有料購入いただく形になりますが,さまざまなエディションを用意しています。基本的には最もベーシックなスタンダードエディションを買ってもらえれば,十分に遊んでもらえるようになっています。

 上位のエディションだと,操作キャラクターである「ボディ」がより多くから選択できるようになったり,アイテムを保管するストレージも広くなったり。あとは……便利なソート機能が開放されるかもしれないですね。

4Gamer:
 ……? サラっといわれるので,ちょっと信じかけてしまいました。スタンダードエディションでも,普通にストレージのソート機能はあるんですよね。

新氏:
 もちろん,ソート機能はありますよ。あまりこの人の言葉を真に受けないでください(笑)。

4Gamer:
 ホッとしました(笑)。「LET IT DIE: INFERNO」におけるプレイヤーの立ち位置を教えてください。

新氏:
 今回プレイヤーは,都市を丸ごと飲み込むほどの大穴である地獄門を探索する「レイダー」になります。地獄門には超エネルギーの結晶「死神の目」が眠っており,これを探し出すのが目的です。
 同じく死神の目を狙うほかのレイダーや,大企業「ヨツヤマ」の研究員,異形の化け物が入り乱れており,戦いながら探索を進めて行きます。

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4Gamer:
 基本的なゲームサイクルはどのような流れになるのでしょうか。

新氏:
 構図的には「LET IT DIE」と似た,拠点から出撃してアイテムを集めて帰ってくるという流れになります。
 フロアをクリアして塔を“登る”「LET IT DIE」に対し,「LET IT DIE: INFERNO」では「地獄門」という穴を“潜る”ゲームで,1回のプレイでどこまで潜れるかが焦点となりますね。
 1回のプレイは15分ほどで,生きて拠点に帰還できれば,集めたアイテムをキープ可能ですが,負けるとボディやそのときに持っていたアイテムを全ロストしてしまいます。

4Gamer:
 「LET IT DIE」で負けると「瀬戸際子」がコンティニュー保険の営業をかけてきましたが,そうしたこともないと。

新氏:
 瀬戸際子もいませんし,コンティニューも不可能です。半端ないヒリヒリ感を味わえます。

アンクル・デス氏:
 個人的には瀬戸際子に出てほしいし,今後はアップデートで出せないかなと思ってます。ただ,今回は「LET IT DIE」のときみたいな「Yes or No」的なものがないんだよなあ……。

4Gamer:
 負けると,すべててが失われるパーマデス方式なのでしょうか。

新氏:
 すべてが失われるわけではないですね。やられても倒れるのはボディだけです。

4Gamer:
 ボディは,プレイヤーがやられると消滅する消耗品なのでしょうか。

新氏:
 消耗品ではありません。倒されるまで成長するキャラクターといったところでしょうか。地獄門で倒されると脊髄だけが脱出し,拠点に戻ります。拠点では新たなボディが用意されていて,これに脊髄をセットして再挑戦することになります。

4Gamer:
 それでは,負けてロストするものと,しないものについて教えてください。

新氏:
 ボディが持っていた装備やアイテム,ボディに装着することでさまざまな能力を得られる「コア」,ボディの成長度合いを示す「ボディランク」と探索進捗はロストします。
 逆に,拠点のストレージに預けたアイテム類や,永続強化であるスキルツリー「ボディマスタリー」と,これに割り振る「マスタリーポイント」はロストしません。

4Gamer:
 「LET IT DIE」ですと,ボディに相当する「ファイター」にレアリティがあり,どんどん上位のファイターを手に入れる必要がありましたが,そうした形式ではないということでしょうか。

新氏:
 ファイターのような形式ではないです。ボディランクに紐づくコアとボディマスタリーでボディ自身が成長します。

4Gamer:
 ボディの成長要素にはどういったものがありますか。

新氏:
 コアではHPや攻撃力上昇,「特定の壁を登る」「デスブロウやステップの回数増加」といった追加能力が手に入ります。ボディマスタリーでは「最大所持重量増加」「特定武器種の攻撃力アップ」といった効果を永続的に得られるんです。

4Gamer:
 それぞれのボディには,どのような能力があるのでしょうか。

新氏:
 攻撃力が高かったり,所持重量が多かったりといったパラメータ的な特徴に加えて,ボディごとに使えるスキルも異なります。例えば,とあるボディはドロップキックを使えたりするんです。

4Gamer:
 「LET IT DIE」でもドロップキックにはある意味お世話になりました。強敵から逃げて階段を登ろうと思ったら暴発してタコ殴りにされた記憶が蘇ります(笑)。
 先ほど,地獄門にはほかのプレイヤーもいるというお話でしたが,直接戦うことになるのでしょうか。

新氏:
 リアルタイムで対戦することになります。「LET IT DIE」ではほかのプレイヤーのデータをCPUが操作する非同期対戦でしたが,今回は直接対決になります。勝てば持っているアイテムを奪えますし,負ければ奪われます。

アンクル・デス氏:
 対戦したくない人は避けたり逃げたりできますよ。メインとなるPvEが8割,そこにPvPのエッセンスが4割入ってくる感じかな。

4Gamer:
 8+4で12になってますよ!

アンクル・デス氏:
 まあ,あくまでPvEメインだと思ってほしいね。浅い階層では,ほかのプレイヤーさんにはほぼ出会わない。けれど,深い所へ潜るほどPvPの要素が少しずつ増えていく。地獄門に入ったらいきなり強いプレイヤーが待ち伏せしているような「初見殺し」ではないです。

4Gamer:
 いわゆる待ち伏せ戦法はPvEvPのゲームの定番で,バランス調整を誤ると待ち構える側が圧倒的有利になりかねません。本作では何か対策をしているのでしょうか。

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新氏:
 脱出するためのポッドをマップ内に複数個用意しています。また,プレイヤーはそれぞれ周囲をチェックできるレーダーを持っていますから,危ないと感じたらできるだけ距離を取って迂回したり,逃げたりもできます。

 あとは「LET IT DIE: INFERNO」は近接メインの戦闘で交戦距離が近いため,そうそう戦闘が始まらないようになっています。近い間合いでのバトルがいかにして発生するか/しないかといった部分については「DEATHVERSE: LET IT DIE」で学びましたから,戦いたければ戦う,逃げたければ逃げるといったバランスは実現できていると思います。

4Gamer:
 近接メインのバトルロイヤルだっただけに,ノウハウが蓄積できたわけですね。

新氏:
 3D空間で殴り合うようなゲームってあまりないじゃないですか。そうした中で近接戦について取り組んできたので,今回も経験が生きていると思います。

4Gamer:
 確かに「DEATHVERSE: LET IT DIE」では,マップ内での不意の遭遇や,戦うか否かの駆け引きが面白かったです。漁夫の利を狙う者がいたり,逃げ回るものがいたりして,毎回異なる展開を楽しめました。

アンクル・デス氏:
 漁夫の利を狙っているヤツを奇襲してさらに漁夫の利をせしめるようなこともあるかもしれない。まあ,浅い階層で誰かを倒しても,そんな初級者が持っているアイテムはたかが知れてますけどね。

4Gamer:
 「DEATHVERSE: LET IT DIE」は笑いながらPvPできましたが,今回もこうした独特のノリを期待しています。地獄門にはランダム要素があるとのことでしたが,どんな部分が変化するのでしょう。

新氏:
 マップの構造やスタート位置,敵の強さ,手に入るアイテムといった部分が変わります。そこで拾う武器にもランダムに特性が付与され,同グレード,同タイプの武器でも能力に幅が出てくるようになっています。
 これは防具も同様で,たまたま特定の特性を持つ防具が頭から足まで揃ってすごく強くなるようなことが起きたりします。そのときはスロットが揃ったような気分になるんですが,浮かれて奥に進んで倒されてしまうと全ロストしてしまうので,気をつけないといけません。

4Gamer:
 運が良ければ強力なパワーアップを得られるけれど,やられるとすべてを失う。ローグライトの王道かつ「LET IT DIE」的ないい意味での理不尽さは健在というわけですね。

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目指すのはおバカでクレイジーなゲーム。発想力を鍛えてユニークなフィーチャーを作る


4Gamer:
 CERO-ZからCERO-D相当になると,過激さとユーモアが同居したシリーズのノリがどうなるかも気になります。例えば攻撃技「レイジムーブ」や「ゴアティカル」では,抱え上げてバックブリーカーの要領で真っ二つにするといったハードなバイオレンス表現も見られました。今回はそういった演出が控えめになるのでしょうか。

アンクル・デス氏:
 全力でおバカをやるところは「LET IT DIE: INFERNO」でも健在ですよ。ただ,ちょっとCERO-Zにならないよう気を使っただけです。

新氏:
 さすがにCERO-D相当なので真っ二つにするような表現はないんですが,見ると「なんじゃこりゃ!?」となる表現は僕らもこだわったところなので,楽しみにしていてください。

4Gamer:
 武器もユニークなものばかりでした。私は特に「アイロン」が好きだったんですが,「LET IT DIE: INFERNO」の武器で,新さんがフィーチャーしたいものはありますか。

新氏:
 武器も「LET IT DIE」と同じメンバーが作っていますので,今回もメチャクチャにヘンなものが出てきますよ。
 お伝えしたい武器については,製品版からの登場となっておりますので,ぜひご期待くださいということで(笑)。

4Gamer:
 見た目がユーモラスなだけでなく,武器としてのユニークな機能がプレイ体験に落とし込まれていたのも印象的でした。例えば「DEATHVERSE: LET IT DIE」の「丸鋸」は,壁を登ったり,構えたまま走り回ることができましたし。

新氏:
 丸鋸は実にいろいろな議論があった武器で,走り回れるという特徴をなくそうとしていたこともありました。
 走り回る必殺技にしても「丸鋸だけ必殺技が持続するのはおかしいんじゃないか」という意見もあり,最初は移動距離がたった4歩だったんです。ただ,武器には何かしらの特徴が必要なんだと思い直して,ずっと走り回れることを前提に調整しました。その結果,皆さんの思い出に残る武器になったのかなと思います。

4Gamer:
 調整が大変なことを承知のうえで,武器ごとの特徴を出していったわけですね。

新氏:
 こうした議論は「LET IT DIE: INFERNO」でも行われていますが,今回はPvPの要素を持つことがポイントになります。アクションゲームでは,モーションとリーチとスピードが武器の直接的な強さになりますから,あまりヘンな武器を作り過ぎると,これだけがあればいいという「一強状態」になりかねません。

 PvEであれば,バランスを崩すような武器が出てもパラメータ調整で収めることはできますが,今回はPvPが前提ですし,ほかのプレイヤーと交わることを楽しく感じてほしい。そのうえで,どの武器もPvPとPvEの両方で使えることを目標に調整を進めています。

4Gamer:
 「LET IT DIE」シリーズでは,キノコやカニ,サソリなどフィールドの動植物を食べるといろいろな効果を得られるのも印象的でした。今回もこうした要素はあるのでしょうか。

新氏:
 あります。今回は「ヤミーズ」という食べ物そっくりの動物が登場するんですよ。

4Gamer:
 「食べ物そっくりの動物」ですか。

新氏:
 魚だと思ったらオムレツだった,カニだと思ったらハンバーガーだった……という感じと言えばいいんですかね。動物っぽいけれど食べ物で,武器で叩くと,食べ物そのものになるんです。

4Gamer:
 ??? 動物の肉を調理するのではなく,動物が食べ物ということでしょうか。自分で言っていてよく分からなくなってきましたが。

新氏:
 何か食べると回復するだけでは面白くないので,そこに僕らなりのカラーを出したのがヤミーズなんです。武器を作ったのと同じスタッフたちと「見たことのない動物を出そう」ということで知恵を絞りました。

4Gamer:
 ちょっと幻想的ですね。ユニークな武器の数々もそうでしたが,こうした発想はどこから出てくるのでしょう。

新氏:
 チーム内で「何が面白いんだろう」というテーマを常に話し合っている伝統がそうした発想につながっているのかもしれません。
 ゲームにキノコを出すとしても,食べると回復やバフが得られるものとして作るのが普通だと思います。何が起こるか分からないキノコ,時には当たってゲロを吐くような要素を作っちゃうのがウチの開発スタッフたちなんです。

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4Gamer:
 確か「LET IT DIE」で最初に食べるキノコは,ヨガのポーズで瞑想する「サトリタケ」でした。プレイしながら「自分は何を見せられているんだろう……」と面食らったことを覚えています。
 アイデアを出すうえでは,ゲームにすぐ使えそうなものでなくても,面白さがあれば自由に提案してもいいという方針なのでしょうか。

新氏:
 「笑わせた者勝ち」的なところはありますね。僕自身が面白いと思ったら,もうゲームに取り入れてしまおうと(笑)。
 昨今ゲームなんてたくさんありますから,迷宮に宝箱が置かれていて,開けたらアイテムが出てきた……なんてありきたりなシチュエーションは思い出に残りません。それよりもカニを叩いたらハンバーガーになったほうが面白いじゃないですか(笑)。
 没になった発想もいっぱいありますが,だからこそみなさんの予想を超えた武器やアイテムを出せるんです。

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アンクル・デス氏:
 ちょっとおバカでイカレている,王道な部分が何一つないくらいのゲームであるのが重要なポイントです。だから,アメリカのプレイヤーから「クレイジー!」といわれた時はめちゃくちゃ嬉しかった。どこかのゲームアワードで賞をもらうよりも最高な評価だし,最高の誉め言葉だと思います。

4Gamer:
 「LET IT DIE」では,さまざまなアーティストに「LET IT DIE」という名前の曲をオファーするなど,音楽面での取り組みも印象的でした。

新氏:
 今回もサウンドディレクターは山岡 晃が務めていて,K-POP感にフィーチャーしています。

アンクル・デス氏:
 K-POPを導入するのは国内ゲームメーカーでは初めてじゃないかな? ちょっと悪ノリ感もありつつ,新しい音楽の使い方をしています。

4Gamer:
 新しい音楽の使い方とはどういうことでしょうか。

アンクル・デス氏:
 1つの楽曲が状況に応じてさまざまに変化していきます。穏やかな状況では曲調も穏やかになり,ノリノリで戦っている時は激しく,危険が迫ると緊迫したものになる……といった具合ですね。ゲームとめちゃくちゃマッチしたものになっているので,注目してほしいです。

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新氏:
 状況に応じて,いろいろなフレーズが重なったり,テンポやBPM自体も変わっていったりするので,臨場感がアップしたものになっています。同じ曲がシームレスで変化していくというのは,結構新しいし,これまでに味わったことがないようなフィーリングがあると思います。

4Gamer:
 DJがその場のノリに応じて曲を変えていくような感じでしょうか。

新氏:
 それを1つの曲でやってしまうということですね。だから,サントラを出したり,PVを作る際に「ゲーム内の曲をください」と言われても困ってしまう(笑)。リアルタイムで曲調が変化していき,同じものがないわけですから。

4Gamer:
 K-POP感をフィーチャーしているところとあわせて,独特の音楽になりそうですね。まだまだ聞きたいことも多いですが,お時間が来たようです。最後に,読者へメッセージをお願いできますか。

新氏:
 ほかのゲームにはない狂ったノリと,骨太な面白さが同居しているのはこれまでと同様です。そのうえで「LET IT DIE」とも「DEATHVERSE: LET IT DIE」とも違った遊びができますので,楽しみにしていただければと思います。

アンクル・デス氏:
 これまで遊べなかった人にぜひプレイしてもらいたいです。今回も「LET IT DIE」と同じく極めて理不尽なゲームです。例えば脱出ポッドも,普通のゲームなら目立たせるけれど,このゲームだとめちゃくちゃ見つけにくくしています。でもレーダーは充実していて,危険を避けることもできるんです。
 ちょっと笑っちゃうし,誰かに「こんな目に遭ったんだ」といいたくなる理不尽さがあるので,ぜひ遊んでほしいです。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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