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絶対に“Pay-to-Win”にはしません――「LORD of VERMILION ARENA」のαテスト直後にゲームの方向性からサービス形態まで開発陣に詳しく聞いてみた
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印刷2014/10/30 00:00

インタビュー

絶対に“Pay-to-Win”にはしません――「LORD of VERMILION ARENA」のαテスト直後にゲームの方向性からサービス形態まで開発陣に詳しく聞いてみた

5vs.5ルールは競技プレイヤー向け

ゲスト使い魔ももちろん登場予定


4Gamer:
 課金については,いろいろ嬉しい回答をいただけました。もう少しゲーム内の仕様に寄った内容についても教えてもらえればと思います。これは,αテストに参加された方はとくに気になっていたと思うのですが,7vs.7の対戦以外のゲームモードは,マスク(選択不可に)されていましたよね。

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和賀氏:
 はい。ほかに,ストーリーモード(物語)や模擬戦(対CPUのCo-op戦),カスタムモード(修練場),イベントモードを用意しています。また,正式後にすぐ確認できる要素ではありませんが,オンライン大会モードも実装予定です。

4Gamer:
 大会モードがあるんですか。

和賀氏:
 まだ現時点で仕様は確定はしていませんが,参加申請すると自動的にトーナメントが組まれて対戦できるものなどを検討しています。

黒木氏:
 大会以外では,いわゆるレーティング制のシステムも採用を予定しています。対戦を行うと,その結果に応じてランクが変動する形式ですね。

4Gamer:
 マッチングはどのようになるのでしょう?

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黒木氏:
 同じランク帯でも,なるべく平等な条件となるようにソロとチームで分けられた形のマッチングを予定しています。ランク戦以外に,気軽に遊べるノーマル戦も実装しますので,カジュアルに楽しみたい方はそちらでプレイしたりと,住み分けができるように想定しています。

4Gamer:
 分かりました。ゲームモードでもう1点,αテストでプレイできた闘技場ですが,選択できない「5vs.5」のルールもありました。

黒木氏:
 5vs.5は,7vs.7からさらに競技性を高めたルールだと考えてください。おそらく,所属チームを持って戦いたいプレイヤーやヒエラルキーの上位にいるプレイヤーは,5vs.5で遊ぶのではないかと思います。

4Gamer:
 なるほど。人数が増えれば個々の負担は減ってカジュアルになりますが,逆に少ないと1人1人の責任は増えますから,競技性が高まると。

黒木氏:
 そうです。5vs.5では,マップデザイン自体も異なるものを用意しています。当然競技性が高くなりますので,チームで戦術を打ち合わせたり,ボイスチャットなどでのより詳細なコミニュケーションを前提にしたゲームデザインを想定して作っています。

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4Gamer:
 本当に上級者向け,といった感じがしますね。マップの話が出たので,続けて教えてほしいのですが,7vs.7のマップは,α版のものをそのまま使用する予定なのでしょうか。

黒木氏:
 7vs.7のマップ形状そのものは,現状のままで行く予定です。ただ,先ほどお話したとおり,視界認識の広さなどの細かな部分に関しては,サーバーの処理負荷などの要素を加味しつつ,変更を加えていきます。

4Gamer:
 α版をプレイして感じたことですが,7vs.7のマップでは敵から隠れられるポイントが少ないように感じました。視界確保を行うためのアイテムも存在しませんし,MOBAに慣れたプレイヤーの中には,これに驚いていた人も多かったようです。今後,何らかの形で用意されるのでしょうか。

和賀氏:
 マップ上に隠れられるbrush(草むら。bushとも呼ばれる)や視界確保用の設置アイテムがないのは,15分で終わらせるための企画的な意図も含まれています。

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黒木氏:
 視界確保に関しては,使い魔の「設置」で代替可能で,今後は視界確保に適したスキルを持つ使い魔も実装を予定しています。直接戦闘型ではないサポート型の使い魔なども増えていきますので,そのあたりの触感も変化するのではないかと思っています。

4Gamer:
 なるほど。アイテムではなく,使い魔がその役割を担うわけですか。

黒木氏:
 ええ。ゲームデザインとして,なるべく使い魔だけで完結する形を目指しています。アイテムなどのゲーム内ビルドに関する要素は,デッキビルディング時に組合せを考えてもらい,TCGのような戦術の思考が楽しめるようにも考えています。

4Gamer:
 やはり,使い魔がカギになるんですね。今から新しいカードを見るのが楽しみです。

和賀氏:
 そのためにも,正式サービス時に150体は絶対に用意します。豊富なカードプールがなければ,想定した遊びが保証できませんから,そこは期待してください。

4Gamer:
 ちなみに正式サービス後のカード追加も,すでに考えられていますか?

和賀氏:
 カードの追加は,正式サービス後に一番力を入れていく開発要素だと考えています。具体的にはカードを“1年で2倍”にすることを目標として運営していく予定です。

4Gamer:
 つまり,1年後には300種類になっているわけですか。

柴氏:
 開発コンセプトとして,良い意味で過去のキャラクターアセットをふんだんに使い,重要なところのボリュームを出しやすいという設計にしています。LoVシリーズのアドバンテージとして,過去に溜め込んだカードやキャラクターモデルが約1000種類ありますから,その資産をふんだんに使っていきたいと思います。ですので,アップデートで物足りなさを感じることはないと思いますよ。

4Gamer:
 “あの使い魔”はいつ実装されるんだろうと,LoVファンはそれぞれに期待するでしょうね(笑)。ところで,LoVシリーズの使い魔といえば,やはりゲストの存在が大きいです。LoVAにもゲスト使い魔()は登場するのでしょうか。

※アーケード版LoVシリーズには,さまざまな作品のキャラクターが「使い魔」としてゲスト参戦している。初出はLoV(無印)のver 1.1(LORD of VERMILION -神々への離反-)で,当初は「ヴァルキリープロファイル」のレナスや「ドラッグ オン ドラグーン」のカイムといった,同社内でのコラボが中心だった。のちの「LoV Re:2」以降からは,アークシステムワークスの「BLAZBLUE」シリーズや,アトラスの「ペルソナ4」シリーズなどの他社作品からも,多数のキャラクターが参戦。現在稼働中のLoV IIIでは,ゲスト使い魔用のレアリティ“STRANGER”が用意されるなど、LoVプレイヤーにとっては,お馴染み&お楽しみな要素となっている

和賀氏:
 もちろん,ゲスト使い魔もたくさん用意しています。これまでゲスト使い魔として登場していないキャラクターや,タイトル自体がLoVでは初めてのものなど,ちょうど今調整を進めている最中です。

4Gamer:
 お,それは熱いですね!(笑)。

和賀氏:
 昔好きだったゲームの思い出のキャラクターなど,いろいろなタイトルのキャラクターがパーティに入って戦う“お祭り”的な遊びは,過去シリーズでも好評ですから,それはLoVAにも継承していきます。

4Gamer:
 となると,称号や専用BGMも?

和賀氏:
 ええ,こちらも用意したいと進めています。初期のコラボに関しては,まずは社内の人気タイトルシリーズが中心となります。今後発表が行われますので,もうしばらくお待ちください。

4Gamer:
 もう,いろいろと妄想が止まりませんよ。

柴氏:
 とはいえ,まずLoVAが“LoV”シリーズである必要があります。LoVとして,過去の人気キャラクターの復活や新しいオリジナルキャラクターにも力を入れていきます。

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武器とアルティメットスペルは今後調整

根本的な仕様変更の可能性も


4Gamer:
 LoVAでは,キャラクターが装備する武器も重要な要素だと思いますが,αテストでは攻撃範囲と性能の異なる3種類の武器が使えました。正式サービス後には,どのような武器が実装されていくのでしょうか。

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和賀氏:
 現状の仕組みとしては,対戦で集めた素材を使用して武器を錬成する,LoV IIIの「武器錬成」に近いシステムを考えています。武器はLoVAでも,錬成結果に応じて異なるパッシブスキルが付与され,さらに見た目や攻撃範囲も多数用意される予定です。

4Gamer:
 防具にも能力差はあるのでしょうか。

黒木氏:
 防具には成長要素(レベル)がありますので,多少の性能差は存在します。ただ,能力の上昇値は最大でも数%程度で上限があります。ゲームのプレイにより若干の範囲で成長しますので,LoLのマスタリーのような性質のものと考えてください。その範囲を超えるものにはしません。武器も防具も能力を維持したまま,見た目を変更したい場合に,有料要素が関わってきます。

4Gamer:
 アバター要素ということですね。

黒木氏:
 そうです。つまり武器と防具の錬成要素は,ゲームの中心となる仕様ではありません。あくまでデッキとプラスでビルドするための1要素であり,「これを持ってないと勝負にならない」という形には,絶対にしないように調整をしています。

4Gamer:
 装備品に近いエディット要素として,アルティメットスペルも用意されています。こちらについては,正式サービスにあたっての追加や変更は予定されていますか。

黒木氏:
 αテストの時点では,諸事情があり,すべてのアルティメットスペルを入れることができませんでした。なので今後のテストで,新たなアルティメットスペルが登場するかもしれません。ただ,現在はアルティメットスペルに関して試行錯誤を繰り返している最中です。効果の数値だけでなく,1試合中の使用回数など,能力としての立ち位置そのものから見直す可能性があります。

4Gamer:
 回数まで含めて検討されているわけですか。

黒木氏:
 ともかく,αテストから大きく変化する可能性のある要素は,本当にたくさんあります。10月から調整が本格化していますので,仕様の確定はこれからになると思います。

4Gamer:
 そういったゲームバランス全体の調整は,どのように行うのでしょうか。

和賀氏:
 いろいろなゲームでトップクラスの成績を持つ精鋭に,バランスだけを見る専属テスターとして活動してもらっています。次のテストでは,バランスも考慮したバージョンを出す予定ですので,今後の情報にご期待ください。


完全新作のストーリーはフルボイス

使い魔のフレーバーテキストも一新


4Gamer:
 LoVシリーズのファンとしては,世界観やストーリーも気になるところです。LoVAのストーリーは,シリーズの中ではどんな位置付けにあたるのでしょうか。

和賀氏:
 シリーズお馴染みの設定が活かされた,ストーリーはイチからの新作として制作しています。新しいプラットフォームでの展開となるため、これまでLoVシリーズに触れたことがない方でも,楽しめられるように進めています。

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柴氏:
 また,今回のストーリーはLoV IIIディレクターの浅尾(祥正氏)に監修してもらいました。ですから,LoVシリーズファンの方に「それはないでしょ」とは思われないくらい,“LoVらしさ”はありますので,その点はご安心ください。

4Gamer:
 シリーズを続けて遊んでいるファンも,新規プレイヤーも安心といったところでしょうか。ストーリーモードは,正式サービス開始直後から実装されているのですか?

和賀氏:
 ストーリーは,ゲームの操作や基本ルールを覚えるチュートリアルとしての側面も持っていますので,序章部分は最初から実装される予定です。続きの部分に関しては,正式サービス後にアップデートで追加していく予定です。

4Gamer:
 分かりました。ところで,αテストでキャラクターの顔を作っていて気付いたのですが,今回の主人公は目が紅くないのですね()。本作では,アルカナ()の立ち位置が変化しているのでしょうか。

※紅い目:アーケード版LoVシリーズにおける主人公たちは全員,アルカナの力を宿したことで瞳が紅くなっていた

※「アルカナ」:LoVシリーズを通じて登場しているキーワード。アーケード版のLoVシリーズでは「世界を支える力を持つ魔石」として描かれた。アルカナを持つ者は世界を統べる王(ロード)となり,永久不滅の強靭な肉体と,使い魔を使役する力を得る。力を得た王は,瞳が紅く染まることから「ロードオブヴァーミリオン」(紅蓮の王)と呼ばれる。LoVAにおけるアルカナは石ではなく,巨大なドラゴンの姿をしている。また,使い魔を使役するプレイヤーキャラクターは目の色も含めてエディット可能となっているようだ

黒木氏:
 LoVAでは,アルカナを身体に宿すのではなく,とある理由により同様の能力が身体に刻まれている「刻印」という形で表現されています。とはいえアルカナという存在の立ち位置は,シリーズと同様だと考えてください。

4Gamer:
 公式サイトで公開されているストーリーのプロローグでは「刻印戦争」といった文言も確認できました。やはり,その内容と関係があるのでしょうか。

和賀氏:
 刻印戦争については,今回「異世界間の大戦」がキーワードとなります。そして,公式サイトで公開されているキャラクターは,本編に登場する重要キャラクターになります。これらの詳細については,今後の情報公開を楽しみにしてください。

4Gamer:
 ちなみに,ストーリーにボイスはついていますか?

和賀氏:
 フルボイスです。キャストさんの情報はまだお伝えできませんが,今後発表していきますので,そちらもご期待いただければと思います。

4Gamer:
 おお,良いですね。「異世界間の大戦」というキーワードも,いろいろと妄想が広がります。

和賀氏:
 今回のαテストでは「ヴァーミリオンと呼ばれる世界のマップ」を使用しましたが,ゲーム中にはストーリーに準じたさまざまなマップが登場します。その中には「トワイライト」という,現代的な雰囲気のマップもあったり……。

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4Gamer:
 これは……LoVの世界観から考えると,相当な“異世界”ですね。

和賀氏:
 こういった,他世界マップは,ストーリー上で登場するだけでなく,実際の対戦モードでも使用可能です。マップの外見にもこだわっていますので,その点にも注目してみてください。

4Gamer:
 楽しみです。ところで,LoVシリーズとして気になった点があるのですが,LoVAではLoV IIIから登場した使い魔の固有名が使用されていますが,これは何かストーリー上の理由があるのでしょうか。

黒木氏:
 固有名に関しては,LoV IIIのストーリーの中で定着した要素ですので,今作にもそれを引き継いでいます。使い魔は,ロードが別世界から呼び寄せている存在ですので,他世界のキャラクターが出現したとしても,設定に食い違いは発生しませんし。

4Gamer:
 ということは,LoV IIIの世界とは直接的な関わりはないみたいですね。すると,フレーバーテキストは新しくなるのでしょうか。

黒木氏:
 はい,一新します。LoVシリーズのフレーバーは,カード同士の“横のつながり”を楽しむ要素が強かったのですが,その感覚をLoVAに導入してしまうと,アーケードのLoVシリーズを知らない人が置いてけぼりになってしまうので……。今回は,使い魔の紹介を中心としたテキストを用意しています。

4Gamer:
 どんな内容なのか興味深いです。では最後に,LoVAに期待している読者に,メッセージをお願いします。

黒木氏:
 次のテストでは,使い魔の数も大きく増えます。バランスを中心としたテストを想定しているため,しっかりチューニングしたLoVAを遊んでもらえるよう,全力で調整作業を行います。またプレイ後には,プレイヤーの皆さんの意見をいただきたいと思っていますので,ご協力いただけたら幸いです。ぜひ,よろしくお願いします。

和賀氏:
 初めての人にも分かりやすいシステムや,入りやすい環境を細かな部分まで丁寧に作っていきますので,ぜひMOBAや少数の対人戦が苦手という方も触れてみてください。サービス開始後には,大会展開や,ゲーム実績と連動したコミュニティサイトの開設など,ゲームにより深く参加できるような仕組みも構築してまいります。ぜひ,LoVAの今後にご期待ください。

柴氏:
 いろいろと話しましたが,結局は「面白いか面白くないか」がすべてです。触れてみて「面白くない」と思ったら,やらない方が良いでしょう。僕らは「面白い」と言ってもらえるよう,全力で面白いものを作っていきます。Free to playで,遊ぶ機会は平等に用意されていますので,まずは触れて判断してください。
 ゲームは僕らとプレイヤーさんとのキャッチボールで,成長していくものだと考えています。もしお時間があり,少しでも可能性を感じていただけたら,LoVAを通してキャッチボールにお付き合いいただけたら嬉しいです。

4Gamer:
 本日は,ありがとうございました。

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