
プレイレポート
[プレイレポ]「RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚」は,オリジナルから遊びやすくリニューアル。帝都の怪事件に仲魔とともに立ち向かえ!
本作は,「デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団」をリマスターし,さまざまな新要素を加えたタイトルだ。今回開発中のバージョンをプレイする機会を得たので,インプレッションをお伝えしよう。
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スタイリッシュな大正世界で起こる怪事件に,「仲魔」とともに立ち向かえ!
超力兵団奇譚の元となった「デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団」は,「真・女神転生」からの派生である「デビルサマナー」シリーズの第3作目として,2006年に発売されたタイトルだ。
舞台は架空の大正時代,人の心の闇が悪魔と結びついてさまざまな怪事件が巻き起こっていた。主人公は日本を守護する「悪魔召喚師」(デビルサマナー)として十四代目「葛葉ライドウ」を襲名した青年。彼は私立探偵である鳴海のもとで,お目付け役の黒猫・ゴウトとともに帝都を防衛する任務に就くことになる。
今回は物語の序盤から第弐話までをプレイできた。感想をまとめるなら,“大正時代っぽさとアクション性のあるバトル,戦略性の高い編成や「悪魔合体」が魅力的なRPG”といったところだろうか。
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「真・女神転生」からの派生作品はどれも魅力的な世界設定を持つが,それは本作も例外ではない。大正時代の風物は新しい西洋文化と日本古来の文化が入り混じり,独特の雰囲気を醸し出しているが,その良さが存分に表現されている。
街にはモダンなレンガのビルと純和風な大店が入り混じり,道行く人の服装も洋装だったり,和装だったりと多種多様だ。
このような近代化が進む街でオカルティックな事件が起こり,詰襟と学生服姿のライドウが黒猫を伴って颯爽と事件解決に挑む。
マントの下から日本刀や拳銃,仲魔(仲間とした悪魔)を封じた「封魔管」を抜き放って快刀乱麻の活躍を演じるライドウの姿は,グッとくるものがある。
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超力兵団奇譚では,グラフィックスがHDリマスタリングされているため,オリジナル版以上に街の描写がハッキリと確認できるようになってる。
新旧の様式が入り混じった建物が軒を連ねる街並みも面白いし,そこにかかった右から左へ読んでいく看板や,現在とは違ったカナ表記も興味をそそる。中には「コンリドルスッマ」(マッスルドリンコ)というファンにはお馴染みのアイテムの看板も見られ,この時代からある由緒正しい品であることに驚かされる。
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ライドウは探偵見習いとして悪魔絡みの事件を解決すべく街を奔走する。これまでのようにマップを歩いてもいいが,超力兵団奇譚では「現場急行」というファストトラベルが加わっているのがポイントだ。次の目的地を示すマーカーと合わせれば,捜査もよりスムーズに進むだろう。
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事件は奇怪なものばかりだが,「仲魔」たちと力を合わせて捜査するのが,本作らしい面白さだ。
仲魔たちは,それぞれが悪魔ならではの「捜査特技」を持っている。「エンジェル」や「ジャックランタン」なら「飛行」して高い場所を調べられるし,「アルプ」なら「読心術」で相手の本心を聞き出し,重いものでも「オバリヨン」がいれば「力まかせ」で動かしてもらえる。
また仲魔を「単独捜査」で単独行動させ,ライドウが入れないような場所から情報を持ち帰ることも可能だ。この捜査特技のおかげで,仲魔たちの存在感が増しており,思い入れがより深まっていく。
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戦闘はオリジナル版から大きく変化した部分の1つである。超力兵団奇譚は,「デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 アバドン王」(以下,アバドン王)をベースに,より遊びやすくなっている。
フィールド上にいる悪魔に触れると戦闘がスタートし,プレイヤーはライドウを操作して戦う。仲魔はオートで行動し,「特技」の使用の有無を指示できる。超力兵団奇譚ではアバドン王と同じく,仲魔を2体召喚できるようになり,片方は攻撃系,もう片方は治療系というように役割を分担させられる。仲魔にどんな特技を持たせるかといった選択や,後述する「悪魔合体」により,戦略性が高まっている。
悪魔や仲魔は弱点となる属性を持っており,これを突かれた者は硬直して無防備となる。敵の弱点を狙える仲魔を召喚し,逆に敵がこちらの弱点を突きそうなら交代させるといった気遣いも重要になる。つまり,ライドウ自身はアクションの反射神経で戦い,仲魔はRPG的な考え方で編成するのが,本作のバトルというわけだ。
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特技に関するシステムは「MAGドレインバトル」と呼ばれる新しいものへと進化した。オリジナル版は,特技を使う際に仲魔が持つMPを消費していたが,本作ではアバドン王同様にライドウの「MAG」が使われるようになった。
MAGは弱攻撃を当てたり,敵に攻撃して「弱点シールド」を破壊したりすることで補充できるため,戦い方次第では,仲魔に特技を連発させることも可能だ。
しかし,弱攻撃は威力が低いため,これだけではなかなか敵のHPを減らせない。強攻撃は威力がかなり高いが,こちらは当ててもMAGをまったく吸収できない。
対照的な2つの攻撃と仲魔を組み合わせることで,「弱点を突ける特技を持つ仲魔を召喚し,ライドウは弱攻撃でMAGの供給係に徹する」か,「威力の高い強攻撃を積極的に当ててライドウ自身がHPを減らす」という2つの戦術を採れるわけだ。
ライドウの装備する刀を制作する「錬剣術」も「アバドン王」から逆輸入されており,バトルのバリエーションを豊富にするのに一役買っている。強力な一撃を放てるが,隙も大きい「斧」,ヒット数は多いが一発当たりの威力は低い「槍」,バランスが取れた「太刀」の3タイプが存在し,素材を使って強化していける。
3タイプそれぞれに結構な数が用意されているのに加え,刀に宿る属性攻撃やMAG回復といった「神剣特技」も異なっているため,こちらもやり込み要素の1つとなりそうだ。
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さらに,敵の攻撃に合わせて背後に回り込む「かごめ舞い」や「回避」からの「殺魔一閃」(せつまいっせん)や「ジャムプ」(ジャンプ)からの攻撃,「スピリット剣」といった要素を使いこなせば,スリリングな戦いができる。
殺魔一閃は,タイミング良く敵の攻撃を避けるとが使えるようになり,発動させれば特殊な演出とともに大ダメージを与えられるが,回避に失敗するとダメージを受けてしまう。
ローリスクローリターンのガードでやり過ごすか,ハイリスクハイリターンの回避を狙うかで立ち回りが変わってくるのだ。
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ジャムプからは強力な一撃を繰り出すことができるし,敵の中にはジャムプでしかかわせないような広範囲攻撃を放ってくるものもいる。
仲魔が巻き込まれてダメージを受けないよう,仲魔を一時的に避難させる「隠し身」で守りつつ,自分はタイミング良くジャムプで避け,敵の攻撃が終わったら隠し身を解いて仲魔を再度参戦させる……と状況に応じて柔軟に立ち回らなければならない。
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そして,一発で戦局を変える強力な技がスピリット剣である。「仲魔を攻撃や補助で活躍させる」「ライドウが殺魔一閃や神剣特技を使う」「敵の弱点を突く」などの条件を満たすと「情熱」(スピリット)が上昇し,その状態でスピリット剣を使えば,画面全域に大ダメージを与えられる。
基本的には,本作のセオリーに沿った動きをすればスピリットは上がっていくので,爽快であると同時に分かりやすい。
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悪魔を仲魔に加える「封魔術」もより使いやすくなっている。悪魔のそばでボタンを押しっぱなしにするだけでスカウトできる設定が加わったうえ,同じ悪魔を何体でも仲魔にできる。
ゲーム攻略の際には,集めた仲魔2体を悪魔合体させ,より強力な仲魔にしていくのが重要となる。合体ならまだ出現していない悪魔を一足先に手に入れられるし,その際は2体が持つ特技を選んで引き継がせられる。
特技には,戦闘でMAGを消費して使う「戦闘特技」,持っているだけで補助効果を発揮する「思い出特技」,捜査の際に使う捜査特技と3系列が存在する。
攻撃系の戦闘特技に特化し,さまざまな属性の弱点を突けるようにするのもいいし,補助系の戦闘特技でフォローしてもらうのもいい。思い出特技はあればあるだけ戦いが有利になる。戦闘以外でも探索や事件捜査に役立つ捜査特技を持った仲魔を集めるなど,考えることは多岐にわたり,この辺りは,「真・女神転生」シリーズの醍醐味と言える。
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合体させた仲魔はいなくなってしまう。本作は仲魔たちが可愛すぎるため,筆者はつい合体を躊躇してしまうことがあった。
戦闘や捜査の際にさまざまなボイスを発するのに加え,「忠誠度」が最大に達すると折に触れてプレゼントをくれるようになるなど,その存在感は大きい。
同じ悪魔を何体も仲魔にできるとはいえ,それぞれに思い出があるため,「さあ,合体! 合体!」と割り切ることも難しい。仲魔たちは合体させた(=別れた)後に手紙を残してくれるのだが“あまり構ってやれなかった仲魔の手紙に恨み言が書かれていた”なんてこともあり,心が動かされる。
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オリジナル版は2006年の作品だが,大正時代をベースにした世界設定がしっかりしているのと,システムの分かりやすさから現代のゲームとしても問題なく遊べるという印象だ。
アクションが得意でない人も,回復や仲魔の切り替えは時間が止まった状態にコマンド選択で行えるのに加え,仲魔のHPが0になっても倒れなくなる低難度も用意されており,安心して遊べるだろう。
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追加要素は,戦術や戦略における選択肢やバリエーションをより豊富にする方向でまとめられているという印象で,じっくりとプレイできそうである。
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そして,帝都に怪人が跋扈し,近代文明が流入する中に因習にまつわる事件が展開する,ストーリーにも引き込まれる。ライドウ役の杉田智和さん,鳴海役の子安武人さん,ゴウト役の中田譲治さん,タヱ役の森永理科さんがハマっているのはもちろんのこと,仲魔たちも折に触れてしゃべってくれるため,良い意味で賑やかだ。オリジナル版を知る人も,そうでない人も楽しめるタイトルと言えるだろう。
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「RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚」公式サイト
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