報告会&体験会には,「ゆめかいろプロダクション」のプロデューサー,萱沼由晴氏に加えて,AIエンジニアの加納基春氏,3Dデザイナーの田中 典氏が登壇。「ゆめみなな」デビューから現在までの軌跡,AI VTuberを支える「アシストプレイ配信」について,AIによる3D演出技術についてといったテーマをもとに,AI VTuberの可能性や課題が紹介された。
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最初のテーマである「ゆめみなな」デビューから現在までの軌跡では,萱沼氏がマイクを持ち,ゆめかいろプロダクションの成り立ち,MVの公開から雑談配信,歌配信,ゲーム配信,外部イベントへの参加,一般のVTuberとのコラボ配信など,活躍の場を段階的に広げていった,ゆめみななさんのデビューから現在までの軌跡を振り返った。
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続いて議題にあがった「AI VTuberを支える『アシストプレイ配信』について」では,加納氏が登壇。ゆめみなな配信の転機となったゲーム実況の変遷について語られた。
デビューから雑談配信,歌枠,コラボ配信などを重ね,ゆめかいろプロダクションとしてもほぼ想定どおりに進んでいたというゆめみななchのライブ配信だったが,初のゲーム配信,「かまいたちの夜」の実況プレイを行うと,問題が発生。ゆめみななさんがゲーム画面の情報やYouTubeのコメントに対して律儀に反応しすぎる結果,配信のテンポが悪くなるという課題が浮かび上がったのだ。
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そこで加納氏たちは,「かまいたちの夜」配信のような,AIによる完全実況プレイはいったん中断。「かいろちゃん」と名づけられた中身は人間のアシスタントキャラを投入し,キーボードの入力やコマンドの選択などはかいろちゃんが行うことで,ゆめみななさん単独配信ではネックだった,配信時間の短縮やコストの削減に成功(AI単独でゲーム配信させるには,タイトルごとに個別の実装対応が必要)した。
これにより,人間のかいろちゃんとAI VTuberのゆめみななさんが協力してゲームを進めていくという,現在のスタイルが確立した。
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最後のテーマ「AIによる3D演出技術について」では,「ゆめみなな生誕祭 2026」を実現するために投入された,3Dライブを行う際に障壁となる課題を解決するさまざまな技術が田中氏から紹介された。
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今回の「ゆめみなな生誕祭 2026」は,田中氏の準備期間が3か月ほどしかなかったそうで,一般的な3Dライブの制作工程で進めると期間内に完成させることが難しく,納期を守るために大幅な工数削減が必要な状態から企画がスタートしたことが明かされた。
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そこで田中氏が着手したのが,VTuberの3Dモデルの制作やモーション収録,ライブ時のライティングやカメラワーク,表情付けといった演出を半自動化するツールの開発だ。
あらかじめ音源を読み込ませ,音源にあった各種演出を「ガチャのように」生成。出力されたものをベースに微調整を加えていくという方法で,期間内に一般的な3Dライブとそん色ないクオリティを持った「ゆめみなな生誕祭 2026」を完成させることに成功した。
しかも3Dモデルの制作やライブの演出は田中氏のほぼワンオペで作り上げてしまうという,人的コストの大幅削減も実現している。
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田中氏からの技術紹介がひと通り終わると,7月7日の「ゆめみなな生誕祭 2026」で披露される楽曲,「ななのビッグバン自己紹介」「惑星ループ」が先行公開された。
どちらも一般的な3Dライブとそん色がないクオリティかつ,ゆめみななchで公開されているMVとも違った演出やカメラワークで歌うゆめみななさんの姿が映し出され,田中氏が作った3Dライブ演出ツールの実力の一端をうかがい知ることができた。
3か月で高いクオリティの3Dライブを制作できた理由
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4Gamer:
本日はお疲れさまでした。ゆめみななさんがデビューしてから現在までで感じた手ごたえを,あらためて教えてください。
萱沼氏:
ゆめみななちゃんはデビューからちょうど半年ぐらいが経ちました。その間にいろいろな挑戦をさせていただいて,デビュー前からAI VTuberとしてやらせてみたかったことは,おおむね実現できたように思います。そのうえでユーザーさんからの反応も上々で,すごくいい手ごたえを感じています。
4Gamer:
かいろちゃんがゲーム実況に入ることになった経緯など,けっこうアドリブ感のある運営であることに驚かされました。
萱沼氏:
歌配信や雑談配信から始めて,ゲーム配信を増やしていくというのは想定どおりの流れだったんですけど,「かまいたちの夜」配信で実際にゲーム配信をやってみると,思った以上に課題が見えてきました。
当初はゆめみななの「単独」ゲーム配信をどんどんやっていくつもりだったのですが,現状だと単独配信を量産するのは厳しいという感触だったので,かいろちゃんに登場してもらいました。
人間とゆめみななちゃんのかけあいで配信を進めていくことで,いくらかテンポはよくなったかと思います。
4Gamer:
ゆめみななさん,かなり律儀にコメントやゲーム画面に映った情報を拾いますからね。
萱沼氏:
そうなんです。人間だとそこは拾わなくてもいいよという部分にも反応するので,結果配信の時間が長くなる。「かまいたちの夜」の配信みたいに7時間,8時間っていう動画が並ぶと,見る人が圧を感じると思います。
かいろちゃんを入れることでかなりテンポは改善されましたし,人とAI VTuberのかけあいも面白かったので,アドリブで思いついたことをやったのがプラスに働きました。
4Gamer:
食レポ配信も行いましたが,これはデビュー前からやるつもりでした?
萱沼氏:
食レポは予定があったというわけではなく,オファーをいただいた結果,実現した企画です。ただオファーを確認した瞬間に,AI VTuberに食レポは絶対面白いだろうと即決させてもらいました。
4Gamer:
食レポのような変化球的な配信は今後もやっていく予定はありますか。
萱沼氏:
まだ完全に決まってはいないのですが,1つ驚くような大型の案件は検討していて,まさかの組み合わせだねとリアクションがもらえると思っています。
4Gamer:
楽しみにしています。今日聞いた話ですと,3Dライブの演出まわりは田中さん1人で作ってしまったという話に一番驚かされました。
田中氏:
なんとかなりました(笑)。
4Gamer:
今回の3Dライブはコストカット,納期短縮を目的として,あえて短期間で制作する体制を取ったのでしょうか?
萱沼氏:
いえ,3か月で作ろうというよりは,ゆめみななちゃんの誕生日が7月7日だったので,そこに合わせてライブがやりたいねというところから企画は始まっています。
田中氏:
自分は3か月前にKLabに入社したばかりなんですよ。なので3Dライブを7月7日に行うことは入社した時には決まっていました。
4Gamer:
ということはKLabさんに入社しての初仕事がいきなり今回の3Dライブだったってことですか。
田中氏:
はい(笑)。この3か月はずっと3Dライブのツール作りをやっていました。
4Gamer:
だとすると,田中さんが入社していなかったら間に合わなかった可能性もあった。
萱沼氏:
そうですね。はっきり言ってしまうと,ここまでのクオリティのものはできていなかったと思います。我々にとってもすごくいい巡り合わせでした。
4Gamer:
今回のライブにはゆめみななさん以外のゆめかいろ一期生も参加するということですが,それはライブ中に生出演するということでしょうか?
萱沼氏:
事前に収録されたものを流す形になります。今回作った3Dライブの仕組みは必ずしも出演者が同じ場所にいる必要はない,モーションデータさえあればライブを成立させられるということにもチャレンジしたかったので,4人でのダンスでそこを試したいな,と。ただし,ダンスに関してはしっかりタレントさんが踊っているので,ぜひ応援いただきたいと思います。
4Gamer:
なるほど。3Dライブ開催のハードルを下げる目的もあると。今後は他社さんよりも頻繁に3Dライブを開催していけそうですね。
萱沼氏:
そうですね。ここまでライブ開催のハードルを下げられたのはうれしい誤算です。3Dライブはかなりゆめかいろプロダクションの強みになるかなと思っています。
ですから,3Dライブを活かしたスケジューリングを組んでいきたいですし,外販も考えていますのでほかのメーカーさんに使ってもらうことも含めて,いろいろ企画を考えていきたいですね。
今回のようにAIを使ったツールをこれからも作っていくことで,VTuberという産業自体の発展に貢献できることをやっていきたいと思っています。今後もよろしくお願いします。






































