先日最新トレイラーが公開された「Stupid Never Dies」(PC / PS5)を手がけるGPTRACK50も,そうした形で現地メディア向けのクローズドセッションを実施していた。ゲーム冒頭約30分のハンズオンとボス戦のデモプレイを通じて基本システムやアクションの手触りを確認できたので,その内容をお届けしよう。
GPTRACK50は,2022年10月に大阪で設立されたゲーム開発スタジオだ。
代表を務めるのは,「Devil May Cry」「DRAGON’S DOGMA」「バイオハザード」などのシリーズ作品に携わってきた小林裕幸氏。スタッフにもアクションゲーム制作に関わってきたメンバーが集まっており,「Stupid Never Dies」は同スタジオが送り出す完全新作のシングルプレイ型3DアクションRPGとなる。
本作の発売時期は2026年秋予定。ジャンルは「爆速成長3DアクションRPG」とされており,対応プラットフォームはPS5とPC(Steam)だ。
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主人公は,モンスター界で最弱の存在とされるゾンビのデイビィ。しかも,そのゾンビの中でも臆病者として知られる,いわゆるヘタレゾンビである。
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そんな彼が人生で初めて一目惚れした相手が,死んで氷漬けになっている女性・ジュリアだ。デイビィの目的は,ジュリアを蘇らせ,彼女とデートすること。ゾンビが死者に恋をし,好きになった相手を救うために戦うというなんとも愚直(?)な動機から物語は動き出す。
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とはいえ,デイビィは自分から世界を救おうと立ち上がるタイプの英雄ではない。彼がダンジョンへ潜ることになるのは,フランク博士との利害が一致したからだ。
ジュリアの身体は凍った状態で保たれており,その維持には電力が必要となる。そこで博士は,ジュリアを冷やし続けるための電力を確保する代わりに,デイビィにダンジョン攻略を求める。
デイビィはジュリアを救うために,博士は自分の目的のために,それぞれ相手を利用する。この持ちつ持たれつの関係によって,デイビィは“トイレからダンジョンへ流されていく”ことになる。
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今回のハンズオンでまず印象に残ったのは,本作が“殴られたら殴り返す”というかなり前のめりなアクションゲームとして作られていることだ。
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デイビィはゾンビなので,基本的には多少ダメージを受けても構わずに前へ出る。敵を殴り,噛みつき,食べることで体力を回復する。パリィのようなアクションも用意されているが,防御や回避を中心に慎重に立ち回るというより,殴られたらその分殴り返す。ダメージを受けたら相手を食べて回復。食べることも攻撃になるので,つまりはひたすらに攻め続けるのだ。
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ゲームの基本サイクルは,ショッピングモールを拠点にダンジョンへ潜るというもの。デモではどの店もシャッターが閉まったような状態だったが,ゲームが進むとデイビィの強化やダンジョンに潜るための用意などができる“RPG的お店”がオープンする。
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たとえばフランク博士が関わる「Jupiter Target」では,これまでに入手したスタイルや倒したエネミー,到達したレイヤーの情報を確認できる。男勝りなバイカーゾンビのベッシーがいる「BESSIE BURGER」では,ゾンビスキルの開放やレアリティアップが可能となり,チワワ男のアセリノがいる「Ink on the Brain」では,デイビィの身体を改造する“ボディハック”に関わるOTギアの開発や管理を行える。……バイカーゾンビ? チワワ男?
なお地上では「うーあー」という感じで,ゾンビらしくノロノロ歩きのデイビィだが,拠点内ではクリーナーのような乗り物に乗って結構快適に移動できる。
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拠点からダンジョンへ向かう導線だが,先ほどちょっと伝えたとおりその入り口はトイレである。
排泄物かのように流されてたどり着くダンジョンには制限時間がある。最下層にいるボスの撃破を目指し,限られた時間の中でできるだけ深く潜っていく。早く先へ進めば深層に到達しやすくなるが,深い階層にはより強い敵が待っている。浅い階層で敵を倒してレベルを上げるのか,推奨レベルを下回っていても腕に自信があるなら先へ進むのか。
制限時間は単にプレイヤーを急かすものではなく,どこで欲張り,どこで切り上げるかを選ばせるための仕掛けになっている。
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さらに特徴的なのが,ダンジョンへ潜るたびにレベルが1に戻ることだ。
普通に聞けば「毎回リセットされるなら成長しないのでは?」と思うかもしれない。しかし,本作で蓄積されるのはレベルそのものではなく「成長速度」。前回のダイブで敵を多く倒していれば,次のダイブではより早くレベルが上がっていく。
つまり,毎回レベル1に戻りながらも,プレイの蓄積は確実に残る。1回目より2回目,2回目より3回目のほうが速く成長できるため,同じ序盤でもプレイ感が変化していく。この「爆速成長」という考え方が,本作の大きな核になっている。
もう一つの柱が,本作独自のバトルシステム“スタイルイート”だ。
スタイルイートは,敵を倒して食べることで,その敵の能力を習得するシステムである。主人公デイビィの基本となるゾンビスタイルに加え,狼男,ハーピー,ゴーレム,ヴァンパイア,ウィル・オー・ウィスプ,サイクロプス,スノーフェアリー,マーフォーク,リッチ,デーモンといった10種類のモンスタースタイルが存在し,合計11種類の姿がある。
試遊では,エリートエネミーを倒して食べることで,狼男のスタイルを獲得する場面を体験できた。変身した瞬間,デイビィの動きは明らかに軽くなり,攻撃のテンポも変化する。単に戦い方が変わるというより,ゲームが変わったかのような印象だ。
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スタイルは最初からすべて使えるわけではなく,ダンジョンを進め,登場する敵と出会い,その敵を食べることで順番に手に入っていく。たとえば,氷の世界ではスノーフェアリー系のスタイルが登場するなど,ダンジョンの内容とスタイルの出現も結びついているようだ。
面白いのは,獲得したスタイルが時間制限ではなく,フロア制限で管理されている点だ。今回の試遊では,手に入れたスタイルを3フロアまで使用できた。強力なスタイルをいま使うのか,次のフロアのために温存するのか。あるいは,手持ちのスタイルを捨てて別のスタイルを取りに行くのか。ここにもまた,プレイヤーの判断がある。
ゲームが進むとセットできるスタイルが複数になり,状況に応じて切り替えながら戦えるようにもなる。手強い敵が登場するダンジョンの深部を進むには,敵の配置や動きに合わせたスタイルのセットと使い分けがキモとなりそうだ。
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ボディハックも,本作の重要な成長要素だ。これはゾンビであるデイビィの身体を改造し,OT(Over-Technology)ギアを埋め込んでいくシステムである。すでにミサイルのような攻撃手段が公開されているが,スタイルイートが「その場で敵の戦い方を奪う」システムだとすれば,ボディハックは「自分の身体をどう作るか」に関わるシステムと言える。
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ほかにも雑魚敵のコアを食べることで得られる“インスタントスキル”もある。これは1回限りの消費型スキルで,敵の集団を処理したり,一時的な強化に使ったりできる。スタイルイートやボディハックほど大きな成長軸ではないが,その場その場の戦闘に変化を与える要素になっていた。
敵を食べていくことで溜まるゲージを使って発動する“デイビィバースト”も用意されている。
発動すると画面の雰囲気が大きく変化し,デイビィの攻撃性能が高まる。デモプレイではかなり派手に敵を蹴散らしていたが,無敵になるわけではない。あくまで攻めるための強化状態という位置づけのようだ。
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レベルアップ時の演出もユニークだ。能力を選んで強化する画面は,ショッピングモールの世界観に合わせてレシート風に表示される。単なるスキル選択画面ではなく,80年代風の色味や商業施設のモチーフと結びついた見せ方になっているのが印象的だった。
このように,スタイルの組み合わせ,スタイルとボディハックの組み合わせなど,あらゆる要素によって自分なりのデッキを作るような感覚でデイビィを強化する。ダンジョン内で得られるスタイルは拠点に戻るたびリセットされるので,理想のビルドを固定で完成させるゲームというより,その回ごとのダイブで手に入ったスタイルやスキルをどう生かすかを考えるゲームになっている。
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デモプレイでは,最初のボスにあたるアフリート戦も確認できた。アフリートは,全モンスターの総大将であるKOM(King Of Monsters)への忠誠を示すため,“地獄の業火”を飲み干したとされるボスキャラクターだ。戦闘では空中を飛び,鞭を使い,重力玉のような攻撃でこちらの動きを縛ってくる。
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デモでは,パワータイプであるサイクロプスのスタイルを例に,スタイルの切り替えによる攻略の一例が紹介された。
サイクロプスは攻撃力こそ高いが,動きは鈍い。そのため,機動力の高いアフリートにはなかなか近づけず,一撃が大きくても当てるのは難しい。そこでスノーフェアリーに切り替えて相手を凍らせ,動きを止めてからサイクロプスに戻り,大きな一撃を当てるという戦い方が披露された。
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もちろんスタイルごとの得手不得手はあるだろう。しかし,不利に見えるスタイルでも,ほかのスタイルで補うことで十分に戦えるため,「このボスの攻略にはこのスタイル」といった固定的な遊びにはならなさそうだ。
さまざまなスタイルを組み合わせて攻略するのも,得意なスタイルを軸にしてそれを生かす構成を考えるのもアリ。この幅広さも本作の特徴となるだろう。
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バカバカしくも真っ直ぐな純愛設定と,かなり真面目に作られたアクションの手触り。その両方が同居しているのが,「Stupid Never Dies」の面白いところだ。
今回は基本のゲーム進行とアクションを中心に紹介したが,本作はビジュアルや演出にも一癖も二癖もある。アコースティックギターの音をバックに現れる詩的なデュラハン──その名も「ボブ・デュラハン」など,刺さる人には「それはズルい!」と言いたくなる要素も盛り込まれている。
そうしたクセの強いキャラクターや世界観についても,今後改めて紹介したいところだ。
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今回プレイできたのはゲーム冒頭のチュートリアル部分であり,本格的なビルド構築やダンジョン攻略の全体像をつかむには,まだもう少し遊んでみる必要がある。
それでも,ゾンビだから食べる,食べるから回復する,食べるから敵の力を奪う,食べるから次のダイブが速くなる,というように,複数のシステムが「食べる」を起点につながっていることが強く伝わってきた。
ゾンビが恋をして,トイレからダンジョンに流され,モンスターを食べながら何度も立ち上がる。タイトルどおり,愚かでも死なない,前のめりなアクションRPGになりそうだ。
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