![]() |
本作は,香港の九龍城砦(ガウロンセンチャイ)をモデルにした「クーロノイドシティ」を舞台に,ケモノへと変化する「アニマ化」の兆候が現れた少女と一年間をともに過ごす育成アドベンチャーゲームだ。
プレイヤーはアニマ化を研究する研究者として,少女の身に起きる変化を観察・記録しながら,アニマ化の進行に影響を与えていく。選択によってアニマ化の方向が変わったり,進行が止まったりして,少女とともに迎える結末も変化するという。
なお,2025年の「WePlay Expo」での本作のプレイレポートを掲載しているので,気になる人はあわせてチェックしてほしい。
ケモミミの少女と共同生活。ケモノ化少女育成ADV「アニマロイドガール」は,欲望と理性が試される[WePlay2025]
2025年11月22日に中国・上海で開幕した「WePlay Expo 2025」では,ケモノ少女育成ADV「アニマロイドガール」の試遊版が出展されている。九龍城砦を舞台にケモミミの少女と共同生活を送りながら,欲望と理性の狭間で揺れ動く研究者の1年が描かれる。
![]() |
![]() |
![]() |
本作で特徴的なのは,特定の結末へ向かうための「正解」を探すのではなく,少女とともに過ごした日々のなかで生まれる「思い出」を重視している点だ。少女をどのように育てるのか,そして研究者として彼女とどのような関係を築いていくのか。プレイヤーは自身の考えに従って選択していく。
今回TGSの会場では,本作のディレクターを務める國永昌也氏に話を聞くことができた。本作が目指す育成ゲームとしてのあり方や,アニマ化を取り巻く世界設定,九龍城砦を舞台のモデルにした理由などについて聞いている。
4Gamer:
本作では,プレイヤーは研究者であると同時に,少女の保護者でもあります。なぜこのような立場から少女の成長を見守る構造にしたのでしょうか。
國永昌也氏(以下,國永氏):
いろいろな理由がありますが,一番のベースにあるのは,もともと育成ゲームのようなものを作りたかったということですね。
ただ育成ゲームそのものを作りたかったというより,育成ゲームを遊んでいるときに感じる,「誰かの未来を左右する」という感覚に興味があったんです。
4Gamer:
そこは私も気になっていました。プレイヤーの選択によって,少女がどのようなアニマになるのか,どのような将来を迎えるのかが変わっていくんですよね。
![]() |
國永氏:
そうですね。一般的な育成ゲームは,どうしてもゲーム攻略の側面が強くなります。要するに「正解」があって,そこに向かってプレイしていくことが多いと思うんです。
ただ,本作には正解が存在しません。ゲーム的な正解をあえて決めないことで,プレイヤーには自分の気持ちに従い,自由に選択してほしいと思っているからです。
何を選んでもいい。ただし,その結果は自分自身で受け止めることになる,ということですね。
4Gamer:
なるほど。
國永氏:
仮に自分が思っていたエンディングにならなかったとしても,それは別にバッドエンディングではありません。プレイヤーと少女が二人で選択を積み重ねた末にたどり着いたゴールであって,そこにはちゃんと価値があります。
未来には単純な正解や失敗があるのではなく,そこにどのような気持ちで向かっていったのか。その過程のほうが重要だと思っています。
4Gamer:
プレイヤーの選択によって,少女はさまざまな方向へアニマ化していきます。たとえば私が「どうしてもオオカミの方向へ成長させたい」と思った場合,少女自身の意思やほかの要素によって,まったく予想外の結果になることもあるのでしょうか。
![]() |
國永氏:
本気でオオカミにしたいと思ってプレイすれば,オオカミにできます。
そこには,あまりゲーム的な難しさを入れないようにしています。「何よりもオオカミにしたい」と強く思っているのであれば,それを実現できる。
自由だからこそ選択することが楽しいし,自由に選択したからこそ,それが思い出になると思っているんです。
先ほども話したように,エンディングでどのような結論にたどり着いたのかよりも,そこへ至るまでにどんな選択を繰り返してきたのか。その過程そのものが,一番の思い出になるのではないかと考えています。
4Gamer:
なるほど。そういう構造のゲームは,あまり多くないですね。
國永氏:
そうなんですよね。どうしてもゲーム性や攻略のほうへ寄っていきますから。
なので,本作ではかなり意図的に攻略性を薄くしています。その代わりに選択肢をたくさん用意して,「攻略として正しいものを選ぶ」のではなく,「自分自身の意思として悩んで決める」ということをやってほしいんです。
プレイヤー自身に,研究者という役割をロールプレイしてほしいですね。
![]() |
4Gamer:
そうなると,システム上も「この条件を満たせばこのエンディングに行く」といった形にはしづらそうですね。
國永氏:
そうですね。実際,本作では狙って特定のエンディングへ行くような遊び方は,あまりできないようにしようと思っています。
たとえば,本当は選択肢Aのほうが好きなのに,「Aを選ぶとグッドエンディングに行けなさそうだから,Bを選ぼう」と考えるゲームってありますよね。
4Gamer:
ありますね。
國永氏:
僕はあれがあまり好きじゃないんです。Aのほうがいいと思ったのであれば,Aを選びたい。
先ほどのオオカミの話も同じです。オオカミが好きで,オオカミにしたいと思うのであれば,その気持ちに従って選んでほしいんです。
4Gamer:
一方で,試遊を通じて,少女自身にも意思があるように感じました。プレイヤーと少女の意思が食い違った場合,その関係はどのように描かれるのでしょうか。
國永氏:
はい。この子にもちゃんと自分の意思があります。ただ,その意思をどう表に出すのかは,少女とプレイヤーとの関係性によって変わっていきます。
たとえば,プレイヤーが保護者のように接していれば,少女も素直に相談してくれるような子になるかもしれません。
一方,研究者として淡々と接していれば,少女のほうも気を遣うような関係になるかもしれない。かなり現実の人間関係に近いものを意識して作っています。
4Gamer:
なるほど。では,もし「マッドサイエンティスト」のように振る舞っていた場合はどうなるのでしょうか。
國永氏:
マッドサイエンティストというと,一見,悪い人物のように感じるかもしれません。でも,マッドサイエンティストと研究対象となる人物が,意外といい関係を築いている作品もありますよね。
外から見れば異常な関係に思えるかもしれない。でも,当人同士は相性がよかったり,そこに別の形の依存関係が生まれたりする可能性もあります。
それこそ「これが一番正しい関係」というものはありません。
4Gamer:
では,少女自身のものの考え方や,物語の受け止め方も変わっていくのでしょうか。
國永氏:
少女の内面は,ゲーム中でどのような選択をして,プレイヤーとどのように過ごしてきたのかによって,ある程度変化するようになっています。そこも本作の大きな特徴ですね。
そうした内面的な変化の幅を持たせるために,少女の年齢もかなり若く設定しています。
大人になると,人間はそこまで簡単には変わらないじゃないですか。でも,14歳くらいであれば,周囲の環境によって大きく変わる可能性がある。
![]() |
4Gamer:
なるほど。14歳という年齢設定にも,そうした意図があるわけですね。
國永氏:
プレイヤーが親密に接していれば,血はつながっていないけれど,まるで親子のような関係になることもあります。逆に,プレイヤーがマッドサイエンティストのように振る舞っていても,少女のほうがその狂気や天才性に惹かれる可能性もあります。あるいは少女自身が,自分の「アニマ」としての可能性を認識していくこともあります。
4Gamer:
「アニマ」としての可能性,ですか。そういえばゲーム中には,アニマについてさまざまな記録が存在し,なかにはテレビの司会者やモデルとして活動しているアニマの存在を示す情報もありました。そうした世界設定の作り込みもかなり気になっています。
國永氏:
この世界では,アニマはかなり珍しい存在です。人数自体はそれほど多くありません。ただ,それぞれに特徴があるので,なかにはタレントのような活動をしている人もいます。
とはいえ,社会全体から同じ人間として完全に受け入れられているわけではなく,差別のようなものも存在します。誰かに明確な悪意があるから差別が起きる,というだけではなくて,少数であるというだけでも,さまざまな生きづらさが生まれると思うんです。
![]() |
4Gamer:
そういった世界のなかで,プレイヤー自身も研究者をロールプレイするわけですね。
國永氏:
はい。研究者として,どのような人物になるのかを自分自身で選択できます。
そして少女も,その選択によって変わっていきます。アニマとして身体がどう変化するのかだけではなく,内面的な部分も含めて変わっていく。
そうやって,プレイヤーと少女の二人で,自分たちだけの思い出を紡いでいけるゲームにしたいと思っています。本作のキーワードを一つ挙げるのであれば,やはり“思い出”ですね。
4Gamer:
なるほど。ちなみに,本作は香港の九龍城砦を舞台のモデルにしていますが,なぜこの場所を選んだのでしょうか。
國永氏:
理由はいくつかあります。一つ目は単純で,僕自身,香港がものすごく好きだからです(笑)。好きなものって,やっぱり高い解像度で描けるんですよね。
4Gamer:
なるほど。好きだからこそ,細部まで描き込めるということですね。
國永氏:
もう一つは,本作のテーマにも関係しています。
この少女は,もともとは普通の人間だったのに,アニマ化の兆候が現れたことで,それまでとは違う存在として見られるようになります。それでも,自分自身のアイデンティティを大切にして,自分の未来を見つけてほしいと思っています。
そうした「自分自身のアイデンティティに自信を持つ」という部分を考えたときに,香港という土地が合っていると思ったんです。
![]() |
4Gamer:
それはどういう意味なのでしょうか。
國永氏:
香港に暮らしている人たちは,自分たち自身の力に対して,とても強い自信を持っていると感じています。「自分たちの未来を作るのは自分たちだ」という感覚が強い。
もともとは小さな土地だったところから,大都市へと成長してきましたし,さまざまな背景を持った人たちが集まり,何もないところから自分たちの生活や文化を築き上げてきた。
そういう土地であることに,大きな意味があります。少女が自分自身の幸せを探していく物語のスタート地点として,香港はすごくいい場所だと思ったんです。
4Gamer:
そういった意味が込められているんですね。
國永氏:
そして九龍城砦には,もう一つ意味があります。
ご存じのとおり,九龍城砦はもう存在しない場所なんです。でも,その記憶はいまなお,多くの人の心に強く刻まれています。たとえ実際の場所そのものが失われてしまっても,人の記憶のなかにはずっと残り続ける。
そういう意味でも,九龍城砦は本作の「思い出」というテーマを象徴する存在だと思っています。
4Gamer:
貴重なお話ありがとうございます。では最後に,本作の現在の開発状況について,差し支えない範囲で教えてください。
國永氏:
開発自体はかなり進んでいますが,「現在何%くらい完成しているのか」と聞かれると,なかなか答えるのが難しいですね。
というのも,本作はかなり特殊な作り方をしているゲームなので,作っても作っても,まだまだ作るものが残っているんです(笑)。
![]() |
![]() |
4Gamer:
かなり進んでいるように見えたので,意外ともうすぐ完成するのではないかと思っていました。
國永氏:
いや,それはまだですね(笑)。見ていただいて分かるとおり,本当にいろいろなものを作っているんですけど,まだまだ作業は残っています。
4Gamer:
ありがとうございました。


















![画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / 獣人化する少女と過ごす育成ADV「アニマロイドガール」開発者インタビュー。正解などない,プレイヤーと少女が築いていく“思い出”が物語を形作る[TGS2026]](/games/730/G073063/20260919011/TN/001.jpg)


![画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / 獣人化する少女と過ごす育成ADV「アニマロイドガール」開発者インタビュー。正解などない,プレイヤーと少女が築いていく“思い出”が物語を形作る[TGS2026]](/games/730/G073063/20260919011/TN/002.jpg)
![画像ギャラリー No.003のサムネイル画像 / 獣人化する少女と過ごす育成ADV「アニマロイドガール」開発者インタビュー。正解などない,プレイヤーと少女が築いていく“思い出”が物語を形作る[TGS2026]](/games/730/G073063/20260919011/TN/003.jpg)
![画像ギャラリー No.004のサムネイル画像 / 獣人化する少女と過ごす育成ADV「アニマロイドガール」開発者インタビュー。正解などない,プレイヤーと少女が築いていく“思い出”が物語を形作る[TGS2026]](/games/730/G073063/20260919011/TN/004.jpg)
![画像ギャラリー No.005のサムネイル画像 / 獣人化する少女と過ごす育成ADV「アニマロイドガール」開発者インタビュー。正解などない,プレイヤーと少女が築いていく“思い出”が物語を形作る[TGS2026]](/games/730/G073063/20260919011/TN/005.jpg)
![画像ギャラリー No.006のサムネイル画像 / 獣人化する少女と過ごす育成ADV「アニマロイドガール」開発者インタビュー。正解などない,プレイヤーと少女が築いていく“思い出”が物語を形作る[TGS2026]](/games/730/G073063/20260919011/TN/006.jpg)
![画像ギャラリー No.007のサムネイル画像 / 獣人化する少女と過ごす育成ADV「アニマロイドガール」開発者インタビュー。正解などない,プレイヤーと少女が築いていく“思い出”が物語を形作る[TGS2026]](/games/730/G073063/20260919011/TN/007.jpg)
![画像ギャラリー No.008のサムネイル画像 / 獣人化する少女と過ごす育成ADV「アニマロイドガール」開発者インタビュー。正解などない,プレイヤーと少女が築いていく“思い出”が物語を形作る[TGS2026]](/games/730/G073063/20260919011/TN/008.jpg)
![画像ギャラリー No.012のサムネイル画像 / 獣人化する少女と過ごす育成ADV「アニマロイドガール」開発者インタビュー。正解などない,プレイヤーと少女が築いていく“思い出”が物語を形作る[TGS2026]](/games/730/G073063/20260919011/TN/012.jpg)
![画像ギャラリー No.009のサムネイル画像 / 獣人化する少女と過ごす育成ADV「アニマロイドガール」開発者インタビュー。正解などない,プレイヤーと少女が築いていく“思い出”が物語を形作る[TGS2026]](/games/730/G073063/20260919011/TN/009.jpg)
![画像ギャラリー No.010のサムネイル画像 / 獣人化する少女と過ごす育成ADV「アニマロイドガール」開発者インタビュー。正解などない,プレイヤーと少女が築いていく“思い出”が物語を形作る[TGS2026]](/games/730/G073063/20260919011/TN/010.jpg)
![画像ギャラリー No.011のサムネイル画像 / 獣人化する少女と過ごす育成ADV「アニマロイドガール」開発者インタビュー。正解などない,プレイヤーと少女が築いていく“思い出”が物語を形作る[TGS2026]](/games/730/G073063/20260919011/TN/011.jpg)