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物語は,ソマがゴミ捨て場で目を覚ますところから始まる。覚えているのは,家族についてのかすかな記憶の断片だけだ。
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その手がかりを追って,ソマは奇妙なロボットたちと未知の信仰だけが残された荒廃した都市を歩いていく。英語の看板が朽ちる街並みは,どこか現実の大都市を思わせる。
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探索で重要になるのが,「EIDOS」の紋様が付いた物体にだけ作用する磁力だ。自分より軽い物体は引き寄せて持ち上げ,目の前に置いたり,狙いをつけて撃ち出したりできる。
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序盤の舞台は路地裏。ソマの修理に必要な部品を集めるため,行く手をふさぐ箱をどかしたり,積み上げて足場にしたりしながら進んでいく。うずたかく積まれた箱の山も,1つ引き抜いて撃ち込めば丸ごと崩れ,道が開く。
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部品を3つ集めると,街の修理機でソマを直せる。その後は,道中で出会う球体のロボット「RS1」も旅に同行する。
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旅を進めると,要所でスケッチ風の回想シーンが挟まれる。そこに描かれるのは,持ち主だったとみられる少年との思い出だ。
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街のあちこちには「IDEA」というAIをたたえる古いポスターや放送が残っており,かつて人々がこのAIに繁栄を託していたことがうかがえる。何が起きて,この街は廃墟になったのか。
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地下に降りると,磁力のもう1つの使い方を覚える。壁に据え付けられた重いEIDOSの物体に磁力を使うと,今度はソマ自身が引き寄せられ,高速で飛んでいく。
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その先の倉庫で待ち受けるのが,理由もなくロボットを襲う影のような怪物「スキア」だ。音に反応するため,近くではしゃがんで足音を消すか,歩いては止まる動きを繰り返してやり過ごす。反応の度合いは円形のゲージで示され,たまりきるとゲームオーバーになる。
序盤に覚えた箱投げも役に立つ。離れた場所に箱を投げれば,その音につられたスキアを遠ざけられる。
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体験版の最後は,追ってくるスキアからの脱出シーンだ。前方からも別のスキアが迫る中,箱を引き寄せて壁を崩し,足場を作ってバリケードを越えたところで幕となる。
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ロボットのかわいさとディストピアの雰囲気,そしてシンプルながら頭を使うパズル。この3つの魅力がバランスよく詰まった体験版だった。
なお,会場のデモは韓国語と英語に対応していた。ストーリーの比重が大きそうな作品なので,日本語対応について尋ねたところ,実装を検討しているとのことだった。
日本語対応を含む今後の展開や,本作が生まれた経緯について,ARDORBITのリーダーであるKang Heejin氏に話を聞いた。
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4Gamer:
お時間を取っていただきありがとうございます。まず,ARDORBITがどのようなチームなのか,教えていただけますか。
Kang氏:
大学の仲間が集まって作っているチームです。去年から8人で開発を始めて,ほぼ1年になります。卒業して就職したメンバーもいますが,今も同じ8人で続けています。
4Gamer:
このメンバーは,「Poreia」を作るために集まったんですね。
Kang氏:
ストーリーのある一つの旅路を描いたアドベンチャーゲームを作るのが,大学に入る前からの個人的な夢でした。1年生のときからずっとメンバーを探していたものの,なかなかうまくいかなかったんです。
3年生ぐらいになると,私に足りない部分を補ってくれるメンバーが周りにそろってきました。幸い,全員がこのプロジェクトをやりたいと言ってくれたので,そこでチームを組むことになりました。
4Gamer:
8人のメンバーは,それぞれどのような役割を担当しているのでしょうか。
Kang氏:
私はプロジェクト管理と開発を担当しています。作りたかったのは3Dのゲームで,アートの人員が必要でしたし,マップも最低3つは欲しかったんです。
そのため,3Dアートが3人,UIデザインが1人,開発者が私のほかに2人,それに企画者が1人という構成になっています。
4Gamer:
3Dのパズルゲームという点も印象的でした。制作は大変そうですが,あえて3Dを選んだのはなぜですか。
Kang氏:
私自身が3Dのゲームが好きということもありますし,3Dは画面を回しながら探索できるので,2Dより没入感があると思ったからです。
4Gamer:
メンバーの皆さんは,大学でも3Dや映像制作を学んでいるんですか。
Kang氏:
私たちはデジタルメディア学科に所属していて,3Dデザインもプログラミングも学べます。そのため,もともと3Dをやっていたメンバーに集まってもらいました。
4Gamer:
開発に使っているゲームエンジンについてもお聞かせください。
Kang氏:
学校でも使っているUnityです。ゲーム開発が初めてのメンバーも多かったので,始めやすいUnityを選びました。
4Gamer:
ここからはゲームの内容について伺います。主人公のソマは,どのようなロボットなんですか。
Kang氏:
人と暮らすコンパニオンロボットです。物語では,廃墟の都市で目を覚ましたソマが家族についての記憶を思い出し,その家族を探す旅に出ます。
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4Gamer:
磁力を使ったパズルというアイデアは,どこから生まれたのでしょうか。
Kang氏:
シンプルなメカニクスで,多様な行動ができるゲームプレイにしたいと考えていました。このゲームでは,軽い物体は引き寄せて投げ,重い物体には主人公のロボットのほうが引き寄せられます。この仕組みならさまざまな状況で活用でき,ロボットという題材にもよく合う。それが採用した理由です。
4Gamer:
体験版では2種類の磁力を使えました。ゲームを進めると,さらに能力が増えていくんですか。
Kang氏:
基本的なルールはその2つで,そこに主人公の能力が少しずつ追加されます。重い物体に対しては,最初は連続移動しかできません。そこから,狙いをつけて好きな方向に飛べるようになるなど,できることが増えていきます。主人公が記憶を少しずつ取り戻すというコンセプトなので,それに合わせて能力も習得していく仕組みです。
4Gamer:
開発で特にこだわったのは,どのあたりでしょうか。
Kang氏:
すべての部分に心を込めましたが,特にこだわったのは最初のマップです。3Dゲームは自由度が高いぶん,初めてプレイテストをしたとき,プレイヤーがどう行動すればいいのか迷うことが多かったんです。そこで最初に作ったものを90%ほど作り直し,プレイヤーがちゃんと付いてこられるよう,できるだけ分かりやすいマップ構成を意識しました。
4Gamer:
制作にあたって,参考にした作品や影響を受けた作品はありますか。
Kang氏:
猫が主人公の「Stray」から影響を受けた部分があります。また,韓国のインディーゲーム「SANABI」は2Dですが,とても興味深いアドベンチャーゲームで,こちらからもインスピレーションを受けました。
4Gamer:
現在,開発はどのあたりまで進んでいますか。正式リリースの目標時期もお聞かせください。
Kang氏:
全体のストーリーを描くには5つのマップが必要で,今は2つまで完成しています。正式リリースの目標は,2027年5月ごろです。
4Gamer:
ストーリーは,開発を始めた段階ですでに固まっていたんですか。
Kang氏:
はい。制作前に,全体の世界観とストーリーを固めるため,メンバー全員でアイデアを出し合いました。
実は開発を1学期で終わらせる予定だったのですが,時間が足りなかったんです。それでもストーリーを最後まで実装したかったので,開発期間を延ばすことにしました。その過程で,メンバーの開発に対する意志も強くなっていきました。
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4Gamer:
ちなみに,完成版のプレイ時間はどのくらいになりそうですか。
Kang氏:
今のところ2時間程度を目標にしています。
4Gamer:
今回のBICについても伺います。こうした展示会でゲームをお披露目するのは,今回が初めてですか。
Kang氏:
外部でお披露目するのは今回が初めてです。皆さんが主人公のソマをとても可愛がって,楽しそうに遊んでくださる姿を見られて,本当にうれしかったですね。
4Gamer:
今後の展開も気になります。まず,日本語対応についてはいかがでしょうか。
Kang氏:
今はデモを公開し,正式リリースに向けて準備を進めているところです。
早めに対応したいのが日本語と中国語,それにXboxコントローラーです。近いうちに準備できると思いますし,正式リリースまでには,さらに多くの言語に対応する予定です。
4Gamer:
その先には,コンシューマ機への展開も考えているのでしょうか。
Kang氏:
まずは正式リリースを無事に終えることが先ですね。コンシューマ機への展開は,その後の拡張計画として念頭に置いています。
4Gamer:
最後に,日本の読者へメッセージをお願いします。
Kang氏:
ぜひ私たちのゲームを楽しんでください。そして,たくさんのフィードバックをいただけたら,とてもうれしいです。
4Gamer:
ありがとうございました。「Poreia」の2027年のリリースを楽しみにしています。



















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